静かな時間

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先日、dmkクラブのツアー祭りで、ある参加者の方から
「フサキさんのスノーボードのモチベーションって何ですか?」
と聞かれた。

その時、うーん、ちょっと一呼吸置いていから
「自分の心の底から発信する言葉に耳を傾けること。そのためには、情報を遮断することも有効」
というようなことを答えた。

その人の目を見ていると、何かわかっていないようだった。自分は酔っ払った頭でいろいろ説明も加えたが、果たしてどこまで納得してもらえたか・・・。

そこで改めてこのコラムのコーナーを借りて、もうちょっとくわしく説明したいと思う。

まず極論かもしれないけど、自分も含めて多くの人は自分のやりたいことを見失いがちだと思う。というのも、あまりにも情報が多いから、本当にやりたいことがわからなることがあると思うのだ。

今、自分の場合だと、ターンだったらバックサイド後半からフロントサイド前半部分を完璧に良いポジションで乗ること、またオーリーをうまくできるようにすること、というテーマがある。

ライディング・スキル以外でも、自分のキャンプに参加した人がどのようにしたら上達して、楽しんでくれるか、ということも課題でそのへんのことに力を入れてコーチング技術を習得しようとしている。

だけど、ある時期の自分というのは、その年のライディング・スタイルに左右されたり、また教えるばかりの時間だけで、自分自身のライディング向上を伸ばすことを怠っていた。その理由は、自分が担当するハウツー・コーナーを人気が出るように流行のスタイルを研究したり、また忙しさを理由に向上心を停滞させていたから。

自分の気持ちの変化というのは、年々あるのだが、特に最近はいろいろ良い方向に変化しているように思う。その1つのきっかけは、静かな時間を大切するようになったこと。

以前の自分なら、料理をするにも何をするにもテレビとかつけっぱなしにしていたし、電車に乗るにも車に乗るにも、雑誌があったり音楽あったりしないといけないって感じだった。だけど、最近は1つの考え事があれば、 30分とか、それこそウィスラーからバンクーバーまでの2時間のドライブ中でも寂しくない。山から下りてバス停で待ってそこから家に帰る時の時間でも、今度、あそこのジャンプではこの意識を強めよう、とかいろいろ考えている。

まあ、日々、様々な家庭のことや仕事のことなどでスノーボードのことばかり考えているわけにはいかないが、ある程度、静かな時間を作れるように意識したことによって、心の奥に潜む自分の言葉というのに耳を傾けかれるようになった。そして、自分のスノーボードの方向とかに迷いはなくなったのだ。

今、これを読んでいるみんなはどうなのだろうか?
もし、忙しいと感じたら、電車に乗る時には本を読まない。家に帰ってもテレビを見ない。ウンコする時にも雑誌を持ち込まない(注:オレだけか!?)。ともかく情報シャワーばかり受けている人は、ちょっとでも静かな時間を自分の心に与えてみよう。そうすると、今まで一生懸命にあなたに伝えようとしていた心の奥からやって来る真の言葉が聞こえて来るかも!? かなり哲学的な話で恐縮だけど、オレはそう思います。