スノーボード・ブーツの寿命は何日!?

スノーボードのブーツの寿命は何日でしょうか!?
どれくらい周期に買い換えればいいのだろう…でしょうか?
新品ブーツのクオリティは何日まで保てるのでしょうか?

こんなことは、スノーボーダーの方なら誰でも一度は考えた疑問ではないでしょうか?
僕自身、スノーボードを30年続けていますが、スノーボードのブーツほどパーソナルなギアはなく、また買い替え頻度が高いものはないのかな、と感じています。
実体験とメーカーさんに取材した内容を加味して、スノーボードのブーツの寿命が何日なのか、お伝えします。

スノーボードのブーツは最もパーソナルなギア

まずパーソナルという点において、スノーボードのブーツは、ボード(板)、ビンディング以上に変えるのは、ちょっとした勇気が必要です。周りの友人ライダーに聞いても「スノーボードのブーツのメーカーは、なかなか変えられない」という意見が多いです。
多くの人はブーツの変更により、その違和感が他のギアよりも感じることでしょう。

長年愛用して来たメーカーのブーツを買い替えてみる。その挑戦は、おそらく多くのスノーボーダーの方にとって、ボード(板)変更以上に大きいものだと思います。
特に長年スノーボードを続けている方にとっては、その気持ちが強くなってしまう傾向があります。ベテラン・スノーボーダーさんになると、「僕はB社のものを10年使っているよ」とか「もうD社以外のブーツなんて考えれない!」なんていう人もいます。

多くのプロスノーボーダーもブーツの変更には慎重で、ボード・スポンサー変更に伴い様々なメーカーのブーツを試して、戸惑っている姿も見たことがあります。

そんなパーソナルなスノーボード・ギアのブーツですが、そもそも何日くらい使用できるものでしょうか?

実体験としてブーツ寿命は50日~100日

僕はこれまでスノーボードのメディアとして働いていた傍ら、カナダのウィスラーという大きな山でスノーボードのインストラクターも行ってきました。毎シーズン100日以上もゲレンデに足を運び、それこそ朝から午後3時くらいまで雪上にいる日が多いので、実体験としてのスノーボード・ギアの寿命を感じることができます。

まずスノーボード(板)に関しては、2シーズンほどは使っています
もちろん、当初あったトーションの強さなどは弱くなっているのですが、現在、僕が使っている板も100日以上経ちましたが、まだまだ元気です。

ビンディングに関しては、3シーズン以上行ける自信があります
途中、ストラップが折れたり、トゥの部分が破けたりするので、そんな時にはパーツ部分だけを変えて対応します。
現在使用しているビンディング、バートンのカーテルも2シーズン目ですが、高いパフォーマンスを保っています。

だけど、ブーツとなるとそこまで引っ張れません。
買ってからすぐはやや硬めでちょっとした違和感を感じますが、20日~40日ほどでピークに達する気がしますね。
特に近年買ったブーツは、新しいものでもすぐに違和感なく使用できる履き心地さを感じます。(※ないとは思うけど、メーカーがユーザーに対して毎年買い換えることを求めて、頑丈でない作りをしてしまっているのか、とちょっぴり疑ってしまう)
買ってすぐの新品でも違和感がないソフトな良いブーツほど、寿命も短くなる傾向があると思います。

ところが、40日間から50日間経って来ると、徐々に衰えを感じます。本来あったブーツのパフォーマンスが保てなくなっているという実感です。
その時期になると、これまであまりキツキツに締めていなかったブーツの紐も、ブーツ全体のへたりをサポートするためにもきっちりと締めるようになって来ます。
そして、自分の経験では、あきらかに100日はもたないです。

新品~20日間:慣らす時期
20日~40日間:ブーツが調子いい!と感じる時期
40日~80日:本来のブーツが持つパフォーマンスが弱まっていく時期
80日~:ブーツ寿命へ

(新しいブーツがほしくなるのは、ブーツ寿命80日間後!?)

ブーツ使用を諦める原因はインナー損傷など

ここ数年、自分がブーツ買い替える主な理由は、古くなったブーツのインナー損傷です。

かつては、インナーよりもアウターのソールがダメになって、穴が開いてパカパカになったりしたこともありました。
そこから雪や水が入ることになって、気休めでシューグルーで修理して数日間ほど引っ張ったりしたこともあります。
ここ2シーズンは、インナーの方がダメになりますね。
それもその周期が早まったような気がします。

以上の写真を見てください。インナーソールのところが穴が空いてしまっています。
当然、そこから水が入って来ます。
また、黒節あたりのところが、どんどん削れて来てしまっています。写真では三日月のような形をしている部分です。
これは、ブーツを乾かすために、何度かインナーを取ってしまったことも原因。インナーを留めるためのマジックテープとの摩擦により、損傷が起きました。
ブーツを乾かすには、インナーを外すのが手っ取り早いですが、あまり頻繁に取り外すと損傷も激しくなるので、気を付けましょう。

このインナーが損傷した結果、「新しいブーツを買わなくてはならない」という気持ちになります。

ここまで傷んでしまうために何日経ったか?
確か60日~80日だったように思います。

まあ、自分がメーカー側なら、「そこまで使ったら新しいブーツ買えよ!」とも言いたくなるけど(笑

おそらく一般的にスノーボードが好きな方ならシーズンで20日間ほどの滑走になるか、と思われます。それで60日~80日寿命(※仮説)なら3シーズンから4シーズンというところ。そこまで月日が経てば、自然と新しいブーツを買いたい時期にも当てはまるかもしれません。

ブーツの寿命は条件に委ねられる部分が大きい!

自分のブーツ寿命の感覚が、どこまで的確なのか?
確かめるためにある有名なブーツメーカーさんにもお伺いしました。
すると、以下のような回答をいただき、だいたい自分の感覚が正しいことがわかりました。

「製品のパフォーマンスとしては、だいたい40~50日程度。その10日前後からしっくり馴染み、あとは素材疲労と共に本来のパフォーマンス性が落ちていきます」

あとは、破損以外に、素材の加水分解による寿命もあるとのこと。
その具体的な意味は、ソールのスポンジ部分(EVA)や合成皮革のPU、ナイロンなど紫外線や水分といった環境影響により素材が劣化して原型を留めることができない状態のことです。

もちろんそれも使用状況や保管の仕方などに委ねられるところが多く、実際ユーザーさんの中には5年以上、中には10年も同じブーツを愛用しているケースもあるというから驚きです。

毎シーズン進化しているブーツへ、購入意欲を掻き立てられるかもしれません。だけど、実際に長く愛用していても、何も問題ない。これまで通り居心地よく使えると思えば、そのまま使っていい!という報告もあります。

また、スピード域の高い滑りを求める人、低中速粋での操作性を重視する人とではブーツの寿命価値感が異なるのかもしれない、という興味深いコメントもいただきました。

スピード域の高い滑りレスポンスを求める人→へたり寿命が早い
操作性を重視する人→破損や素材劣化による寿命がある

ちなみに今回ご協力をいただいたメーカーさんは、万が一この回答によるご迷惑をおかけしたくないので、あえてメーカー名は隠したままにします。しかし誠意ある回答をいただきブーツのことを真剣に考え製作に携わっているのだなあ、と感じました。また「だいたい40~50日程度。その10日前後からしっくり馴染み~」というコメントから、他のブーツメーカーよりも、長く使用できるブーツも作っているような印象も受けました。

※後日談:実際、そこのメーカーを使用させていただき、これまで使っていたブーツ以上に劣化がなく長い間、使用できています。

春に気を付けたいブーツの劣化!

自分の実体験に戻りますが、以前、僕は夏になるとキャンプ・オブ・チャンピオンズというブラッコムグレーシアで撮影取材をすることが多くありました。何を隠そう、あの時期ほどブーツの劣化が早まった時期はありません。雪や泥のようなところを歩く環境。真冬の気温とは違って暑いという世界。そんな状況でのブーツ使用は、たちどころに悪くなっていくのがわかりました。

同様に春も同じです。
暖かくなってシャバ雪のようなところを滑ったり、時には雪でないところを歩くような時間が増えると、ブーツはどんどん悪くなります。春は楽しい春のパークシーズン時期ですが、寒い冬以上にブーツの劣化が早まるというのは覚悟しておいて方がいいでしょう。極力、泥のようなところは歩かずに、できる限りきれいな雪道を歩くようにしてください。言い換えれば、横着せずにゲレンデでスノーボード・ブーツに履き替えるということが大切です。
ブーツを大切にしたいなら、春には買ったばかりのものではなく、今季使い切ってしまうようなブーツを使うことも良いアイデアでしょう。

まとめ

・スノーボードのブーツ寿命は、一般的には80日間~100日程度。シーズン20日滑るスノボ愛好家で4シーズンほど。
・高いパフォーマンスが保てるのは、メーカーやモデルにもよるが、40日前後。それ以降はパフォーマンスが弱まる傾向。
・寿命は滑走日数にも影響されるが、それ以上に劣化しやすい環境にも左右される。スピードを出すなどブーツに負担を出す状況や、痛みやすい暖かい時期にドロ道など歩くケースが増えるとたちまち寿命が短くなる。

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飯田フサキ プロフィール
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴35シーズン。そのほとんどの期間、雑誌、ビデオ等スノーボード・メディアでのハウツーのリリースに捧げている。
90年代を代表するスノーボード専門誌SNOWingでは、「ハウツー天使」というハウツー・コラム執筆。季刊誌という状況で100回以上連載という金字塔を立てる。またSnowBoarder誌初期の頃から様々なハウツー・コーナーを担当し、その中でも一般読者にアドバイスを贈る「ドクタービーバー」は大人気に!その他、自身でディレクションし出演もしたハウツービデオ&ハウツー本は大ヒット。90年代のスノーボード・ブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボード・クラブ、DMK Snowboard Clubの責任者として活動し、レッスンも行っている。
普段は、カナダのウィスラーのインストラクターとして活動し、世界中の多くの人にスノーボードの楽しさを伝え続けている。2016-17シーズン、ウィスラーのインストラクターMVPを獲得!!
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