恐怖感と戦わない努力

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スピードを出したり、急斜面に挑んだり、難しいトリックにトライしたり。
とかく、スノーボーダーたちは恐怖感と戦いながら、アドレナリンを出し続ける生き物である。
しかし、このような戦うスノーボードとは真っ向対立する「恐怖感と戦わない努力」も必要だと思うし、むしろ多くのスノーボーダーは、その道を目指すべきだと思う。

具体的に「恐怖感と戦わない努力」とは何か?
それは、ボード・コントロール力をアップさせることだ。

自分にとって最もプレッシャーの掛からない緩い斜面で、グラトリを行う。最も基本であるプレスを完璧にする作業。そこからオーリー、ノーリーにつなげる作業。さらには180や360というスピンにつなげる作業。こういった地道な努力が大切だと思うのだ。

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これらの超カンタン・トリックは、やる気になれば誰でもできること。しかし、本当に完璧にやることは難しい。自分自身の経験では「これぞ完璧にできた!」と思ったことなど一度もない。実際、自分がこうしたジブ基本をやっている映像と、シモン(チェンバレン)の映像を比べれば、あきらかに違う。自分は、まだまだのレベルだ、と思う。

ボードをコントロールすることをテーマに置いた練習をやり続けると、高速でのボードの扱いもうまくなる。というのも、技術的にはスピードを緩めた状態でのトリックの方が、難しいからだ。だから、ボード・コントロールがうまいライダーは、低速な状況でのボード操作の練習を怠らない。彼らにとっては「低速でできることは、高速でカンタンにできる」ということにもなる。
実際、あるライダーは「ぶっちゃげ大きなキッカーの方がカンタンにトリックができる」と言う。ある一定のラインを超えたライダーにとっては、大きさやスピードよりもむしろベーシックにスタイルを磨く方が大変な作業というわけだ。
確かにかに360にしても、ゆったりスタイルを出して回すことの方が難しく、ともかくスピードと先行動作で勢いでスピーディーに回す方がカンタンである。

緩い斜面でスノーボードすることは、恐怖感などほとんどない。そこで、クルクル回ろうが、ジブジブ決めようが、例え逆エッジですっ転んでも大したことはない。だけど、そういった環境で地道にボード・コントロール力をアップさせることは、高速でのボード回しにも必ず役立つ。残りシーズンも2ヶ月ほどになったけど、こんな基本ライディング、ぜひ実践してみたらどうだろう。きっと、あなたのスノーボード技術をアップさせることができるだろう。

 

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