スノーボード界にも大きな影響を及ぼしたヘヴィメタルの先駆者、オジー・オズボーンが死去

@Getty Images
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2025年7月22日、ヘヴィメタルの象徴的存在、オジー・オズボーンが76歳でこの世を去った。場所はイギリス。パーキンソン病との闘病の末だった。

彼の死は音楽界だけじゃない。スノーボードシーンにも深く関わっていたことを語っておきたい。実際、オジーの音楽は何十年にもわたって、多くのライダーたちの“セッションのBGM”として鳴り響いてきた。

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滑走前の“War Pigs”、車中での“Sweet Leaf”

オジーやブラック・サバスのサウンドを爆音で流して斜面にドロップインしたことがあるライダーは多いはず。例えば、「War Pigs」をブリッジャーボウルのサウスボウルのドロップ前にかける——そんなルーティンを持ってるやつ、わりといると思う。あるいは父親との山へのドライブで「Sweet Leaf」を流すような、そんな記憶。

オジーのファンでなくても、スノーボードと彼の音楽の相性は異常にいい。疾走感、破壊力、ちょっとした狂気。パウダーを裂くあの感覚と完全にシンクロする。

スタンダードフィルムズも愛したサウンド

オジーの楽曲はスノーボードムービーのクラシックにも多数登場している。

2010年の『The Storming』(Standard Films)では、**サミー・ルーブケのオープニングパートに「Children of the Grave」**が使われた。ネオングリーンのジャケットでぶちかますビッグクリフ、パウダーライン、ピローセクション。映像のインパクトも音楽も、完全にあの時代を象徴していた。

さらに遡れば、1996年の『TB5』では「Over the Mountain」が登場。ノア・サラズネックが“Super Spines”の初滑走を決める場面に、あのオジーの声が響いていた。

686との伝説的コラボも存在した

2020年には、アウターウェアブランド686がオジー・オズボーンとの限定コラボコレクションをリリース。「Blizzard of Ozz(オズの猛吹雪)」をテーマにしたシリーズで、ジャケット、グローブ、ビーニー、バラクラバ、ベルトまで展開。

特に注目されたのが、アルバム『The Ultimate Sin』のジャケットアートを大胆に使ったバラクラバや、若かりし日のオジーの顔がプリントされたギアたち。派手でパンチが効いてて、唯一無二。

後に686はグレイトフル・デッドやアイアン・メイデン、キース・ヘリングともコラボしていくけど、オジーとの企画は異質かつ象徴的だった

“音を背負って滑る”という文化

オジーの音楽は、ただのBGMではなかった。あれは、滑る前のスイッチを入れる“儀式”の一部。雪山での孤独と戦うとき、重いスラッシュを刻むとき、オジーの声が背中を押してくれた。

今後、彼のような存在が現れるかはわからない。ただ、オジーがスノーボードカルチャーに刻んだ足跡は消えない。

RIP オジー・オズボーン。スノーボードは、今日も君の音を鳴らして滑っている。

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