【初心者・中級者必見】ヒールサイドターンのコツ!姿勢とエッジングを強化する3つの方法

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ヒールサイドターンが苦手な方へ

「カカト側のターンでエッジが噛まずにズレてしまう…」
スノーボーダーの中には、このような悩みを抱える人が少なくありません。特に中級者レベルになると、ヒールサイドターンの苦手意識がフォームの乱れやスピードコントロールの課題につながることも。

この記事では、ヒールサイドターンを成功させるために重要な3つの姿勢と、ターンを安定させるためのエッジング強化トレーニング方法をご紹介します。
滑りの安定感を高め、もっと自由に雪上を楽しめるようになりましょう!

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原因:エッジが立ちやすいトゥサイド、エッジが抜けやすいヒールサイド

そもそも人間は、つま先立ちはしやすくても、カカト側で立つことをキープすることは困難なのです。
試しにその場で両足をスノーボードしている時のように開き、つま先立ちとカカト立ちを試みてください。

つま先立ちなら、ほぼ永遠と思えるほど立ち続けることができるのに、カカト立ちになったとたんに、フラフラっとバランスを崩してしまうでしょう。

そんな特徴は、スノーボードのエッジングにも影響するので、トゥサイドはキレやすくズラし難いのです。逆にヒールサイドはキレ難くズラしやすいのです。
だからこそ、カカト側は意識してエッジングを強めることが必要であり、また、そのために知っておくべき3つの姿勢があります。

写真左、つま先立ちは、こんなにカカトを浮かせて立ってもバランスを保てる。
一方、写真右のカカト側では、このへんが限界。さらに実を言うと、壁に手を付けてバランスを保っている状況だ。

3つの姿勢 ①つま先を胸の方に引き上げる

カカト側のエッジングを最も手っ取り早く強くするための方法は、つま先を胸の方に引き上げるようにすることです。

そうすると、カカト側のエッジングが強くなり、またこのカービングの姿勢が保ちやすくなります。

つま先を引き上げたら、足首あたりがロック(鍵)が掛かったような意識を持ってください。
これで、かなりこの姿勢をキープしやすくなります。

3つの姿勢 ②後ろの手を上げバランスを保つ

冒頭の「原因」のところで、ヒールサイドはバランスを崩しやすいということを伝えましたが、それを解消する方法は手を前に出すことです。

手のバランスを使わないで滑ることは、その人の技術や筋力が高いことを意味します。
そういった意味では、手に頼らない滑りも大切ですが、不安定なヒールサイドで手のバランスを使うことは有効な手段です

例えば、今、イスに座ったところから、両手を下げた状態でさらに上体を一切倒さず、つまり起こしたままで立ち上がろうとしてみてください。
おそらく、多くの人が戸惑います。どうしても、ちょっとでも前方に上体を持っていく反動がないと立ち上がれないと思います。

今度は、両手を軽く前に出し、まるで中国の妖怪キョンシーのようになって、立ってみましょう。
そうすると、手のバランスが加わることで、ずいぶんと立ちやすくなったことを感じれるハズです。

これと同じようなことが、ヒールサイドでも起きているのです。
イスに座ったような不安定なカカト側のエッジング中は、手を上げることで、バランス力をアップさすことができます。

具体的には、両手をキョンシーのように前に出してしまうと、進行方向に進むにあたり、上半身をかぶせたような姿勢になってしまうので、後ろの手だけを軽く上げます。


こうした姿勢は、特にまだスピードが出ていない段階での助走の時、あるいはより深くヒザを曲げて低い姿勢を取る時に有効です。
だけど、けっしてこの手を上げ過ぎないようにしてください。上げ過ぎた手は、アンバランスの事態時のフォロー役にならないからです。

綱渡りのようなバランスを楽しむ遊びをしている時、バランスを崩す前に両手が暴れることがあります。あの状態の時、手が上がっていますが、それと同じことです。ある程度、やじろべえのように大人しく手を前に出すくらいがバランスを保ちやすいのです。

理想的には、この手はなるべく静かにしておいてほしいのです。あくまでも、バランスのフォロー役として存在することを覚えておきましょう。

3つの姿勢 ③ケツでターンを引っ張らない

ヒールサイドターンでもっともやりがちな失敗例は、お尻でターンを引っ張ってしまう姿勢です。
その結果、体重が前足の方に行き過ぎて、軸がうまく保てなくなります。


以上の例は、それほど酷いものではないですが、お尻で引っ張っている姿勢が見受けられます。
結果、前足のややお尻側に体重が乗ってしまい、軸が中心に保てていません。

特に左側の方は、お尻で引っ張った上に、ヒザ、足首の曲げが弱く、その分、上半身をかぶせるようにすることで、バランスを保とうとしたために、板をズラしてしまっています。

ここで偉そうに語っている僕自身も、もう長年こういう悪い癖があって、毎シーズンのように直すような意識を持って滑るようにしています。

意識すべき点は、ヒールサイドに入る時には、最初の方で伝えように

①まずはつま先を引き上げて(※前足)しっかりとエッジングすること
②角付けの作業後は、腰、お尻でターンを引っ張ろうとせず、素直にヒザを曲げていくようにすること

頭の先から上半身・下半身のところに真っすぐ軸があることをイメージして、そこからヒザに向かって軸が続くようなイメージ
まるでカミナリのようなラインを意識してみましょう(以下、写真参考)

この形が、最もベーシックなヒールサイドの姿勢です。
上体が起きているので、ひじょうに安定感があります。カービングは、身体を倒すだけでもできますが、上体を起こすことで、より安定感を演出できるのです。

よりヒールサイドを遊ぶために、メチャクチャに低い姿勢を作って、トゥサイドをグラブする時(※一番上のカバー写真)には、どうしても上半身が前に出て来てしまいます。あのような姿勢を作るためには、グラブをしにいくのと同時に、上半身を開いていき、前の手を後方に持っていくことでバランスを保つことも必要です。

ファンなグラブターンをするためにも、基本が大事!
上に紹介したようなイナズマのラインを意識して滑り、練習することが大切なのです。

エッジング強化のトレーニング方法

スノーボードは、特別運動能力が高い人でなく、誰もがトライできるスポーツだと思います。
子供でもお年寄りの方でも楽しめます。
しかし、体力、筋力があった方がアドバンテージがあることも事実。
より、強固にヒールサイドターンがうまくなるためにも、日頃のエクササイズが重要です。

バランスを保つために腹筋、背筋のトレーニングも必要ですが、もっともやってほしいのはスクワットのような動きです。

みなさんがよく知っているスクワットでもOKですが、よりヒールサイドにテーマを置いたスクワットという点では、つま先を引き上げた状態のでスクワットが望ましいです。
ご近所の坂を利用したり、家の中にあるほうきを利用するなどして、つま先が上がる状態を作ってみてください。

この状態でスクワットをすると、背中側に倒れやすくなります。その時、バランスを保とうとすることで、よりヒールサイド側の効果的なスクワット練習ができるのです。

その他、効果的なスクワット、また続けるためのコツに関しては、今年の春に撮影したハウツー動画がありますので、以下ご参考にしてみてください。

斜面でヒールサイドで立ちジャンプしてみる

斜滑降の状態でジャンプしても効果的ですが、より止まった状態でジャンプしてみると、ヒールサイド・エッジングの強化につながります。
試してみてください。意外に難しいです。
この状態で、数センチでも山側にジャンプすることができれば、かなりのエッジング技術者。
シャバ雪やパウダーなどではできても、固い雪質ほど難しくなります。
騙されたと思って、滑りに行く度にこの練習を1回でもいいので、やってみてください。
とてもヒールサイドでのエッジのグリップ力が上がるでしょう。

ぜひ試してみてください!

●ご質問などは、以下メールでも受け付けます。
何かお困りの際には連絡してください。
e-mail: [email protected]

飯田房貴(いいだ・ふさき) プロフィール
@fusakidmk
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴40シーズン。その大半を雑誌、ビデオ、ウェブなど、スノーボードメディアでのハウツー記事の発信に費やしている。
1990年代を代表するスノーボード専門誌『SNOWing』では、「ハウツー天使」というハウツーコラムを執筆。季刊誌という環境下で100回以上の連載を達成し、金字塔を打ち立てる。『SnowBoarder』誌でも初期からハウツーコーナーを担当し、その中でも読者へのアドバイスコーナー「ドクタービーバー」は大人気となった。
また、自身でディレクションし出演したハウツービデオやハウツー本も大ヒットし、1990年代のスノーボードブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボードクラブ「DMK Snowboard Club」の責任者として活動し、レッスンを行っている。普段はカナダ・ウィスラーでインストラクターとして、多くの人にスノーボードの魅力を伝え続けている。2016-17シーズンには、ウィスラーのインストラクターMVPを受賞。
著書に『スノーボード入門 スノーボード歴35年 1万2000人以上の初心者をレッスンしてきたカリスマ・イントラの最新SB技術書』、『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』がある。

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