スノーボードのウェアを選ぶことは、様々なスノボ関連グッズ選びの中でも、最も楽しいことではないでしょうか?
何しろ雪上に出て最も目立つのがウェアです!普段、着慣れないウェアを身にまとうことで、まるで違った人格が現れるような気分にもなります。
おそらく、スノーボードをはじめてする初心者は、ウェアを着ただけでもテンションが上がることでしょう!きっと「早くゲレンデに行きたい!!」という気持ちになると思います。
しかし、実際にスノボ・ウェアを購入する時には、本当にたくさんの種類があって迷ってしまいます。
いったい何を基準にして選べばいいのでしょうか?
ネットで検索しても、様々な考え方があり、悩みはなかなか解決しません…。
そこで、30年以上スノーボードをやって来て、これまでショップ店員やスノボ・インストラクターも経験して来た僕が、ウェアの選び方をわかりやすく伝えたいと思います。ちなみに僕はこれまでに、ウェア・ブランドWestbeach、また同じくカナダ発のEndeavor Snowboardsのウェアの代理店での仕事もしています。そのへんの知識も踏まえて、できる限りわかりやすくお伝えしていきます。

ウェア選びで大切なことは、着た時にあなたの気分が上昇するかどうか。
これまで多くの人たちがウェア選びで伝えられた来た耐水圧、透湿性という機能面が、実際のスノーボード・シーンで及ぼす影響力まで説明します。なぜ、僕が機能面よりも、あなたの「着たい!」という気持ちを優先にする、ファッション面から考慮するべきか、お伝えしましょう。
目次
ウェアはあなたの「着たい!」気持ちを優先 機能面ではなくファッション面から考えるべき理由
結論から言うと、スノーボードのウェアはあなたが「着たい!」という気持ちを優先させて、ファッション面から選ぶと良いでしょう。もし、そのウェアの機能面が劣るような安いものでも大丈夫です。
「えっ、防水性は高い方がいいよね?」「耐水圧、透湿性は高い数値があるといいと聞いたけど、どうなの?」
はい、その質問に関する答えをこれから説明していきます。
まず、スノボ・ウェアに必要とされる耐水圧、透湿性は、2022年、現在、販売されている製品すべて雪上で必要とされる数値をクリアしています!
耐水圧10,000mmに満たないウェアは、良くないと聞くけど、耐水圧10,000mm未満のウェアって見たことありますか?
透湿性は、5,000gないと辛いと言うけど、実際にそんなウェア売られていますか?
試しに今、ネットで「スノーボード ウェア」を検索してくれれば、一目瞭然!もう、そんなウェア世の中で売られていないのです。
例外的に、アウターウェアの中に着る、あるいは温かい春に外側に着ることもできるソフトシェル・ジャケットに関しては、この数値に届かないことが多いです。しかし、あくまでも普通に売られているアウターウェアは、今やどんなに安いネット・ブランドでも最低限の機能数値はクリアしているのです。

それなら、なぜメーカーは高い耐水圧、透湿性の数値を誇るのでしょうか?
それは、高い数値は販売促進につながるからです。
例えば、カメラの画素数にしても、高い数字の方がクオリティが高く感じるし、良い製品だと思いませんか?
だけど、実際に撮影してみれば、多くの人はiPhoneのようなカメラ機能で満足します。わざわざ一眼レフのような良いカメラでなくても、多くの人はスマートフォンの画質で十分と考えるもの。
カメラに限らず、どんな分野のどんな製品でも、もはやユーザーの求める機能の遥か先のクオリティーを求める傾向があるのです。なぜなら、そうして機能面での優れた点を伝えることができなければ、モノは売れないとメーカーは考えるからです。
スノーボードのウェアだって同じです。バックカントリーのような過酷な状況に行く人ならともかく、数十分以内にいつでもレストハウスに休憩できるスキー場内で滑る分には、それほど高い機能ウェアはいらないのです。
だから、僕はGORE-TEX(ゴアテックス)にしても、その他、優れた生地のウェアは、多くの一般的にユーザーが求める以上の商品だと思います。

実際にGORE-TEXのウェアは、防水性も高く優れた商品です。
また、GORE-TEX採用したメーカーは、信頼もあり優れたウェアを作る意欲あるカンパニーでもあります。そういった意味では、高い買い物が安心感につながるでしょう。
しかし、GORE-TEXレベルになると、かなり価格はかなりアップする覚悟も必要です。
本当に有名な良いブランドのGORE-TEXのウェアになると、6万円とか7万円レベルのようなものがあります。
僕が住むカナダには、ARC’TERYX(アークテリクス)という高級なアウトウェア・ブランドがあるのですが、そこのジャケットは10万円するものもあります。この価格の高さには驚くばかりですが、この感覚は高級車や高級腕時計を買う感覚と同じではないでしょうか。
本来なら大衆車で全然ことは足りるわけですが、世の中には「高級」なものを求める人もいます。
もちろんあなたにある程度、お金に余裕があり、少しでもそうしたものを求める気持ちがあるなら、そのチョイスも否定しません。
むしろ、ウェアを販売している僕の立場からしても、できる限り高いウェアを買ってほしいです(笑)。
ですが、これからスノーボードをはじめる初心者の方、あるいは初めてスノーボードのウェアを買う人なら、そこまでの高いウェアを選ぶことはないと思います。
あくまでも大事な点は、機能面に左右されずに、自分が「着たい!」という気持ちを優先し、ファッション面で満足できるウェアを買うべきでしょう。
ちなみにスノーボードのハード・グッズ、ボードやビンディング、ブーツなどは、ぜひ機能面を考慮してください。特にスノーボードのブーツは、最もパーソナルな大事なアイテムです。だけど、ウェアにそこまでの機能を求めるのは、「どうかな?」と思うのです。

耐水圧10,000mmという数値は大雨の中でも濡れないレインコートを着ているということ
ここまで聞いても、まだ高水準の耐水圧のウエア。つまり防水性が高いウェアをほしがる人もいると思います。
その気持ち、わかります。
具体的にその数値が、どれだけの効力を発揮するのかわかなければ、そもそも選ぶ指標になり得ません。
そこで、よく一般的なスノーボード・ウェアで多い耐水圧10,000mmという数値について、説明しましょう。
耐水圧10,000mmというのは、ウェア生地の上に1cm四方の柱を立てて、その柱の中に水を入れて10メートル(10,000mm)までの高さに入れた水の水圧に耐えられるということです。
耐えられるということは、そういう状況においてもそのウェアを着ていれば濡れずに快適に過ごせるということになります。

耐水圧の目安は、一般的には以下のようになっています。
20,000mm: 嵐
10,000mm: 大雨
2,000mm: 中雨
300mm: 小雨
基本的には、10,000mmのような大雨の日でも、耐えるウェアということになります。
ただし、耐水圧は人の動作にも左右されます。
例えば、体重75kgの人が濡れた場所に座った時にお尻に掛かる圧力は約2,000mm、濡れた場所へヒザを付けている時の圧力は約11,000mmと言われています。(以下、ユニネクマガジンのページを参照:https://www.uniformnext.com/blog/archives/7949)
スノーボーダーの場合、よくヒザを付くようなことがあります。そんな時には、圧力が約11,000mm掛かるということです。
つまり状況化によっては、10,000mmはやや弱い印象もありますが、当然、大雨よりも大雪は濡れないので、耐水圧10,000mmというのは、ウェアとしては十分な数値ということも理解できます。

透湿性5000gは優秀過ぎる数値!
ウェア選びのもう1つの指標クオリティとなっている透湿性の数値も、紹介していきましょう。
透湿性とは、ウェア内の汗を外に出す度合いのことを指します。激しいスノーボードのライディングをすると、ウェア内で汗を掻きますが、そうした湿気を外に出してくれる力が、スノーボード専用ウェアにはあります。
具体的には、透湿性とは24時間に何グラムの水分を外に出すのか、ということを数値で表しています。
現在売られているウェアの透湿性5000gは果たして、どんな数値を意味するのでしょうか?
大人の安静時で1時間あたり:約50g(24時間で約1,200g)
軽い運動で1時間あたり:約500g(24時間で約12,000g)
ランニングなどの激しい運動で1時間あたり:約1,000g(24時間で約24,000g)
激しい運動で1時間あたり約1,000g。つまり、透湿性5,000gというのは、5時間ぶっ通しで走って汗を掻いた時にも対応するという数値なのです。一般のスノーボーダーには、「もう、これ以上いらないよ!」という感じですね。
だけど、メーカーはやはり高い数値を誇りたいので、不必要なまでの(?)透湿性のウェアを作ります。
実際、バックカントリーに行ったり、一日中ハーフパイプをハイクアップする競技者のような人には、重宝するでしょう。だけど、今、この記事を読んでくださる、おそらく9割以上の人は透湿性5,000gあれば充分ではないでしょうか。
この透湿性を理解しても、今、売られているウェアがどれもが優れたものであるということがわかります。

最強のウェア素材でも弱体化する
それでもやはり高機能のウェアを求める人に、申し訳ないけどさらなる悲しい事実を伝えます。
どんなに高級なウェアを買っても、月日と共にその能力は下がってしまうということです。
僕は冬の間、イントトラクターという仕事で100日ほど山に上がるのですが、そこで支給されるウェアは高級なスリーレイヤーのGORE-TEX素材で作られています。それでも、毎日使っていると、その耐水性能が落ちて来て、濡れて来てしまうんです。
特に雨の日は、最悪です。
ウィスラーは大きな山で、上のアルパイン・エリアでは雪でも、レッスンを行う初心者エリアの中間付近は雨になることがあります。
そんな時は、高性能ジャケットと知られるAKやTHE NORTH FACEウェアでも濡れてしまいます。それこそ、パンツから雨が沁み込み、財布の中に入れっぱなしにしていたレシートの印刷が滲んでしまうほどです。
もう、このような雨の日は、ポンチョを着るのが一番!
ウィスラーでは、雨の日にリフト売り窓口のところで、透明ビニールのポンチョを配るサービスを行っています。だから、それをもらって、ウェアの上から着るのです。
ここまでくれば、もはやウェアのクオリティとかほぼ関係ないですね。
GORE-TEX素材なら、こうした状況でも濡れ難いと言いたいところですが、僕はスノーボードを30年以上やって来た実体験として、雨の日に古いウェアを着れば、どんなハイクオリティのものでも濡れてしまうものです。安くても新しいウェアなら、撥水性を発揮します。
また、これも実体験ですが、古くなったウェアでもきちんと正しく洗濯すれば、ある程度は耐水圧が回復します。古くなったウェアは、汚れが付着します。だから、汚れを洗濯で取ってあげて、しっかりと乾かせばある程度の撥水効果は復活するのものです。
あと防水スプレーという方法もありますが、やらないよりはマシ程度です。
一度しっかりと洗濯した方がより撥水効果は高いと思います。洗濯した上で、防水スプレーすることにより、ウェアのパフォーマンスは維持しやすくなります。

新しく買ったウェアは最高で90日まで着れる!?
そもそも新しく買ったウェアは、どれくらい持つものでしょうか?
それは、使用用途に委ねられるので、ズバリ何日というのは難しい回答です。とは言え、目安を考えたいと思います。
おそらく、買ってから50日くらい経つと、どんなウェアでもある程度の劣化が感じます。それが、GORE-TEXのような撥水性が高いウェアならもうちょっと頑張れるか、というところ。ともかく、それくらい日が経つと、ウェアの本来持っていた性能は下がるので、シーズンを通して20日~30日くらい山に行くヘビー・ユーザーさんは、シーズン終わりにクリーニング屋に出すといいでしょう。
ただ、クリーニング屋さんにウェアを出すと、結構な額が掛かります。おそらく上下ウェア洗濯代で3000円~5000円の料金が掛かります。
だから、自分で洗濯した方がいいと思います。
ウェアを洗う時にの洗剤には、専用のNIKWAX(ニクワックス)というものがあります。この特別な洗剤は、耐久撥水加工生地の撥水性を落とすことなく、汚れだけを落とすと言われています。
だけど、僕はそんな専用の洗剤も使わらずに手洗いしています。
手洗いする時には、しっかりと濯(すす)ぎをするようにしましょう。洗剤をしっかりと落とせないと、そこから撥水性が失われることになりますので。
こうして、洗濯することで、改めて撥水性が高まり、あなたの買ったウェアは頑張って引っ張って90日間ほどは使用できるかな、と思います。
また、高いウェアを買えば、やはり専門のクリーニング屋さんに出したくて、よけいに出費しまうことになります。だから、それほど高いウェアは買わないで、より安くてカッコいいウェアを選んで、買い替え頻度を上げる方法をおすすめします。
ウェアを買い替えの周期
ところで、肝心のウェアの買い替えの周期はどれくらいでしょうか?
山に篭るようなヘビーユーザーさんで毎年買い替え。
スノーボードが大好きでシーズンで30日行くような人なら2シーズン。
それ以外の方なら、3シーズン~5シーズンほどで買い替え、というところではないでしょうか。
もちろん何度も言いますが、使い方にもよります。
春先のウェアが汚れやすい日は、劣化を早めます。ウェアを着ている時間が長くても、過酷な天気で使用しても、汗をたくさん掻いても、ウェアの寿命を短くすることになります。
ウェアを長持ちさせる工夫として、雨の日には、潔く100円ショップでポンチョを買いましょう。一日ちょっとダサい思いをすることで、あなたの大切なウェアのクオリティを保てますよ。

知って得するウェア選びの細かいポイント!
ここまではウェア選びで多くの人が気になる耐水圧、透湿性について説明して来ました。
どうせ、1~3シーズンで買い替えるウェアは、あまり品質にこだわらず、あなたがカッコいいと思うデザイン性があるウェアを選ぼうという提言です。つまり、機能面ではなくファッション面からウェアを選ぶということです。さらには値段は安くてもいいなじゃない?というアドバイスもしました。
ここからはさらに細かいところに目を向けるようにしましょう。
パウダーガードにもはや優位性はなし!
インターネットでウェアの選び方を検索していると、未だに「パウダーガードがあった方がいい」というような説明があります。
パウダーガードというのは、ジャケットの裾のところに、雪が入って来ないように施されているものです。(以下、写真参考)

そこで、僕は疑問に思ったのは、そもそもパウダーガードがないウェアが、未だに売られているのだろうか?ということです。
それで、早速、検索したところ案の定、どんなに安いネット商品ブランドでも、パウダーガードはありました。
1万円で買える安価なジャケットでも、パウダーガードはあります。
またパウダーガード以外にも袖からの雪の潜入を防ぐ、ハンドゲーターなどもあります。
さらに、最近のパンツには、歩いた時に裾が地面に付かないようなアジャスターベルトも付いています。
当然、ベンチレーションもすべてのウェアにあると言っていい状況でしょう。
もう、安いウェアでも、至れり尽くせりで、雪山で使用していてもまったく文句の付けようがないクオリティなのです!
ネットブランドの弱点は雪山でかぶるショック!?
そもそもウェアには、きちんとしたメーカーが製作し、それをショップを通して販売するという方法と、ほぼ無名のメーカーがショップを通さず直接、ネットで販売する方法があります。
ネット・ブランドは、ショップを通さない分、有名なブランドよりも安く購入できます。
主な海外有名ブランドと言うと、BURTON、VOLCOM、686、BILLABONG、BONFIRE、DC SHOES、HOLDENなどがあります。
これらのウェアは、世界中のスノーボーダーに着られています。
また、国内ブランドだと、REW、AA HARDWEARなどがあります。
他にも、たーくさんありますが、以上のようなブランドはショップでも販売していて、なんとなく安心感がありますね。
ネット・ブランドは、言葉は悪いけど、なんとなくこれらの有名なブランドのおいしいどこ取りと言った感じのデザインが多いです。
よく言えば、国内市場のトレンドをしっかりと捉えてデザインされています。ショップを通さずに、ユーザーに直接に販売します。
正直、僕の知る限り、普通にスノーボードするなら、ネット・ブランドはまったく問題なしです。むしろ、ユーザーの市場ニーズ(デザイン面&機能面)をしっかりとつかんだものが多いので、そういった部分でもオススメです。
だけど、唯一の弱点は、ゲレンデでかぶりやすいということです。
つまり、あなたと同じウェアを着た人が、雪山に現れやすいということです。
これは、なんとなくショックでもあります。
街中と違って、ゲレンデの姿、恰好というのは目立つものです。
せっかく買ったウェアが、他の人と同じだと複雑な気持ちになります。しかも、それが安いネット・ブランドだとなんとなくショックに輪を掛けるように思います。
このイメージをわかりやすく伝えるために、試しに「スノボ ツアー」などで画像検索してみてください。すると若い大学生のモデルさんのような人たちが、元気に両手を上げている集合写真がたくさん出て来ます。どれもこれも似たようなカラーの同じようなウェアばかりです。

あくまでも僕の個人的な見解ですが、「着たくないなあ」と思ってしまいます。
まあ、そういうことを気にしない人なら、ネット・ブランドは本当にクオリティも充分、デザイン性も充分の優れたウェアだと思います。
特にシーズンで、2回とか3回だけ行くような人なら、全然アリだと思います。
立体裁断フィットは1つの選択目安
高いウェアの防水性、撥水性の高さを挙がられますが、さらに深いところまで掘り下げると、立体裁断フィットということも挙げられます。
立体裁断フィットというのは、人間の骨格、動きに合わせて形を仕上げていることです。
もの凄く乱暴な表現かもしれませんが、例えばジャケットの写真を掲載している場合、立体裁断フィットの場合にはヒジから袖の部分に掛けて、ちょっと曲がっていたりします。逆にそうでないものは、真っすぐであったりします。(以下、イラスト例)

僕はウェアのメーカー代理店をしているので、そのへんはだいたい見たらわかるし、大抵の場合、立体裁断フィットのウェアの場合には値段が上がって来ます。
ただ、正直に話せば、実際に雪上に出てスノーボードをすれば、立体裁断フィットのことは、忘れてしまうと思います。そんなことを伝えてしまったら、社長に叱られるかもしれないけど(笑)。だから、個人的には選ぶ目安にはならないのですが、実際に有名ブランドの多くの上のモデルほど、そういうデザイン傾向になっています。
「なぜ、こっちのウェアの方が高いのだろう?」と思った時、単に耐水圧、透湿性の数値だけでなく、そういうことも関連していることもあるので、一般ユーザーの方にとっては、知っておくと1つの選ぶ目安かな、と思います。
また、着た瞬間、立体裁断のジャケットは、フィット感が良いです。
ちなみに立体裁断フィットは、ジャケットだけでなくパンツもあります。
より、動きを求めるライダーには、良い選択かもしれませんね。

ヘルメットを覆う大きめのフードがあると便利
近年、どんどんヘルメットをかぶるスノーボーダーが増えていますが、雪の日のリフト待ちなどで、ジャケットのフードがヘルメットに対応していると便利だと思います。
おそらく、欧米のスノーボード・ウェアのメーカーでは、充分に考慮する点なので、ヘルメットかぶっていても問題ない大きめのフードにしていると思います。
Westbeachでは、7年ほど前までは、カタログにヘルメット対応という表示をしていました。

ですが、今ではヘルメットに対応しているのは、当たり前と考えているので、そのような表示をしなくなりました。
国内のウェアのメーカーはどうでしょうか?
そのへんのことを考慮していない場合、ヘルメットをかぶった時に、フードをかぶすことができなかったり、パツパツでなんとかかぶれたりという感じです。
細かい点かもしれませんが、考慮すべき点かな、と思います。
プロテクターのことを考えてちょっと大きめ
スノーボードの愛好家さんと交流していると、シーズンが終わった時点で来季のウェアの予約をしている方がいます。
オフの時期にオーダーした気持ちが知りたくて。プロテクターをご注文されたお客様に聞いてみました。
「なぜ、この時期にプロテクターをオーダーしてくれたのですか?」
「プロテクターに合わせてウェアなども新調しようと思っているのですが、いかんせんスノーボード用品は、来シーズンモノを含め予約などで良いものはすぐに売り切れてしまいますので。今回早めにプロテクターを購入をしました」
なるほど!そうたしかに、近年、ショップさんの方でも余裕をもって在庫を置けない傾向があるので、次のシーズン前に受注会など行いそこで販売したりします。その結果、本当にみんながいいな、と思う用具やウエアが思っていた以上に早く売れてしまったりするのです。
ウェアを買う時には、プロテクターのことまで考えない人は多いですが、とても大切な要素ではないでしょうか。上半身のボディプロテクターにしてもヒッププロテクターにしても、なかなかのボリュームあって、本来のサイズよりもちょっと大きめを選んだ方がいいです。
このへんも考慮して、早めにプロテクターをゲット。それからウェアを購入されるといいでしょう。
みんな知らないかもしれませんが、結構、有名なプロ・スノーボーダーでも密かに(?)プロテクターをしていますよ。

DMKがオススメするKARNAプロテクターは、以下のDMK STOREから購入できます。
パンツのブラックは万能!
ところで、パンツの色で最も世に出回っているカラーは何だと思いますか?
それは、おそらくブラックです!
なぜなら、ブラックのパンツはどんな上のカラーも合わす力があるからです。だから、もしあなたがこれからウェアを買う時には、まずはブラックのパンツを考え、それから好きな柄で好きなカラーのジャケットを選ぶのも良い方法でしょう。
ブラックのパンツなら、長く使うことができるし、春はパーカーなど着たりして合わせ方も無限大です。

流行のスノボ・ウェアが着たい!22-23シーズンのトレンド傾向
最後に今季の最新トレンドをお伝えしましょう。
あなたがウェアを選ぶ時にトレンドに左右されず、あなたの着たいものを選ぶべきだと思います。しかし、トレンドを抑えておくことで選ぶ目安になるので、知っておいた方がいいでしょう。
これまでの上下異なるカラーから上下同じカラー(=セットアップ)の流れ
まず、これまでの一般的なウェア上下の合わせ方ですが、異なるカラーを選ばれて来ました。
例えば、パンツを単色にして、ジャケットを柄ものにするような以下のような組み合わせです。
この選び方は、今でも王道だと思いますが、以下のような印象です。

このように、上下のカラーを変えれば、どんな人でもうまく決めることができると思います。
逆に上下を同じようなカラーにすると、主張が強めになります。

同じカラーのウエアを選ぶことをセットアップと言うのですが、うまいライダーさんがこうした着こなしをしてインスタで拡散した結果、このような流れが生まれています。特にここ2年間くらいこのような傾向があり、いよいよ多くのユーザーさんにセットアップが広がっていくように思います。
以上の組み合わせは、強めの主張ではないと思いますが、これが単色になって来ると、爽やかな印象にもなります。
最近、ライダーさんの間でパステルカラーの上下を組み合わせが流行して来ていますが、こんな組み合わせもとても良いですね!

このように上下を同じようなカラーにすると、ライダーさんのような印象を与えます。
一般的には、まだちょっと勇気のある選択になるのかもしれませんが…。ゲレンデに出てみると意外にも違和感はなくなるものです。シンプルに上下同じカラーで合わせてみるのも、良いのでは!
引き続き雪上最強のビブパンンツ!
近年人気が高いビブパンツは、引き続き人気が継続するでしょう。
ビブパンツは、胸当てとサスペンダーがついたオーバーオールタイプのパンツ。
正直、ビブパンツは履いたりするのがちょっとだけ面倒だったり、トイレに行く時にも手間取ってしまいそうですね。
だけど、それ以外の欠点は見当たらないほど、優れたスノーボード用のパンツだと思います。
なぜなら、胸までカバーするパンツは、雪が入って来ないし温かい。何よりオシャレ!
自分も今季は、ENDEAVORのビブパンツを履いていたけど、メッチャ調子良かったです。スノーボーダーは時にパウダーの日に雪まみれになるし、そんな暴れん坊でない初心者スノーボーダーでも、雪が入り難いビブパンツは雪上で大きなアドバンテージになるでしょう。

女の子でもダボダボファッション
特に海外の若い女性で、ダボダボなファッションが流行して来ました。これは、おそらく世界的なスケートボードのブームも影響しているように思います。彼女たちは、平気で二回り上くらいのサイズを着るし、男性用のダボっした服を着こなします。
その影響もあり、スノーボードのウェアでも、もはや男性用女性用関係なく着こなすというトレンドです。

おそらく、まだ国内においては、いわゆるこれまで通りの細見のパンツなどが引き続き売れていくように思います。
見るからに「女性用ジャケット」というものも一般層には支持されるでしょう。
だけど、ファッションにちょっとうるさく、新しいスノーボード・ファッションを求める層は、ユニセックスなウェアを求めていくことでしょう。
女性が、大きなサイズ感のウェアを着ると、身体が小さく見えて、とってもキュート!

超最新トレンドは上がジャストフィットで下はダボダボ
さらに超最新トレンドもお伝えしましょう。
それは、上はほぼジャストサイズで着て、下はダボダボ着る感じ。
以下のアメリカの注目ライダー、ダスティ・ヘンリクセンの姿を見ると、上はまあままあジャスフィット(※だけどちょっとゆったりめ)だけど、下のパンツが異常に(?)大きいように思いませんか?
https://www.instagram.com/p/CNufLe2H9sn/?utm_source=ig_web_copy_link
あとは、以下のライダー谷田部 均の着こなしにもチェックしてみてください。
ダスティと似たような着こなしです。特に注目してほしいのは、ヒザ部分。絞られていなくて、たわみがありますね。
こういう着こなしがトレンドになっていくと思います。
https://www.instagram.com/reel/CZl9pEUpBXF/?utm_source=ig_web_copy_link
スノーボード界のファッションをけん引するブランド、ThirtyTwoもスコット・スティーブンスとJPウォーカーの発案で生まれた、オールドスクールなスウェットスタイル・パンツをリリース!最新技術の撥水素材をミックスさせたこの新モデルは、今季、スノボ・パンツの台風の目となりそうだ。

環境にやさしいリサイクル素材はあたり前!?
近年、スノーボードのメーカーは、地球環境を考えリサイクル素材のウェアを積極的に作っています。
まだ国内においては、そうした流れは弱いですが、特に欧米ではこうした環境への意識が高く、メーカーとしてもこうしたユーザーのニーズに応えるように、ペットボトルで作られた生地のウェア作りに励んでいます。
特に登山系でもあるメーカー、パトゴニアなど熱心な取り組みで、スノーボードのカンパニーでもBurtonやQuiksilverなども環境を考えた製品作りを積極的に行っています。大手ブランドほど、ある意味、ユーザーから目立つ存在なので、そうせざる得ないという状況も生まれています。
実際、僕もこうしたリサイクル生地のウェアを着ていますが、驚くべきほど撥水性能が高く、最近の技術開発には驚くべきばかりです。
あなたも、もしよかったらそういうペットボトルでできたようなウェア選びを検討してみてください。
以下の動画は、ペットボトルからウェアの生地を作る工場の様子を紹介したものです。
僕がオススメするENDEAVOR SNOWBOARDSのウェア
最後にちょっと宣伝させてください。僕が働いているENDEAVOR SNOWBOARDSは、そもそもスノーボードのメーカーなのですが、最近はウェアの評判が高いです。ターゲットは、ハイエンドからちょっと下め。高級ウェア・ブランドの雰囲気を持ちつつも、ゴアテックスを使用せずに高めの耐水圧、透湿性があります。
とても軽いので、来た瞬間スノーボードをしたくなるような軽快さ!何より色使いとシルエットが超カッコいいのです。
以下のBEEFIVEから購入できますので、ぜひこの機会にチェックしていただければありがたいです。ちなみにジェンダーレスなので、男女関係なく選ぶことができます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
記事を書いた人・飯田房貴
1968年生まれ。東京都出身、カナダ・ウィスラー在住。
シーズン中は、ウィスラーでスノーボードのインストラクターをし、年間を通して『DMKsnowboard.com』の運営、Endeavor Snowboards、Westbeach、Sandbox等の海外ブランドの代理店業務を行っている。日本で最大規模となるスノーボードクラブ、『DMK CLUB』の発起人。所属は、株式会社フィールドゲート(本社・東京千代田区)。
90年代の専門誌全盛期時代には、年間100ページ・ペースでライター、写真撮影に携わりコンテンツを製作。幅広いスノーボード業務と知識を活かして、これまでにも多くのスノーボード関連コラムを執筆。最新執筆書『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』
今でもシーズンを通して、100日以上山に上がり、スノーボード歴は37年。
