うまい奴は素直だな

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シモン・チェンバリンと共にハウツービデオを制作しているわけだけど、彼のハウツー・コメントを聞くと、凄い素直だと思う。

世界中で認められた超トップ・ライダーなのに、平気で「これは恐い」という発言が出るのだ。「恐い」という言葉は、自分がレースに出ていた時や、急斜面やジャンプでの撮影場面などで、なかなか言えないセリフだったなあ。何かそういう弱気の発言する自分が嫌だというか、そういう姿を見せたくないというか。

だから、恐いとは言わずに、うまくその場から逃げるというような感じだった。恐くて失敗しそうなことはできない、というか。

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だけど、シモンとか見ていると、素直に「恐い」と言う。その発言の裏には、恐いと思うけど「やる」というようなものがある、と思う。つまり、恐いと思うのは、しっかりとその恐い場面に向き合っているから、生まれる感情だと。それを克服するために真剣に考えているのだ。

そう言えば、今年急成長したハジメ(dmk若手ライダー)も、「自分はビビリ屋です」とよく言うんだよなあ。「だから、練習する」というようなスタイルだった。地道に練習することで、徐々にステップアップする。決して無理はしないで、ケガには十分に気をつける。上達は毎日ちょっとずつ。だけど、上達が停滞しないように絶えずテーマを持ち、確実にゆっくりと上達するようなスタイルだ。

自分も30歳を過ぎて、ハウツーメインになるようになってから、より素直になったと思う。できないことに対してきちんと向き合い、地道に練習した。正直なところ、まだまだだと思うけど、恐怖感と素直に向き合うことで、上達のドアは開かれたと思うのだ。恐いと思ったら、どうしたらその恐さを克服できるか考え、その方法論を試して行くから。それで不思議なことに、どんな恐いと思ったことでも、その克服方法が見つかるものなのだ。

素直になって、自分をさらけ出す覚悟を持つ。そして決してその場に停滞しない情熱を持つ。そういうことを考えて行動をしていったら、きっと新しいスノーボードの世界が広がるだろう。

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