基本姿勢を考える

最近、スタンスに関する原稿を執筆しているので、基本姿勢のことをよく考えている。
カナダでは、ティップ・アンド・テールという考えがあって、それはボードの上に立って、前の手がティップ(トップ)の上、後ろの手がテールの上に来るべきであるということだ。だから、カナダのイントラはボードに対して真横に体が向いて、まるでペンギンのように両手を広げている。その手は見事にボード上に納まることになる。

確かにこれだと僕のようなスタンス前足21度、後ろ足マイナス6度(ダックスタンス)だとしっくり来る。骨格に忠実に立って、顔だけは進行方向に向くという姿勢だ。つまり首だけ捻られた格好である。
だけど、前足21度、後ろ足6度とかの一般的にターンがしやすいスタンスだと、そのまま自然に立った場合に胸がやや斜め前に向く。これで後ろの手を無理矢理にテールの上に持って行けば不自然だ。

スノーボードの上達メソッドの歴史を紐解くと、以前は進行方向に胸を向けるというものがあった。これだと無理矢理に体は捻れて前に向いてしまうのだけど、捻れた分、捻り戻り運動が発生して正しい運動ができない。
捻り戻り運動とは、例えば体を小さくした状態で上半身と下半身を捻っておいて、そこからジャンプすると上半身の向いている方向に下半身が戻ってしまうこと。つまり、捻れた姿勢では的確にパワーを伝えることができないのである。

それで最近は横向きというのが主流になって来たわけだけど、それも前途に説明したようにスタンスによって変わるべきものだろう。基本姿勢というのは常に自然に立った格好で、つまり自然な形で運動できる姿勢だ。

スタンスに忠実に立つ姿勢こそ基本姿勢であるということは、わかってもらえたと思う。
だけど、スタンス角度というのは、どういうふうに決まるのだろうか?
話が長くなるので、簡潔にまとめるがそれはスタイルだ。

例えばビッグ・パウダー・ガンのようなボードで、フェイキーなどあまりせず、ほとんど前を向くことを考えた場合には、前足30度、後ろ足9度にして、胸の方向をやや前に向けるという方法がある。またこの姿勢は、両手がボードの前後に広がる姿勢でもあるので、進行方向に対する左右のバランス幅も広がる。初めてターンをする初心者にも有効なセッティングだろう。
スイッチ多様でフリースタイラー・チックに滑りたいなら、後ろ足が外向きになるダックスタンスは有効だ。これだと基本姿勢は前途に説明したようにボードに対して真横になる。
その他の例としては、パイプでほとんどスイッチせずに通常レギュラーで基本をマスターするというケース。この場合には、ダックスタンスよりもオーソドックスな前足21度、後ろ足3度とか6度とかが的確だろう。ほぼ横向きに近いけど、ちょっと前向きで進行方向に進みやすいスタンスである。

とは言うもののスタンスは、今まで経験した自分のスノーボード・ヒストリーや骨格にも関わることだし、またバインディング・メーカーにより角度のつき方も様々であるあら、なかなかこれだ!というアドバイスは不可能である。

まあ、ともかく基本姿勢を考えるということは、今、この原稿を読んでいる時にでもできることだし、そかからライディングのイメージも浮かべることができるのだから、自分の基本姿勢を改めて考えてみるといいかも。ある意味この基本姿勢を考えることだけで、そこから正しい運動を理解し上達につながることだと思う。