【ハウツー】覚悟を決めるスノーボード

広告 five  

 

スノーボードを初めてから、今季でちょうど33シーズン目を迎えることになりました。
このスノーボード歴を振り返って、スノーボードというものがどんなものか、と改めて考えてみると、それは覚悟を決める歴史であったのかな、と。

news150104f

広告

スノーボードを気軽な気持ちで始めたという方もいると思うけど、多くの人は覚悟を決めて「やるぞ!」と思ったのではないでしょうか。
ボード用式やウェア、さらにはゴーグルなどのアクセサリーに至るまで揃えるのには結構な出費です。何より、様々なスポーツの中でも、おもしろそうだけど怖そうだし。

実際、最初の日のスノーボードというのは、誰もがかなり痛い思いをしているものと思います。
翌日、お尻が痛くて、イスに座れなかったという方も少なくないでしょう。

スノーボードを始めて、最初のターンに苦労した人も多いハズ。特にカカト側からつま先側のトゥサイドになかなか入れなかったという人はたくさんいるでしょう。

ターンができるようになった方でも難しい急斜面になるとトゥサイドに入れないという人もいます。
そんな人は、いつまでもカカト側のエッジで滑って、そこから離れられない人です。

頭ではトゥサイド(つま先側)に入ろうと思っているのだけど、身体がイヤイヤして、カカト側をあきらめられない。そこからさっさとボードをフラットにしていき(注:エッジが掛かってない状態)、前足に体重を移さないといけないのに。結果、後ろ足に体重が乗ったまま(=後傾)、カカトからつま先側に移行するため、エッジが引っかかりスッテンコロリン。本来なら以下のような体重移動が必要なのです。

 

news150104g

(このイラストは、カカト側からつま先側に体重を移動する意識を示したもの。黒の部分が体重をかけるところ。カカト側からつま先側に行く時、板が谷側を向くところがあるが、その時は前足に踏み込んでいく意識がないと、身体が遅れて後傾になりやすい。意識としては、斜面に対して肩のラインが水平になること。覚悟を決めて前足に乗っていき、そこからつま先にエッジングだ。)

ジャンプしても同じです。
飛ぶ時には、軽く蹴って空中へ積極的に身体を放り出すようにジャンプする方が理に適っているし、安全です。
でも、飛んだことがない人、またキッカーに慣れていない人というのは、飛ぼうという気持ちがあるので挑んだにも関わらず、いざ挑戦した時には身体がどうしても雪から離れるのを嫌がって、蹴れない。挙句の果てには、上体が暴れてしまってバランスを崩したりします。

スノーボードのフリースタイルには、様々な上達方法があります。
例えば、ジャンプなら、最初に平らなところで両足ジャンプ、さらにはオーリー、そして地形を使って小さいきっかけで飛んだり、パークに入ったら小さいサイズから飛んで、だんたんと大きくというふうに。

ジブにしても最初は雪上の緩いところでアイテムを想定してトリックして、そこから簡単なボックスに入ってみる。そしてレールに入って、さらにはキンクなどの難しいレール、最終的にはストリートのような方向に進んだり。

このように徐々にステップアップする方法があるけど、どこに行こうとも結局、どっかしらで覚悟が必要になってくる。そんな時、引き下がらずに「これをやるんだ」、というという強い気持ちが必要ですね。

ある意味、僕の場合、その覚悟を決めるために、様々なハウツーを考えて来たとも言えるでしょう。言い換えればビビリ屋なのかも(!?)
結果的には、30シーズン以上も怪我なしに来れたのだと思います。

覚悟とハウツーがあれば、スノーボードは安全に楽しく上達できます!

今季も、みなさんぜひ「覚悟」という気持ちで新しいことにチャレンジしましょう。やるんだったら、やるってことです。迷ったら行かない。迷わないために、自分なりの上達方法(ハウツー)をしっかりと行い、最終的にやることになったら覚悟を決めてやる。技術をしっかりと高めてから挑みましょう。そうでないと、痛い目に合わせます。しっかりとその新しいことを行う技術がある上で、覚悟を決めれば、より安全ということです。

きっとチャレンジした後には、あの初めてスノーボードを楽しんだ感覚が蘇ることでしょう。

 


飯田フサキ プロフィール
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴30シーズン。そのほとんどの期間、雑誌、ビデオ等スノーボード・メディアでのハウツーのリリースに捧げている。
90年代を代表するスノーボード専門誌SNOWing誌では、「ハウツー天使」というハウツー・コラム執筆。季刊誌という状況で100回以上連載という金字塔を立てる。またSnowBoarder誌初期の頃から様々なハウツー・コーナーを担当し、その中でも一般読者にアドバイスを贈る「ドクタービーバー」は大人気に!その他、自身でディレクションし出演もしたハウツービデオ&ハウツー本は大ヒット。90年代のスノーボード・ブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボード・クラブ、DMK Snowboard Clubの責任者として活動し、シーズン中に一回は日本へ帰国しコーチングも行っている。
普段は、カナダのウィスラーのインストラクターとして活動し、今なお世界中の多くの人にスノーボードの楽しさを伝え続けている。2016-17シーズン、ウィスラーのインストラクターMVPを獲得!!

 

広告