前作、 vol.5から、さらなる進化を求めてvol.6をリリースするHEART FILMS。
布施忠という絶対的なカリスマを失いながらも、昨年は若手構成で新しいハートの形を見せることができた。
勝負を掛ける2年目、その真価が問われるところ。
そのキーマンとなるのが、ハートを指揮する田島 継二だ。
プロデューサー、ディレクター、編集に至るまで一手に引き受けるHEART FILMSの牽引者。
ハート注目の人物に、直撃インタビュー!
Interview by Fusaki Iida
ズバリ、今作品、HEART FILMS vol.6のテーマは?
テーマをあえて言うとすれば・・・、『シェア』ですかね。
今作はオリジナルのHEARTライダーに加え、同じ思いを持ったスキーヤーも参加してくれていたり。
スノーボーダーやスキーヤー、ビギナーから籠っているコア層まで、 大自然 の山の中で過ごす時間、遊びや魅力などを共有できたらなと思います。
スノーボーダー、スキーヤーが本来伝えるべき、滑りの気持ち良さみたいなことを表現したいということ?
伝えるべき、と言うような大それた事ではないんですが、滑る気持ち良さも もちろんそうですし、歩いて登る楽しさや、仲間とのセッション、不自由ない普段の生活を離れ、自然の中に居ることよって改めて得ることができる感覚、ライダーたちが様々なリスク以上に引きつけられてしまう雪山での遊びの魅力を表現したいですね。
他にも、バックカントリーの魅力を伝えるスノーボード・ビデオはありますが、ハートの作品の違い、ハートならではの存在感というと、何でしょうか?
世界中のトップライダー達が集まるウィスラー バックカントリーで、本格的に活動する数少ない日本人クルーということや、
各ライダーが今まで経験してきた上でのメッセージ性が強いことだと思います。
メッセージ性とは、具体的にどんなこと?
バックカントリーの映像って一般的によく分からないと思うんです。しかも海外ですし。
その斜面がどれだけ急なのかだったり、ボコボコのパウダーを滑ったり、木々の間をハイスピードで抜けていく感じとか。
転がったら大怪我じゃすまないような場所や、時に雪崩にのまれてしまうことも。
ライダーがなぜリスクを負ってバックカントリーで活動しているのか、そこにはどんな魅力があるのかとか、誰もよりも長い期間、濃く滑ってきた経験から生まれたメッセージ。
ただフッテージだけまとめているムービーではなく、何か伝わるようなものを作りたいですね。
ということは、各ライダーのコメントも入れて、メッセージを送るということ?
映像にはライダーのインタビューも入っています。リアルな言葉ですからね。
自分が伝えたい雪山での遊びの魅力と、ライダー達が感じる魅力・スノーボードやスキーへの思いをあわせて作っています。
バックカントリーのライディングって、パーク映像と違って、ジャンプのアプローチやランディングにしてもナチュラル・パウダーなので、難しいです。その難しさが一般ボーダー伝わリ難いってところがあるかな、と思うけど、どうだろう?
そういったところも伝わり難いとこもありますね。造られたパークにはないですし。
映像として見るだけでなく、実際に撮影していてその場にいても分からないこともありますよ。
ライダーが滑ったいざ斜面に立ってみると『こんな急だったの??』って驚きますしね(笑)
そんな分かりづらいことばかりなので、臨場感あるライダー目線の映像や声、風を切る音などを入れたり、少しでも伝えられるように編集しているつもりです。
でもやはり映像で伝わることも限界があるので、映像をみてもらって興味を持ってもらえたり、滑りたくなったと実際に山に足を運んでもらえるのが一番嬉しいですね。
整備されたパークももちろんおもしろいと思うんですけど、不整地を滑る楽しさもあると思うんですよ。
自然そのままのところをどうやって滑り降りるかみたいな。
あそこジャンプできるかな?とか。できれば遊びをいれて。
フサキさんも もちろんそうだと思うんですけど、フリーライディングって楽しいですよね。
パークでグリグリ回したり、固いランディングにストンプしたりするのってある程度 年齢的に限界があるけど、
フリーライディングは年齢も関係ないし、キッズでもおじいちゃん おばあちゃんでも、ビギナーでも上級者でも関係なくどこでも楽しめるし、
想像したことが実際できたりすると興奮するし、何より奥深い。
自分が伝えたいところは、海外で活動していく経験の中で、それがいかに難しいということだけではなくて
大変なこと難しいこと以上に、魅力があって懐が深い遊びなのかというところですね。
しかもその魅力は海外だからという限定ではなく、どこでも同じだと思います。
なるほど。今季のハートの作品、ますます楽しみになって来ました。
ぜひ、「スノーボードに行きたい!」って気持ちにさせてくれる作品、期待しています。
次に忠(布施)が抜けて、2年目となったけど、変わったところはありますか?
忠というビッグ看板が抜けて、売上的にもキツくなったり、逆に若手が奮起したり効果もあったり。
悪い点も良い点もあったかと思うけど、どうですか?
売り上げ的にキツくなったりというのはあまり感じないですね。
悪い点といえば、忠ほどハイレベルで積極的に撮影をするライダーは本当に稀なので、今のクルーの中で意識的にも周りを引っ張っていけるように、それぞれが成長しなければと感じています。
これは自分にもライダーたちにも言えることですね。
良い点と言えることは、一つのムービーを作り始めるところから終わりまで自分自身でやれるようになったこと。
HEART FILMSを通して、右も左も分からなかった頃から本当に成長させてもらえたと思っています。
あと、忠という絶対的な存在がいない事により、頑張り次第で他のライダーがフィーチャーされるチャンスが広がったことですかね。
まだまだ納得いくことはないけれど、シーズンを終える度にみんな成長していると感じています。
ブレず、一歩一歩ステップアップしていきたいですね。
そうだね。忠というあまりにもハイレベルな存在がいて、それを超えるのは大変なこと。しかし、そういった高みの仕事を見て来たという経験は、常に飽くなき挑戦があり、そういった成長を見せていくのもハートの魅力と言えそうだね。
ところで、今回、スキーヤーが入っているけど、その理由は?
横向き・前向きと乗り方は違うけど、HEARTを初めたときの気持ちと同じだった事が理由です。
スケールの大きなウィスラーという舞台をベースに、右も左もわからないなか挑戦し活動するなかで得られる経験や、その魅力を伝えたり、
日本との架け橋になることだったり、山に対する気持ちも。
熱いライダー達ですよ。
出演ライダーたち、それぞれの魅力を聞かせてください。
コニは、HEART FILMS vol.oneから引っ張ってきてくれているライダーなので
いつもさすがという滑りをみせてくれます。安定感や流れがあって。
年齢関係なく歳を重ねるごとにうまくなっているし、滑りにすごみも出てきてます。
忠を筆頭に今もシーンを引っ張っていっているこの年代はパワフルでハンパないですね。
飲んだら暴れん坊のダークサイドな一面もあります(笑)
ユウタは、今年も生死に関わり得る大きなクラッシュをしたり、撮影でも自分の流れをうまくつくれず苦戦していたけど、最後にはいい映像を残すのはさすが。山に関する経験も豊かでみんなをリードしてくれるし、ビッグマウンテンライダーとして表現の幅をワールドワイドに広げていっています。
あと、朝にめっきり弱い寝坊常習者(笑)
フウタは、シリアスなクラッシュもあって思うように映像を残せなかったけど、怪我から復帰(まだしてないうちに?)して精力的に撮影に臨んでました。
とぼけたようでハマれば爆発して驚かせてくれます。タフだし力強いですし。
ハプニングは欠かせない愛すべきライダーですね。
トモも、フウタと同じくハマれば爆発するタイプですね。
今年はジャンプに加えビックマウンテン系な映像を残したり、毎年着実にステップアップしていってます。
岩に囲まれた長いシュートを一気に滑り降りるシーンは迫力満点ですよ。
カナダバックカントリー2シーズン目のカズウミは、昨シーズン始めはあまりにスケールが違う環境に圧倒されていた感じだったけど、今年は力強くスタイリッシュな滑りを魅せてくれています。
やればやるほど伸びるだろうし、これからが楽しみなライダーです。
スキーヤーのユウは、とにかく真っすぐ・飛びはでっかく。気合いの入った男気あるライディングを魅せてくれます。
ハプニング王でもあり(笑)、やる気満々で周りを上げてくれる熱いライダーですね。
今シーズン誰よりもハングリーに撮影に臨んでました。
アラスカのような急斜面での滑りは必見ですね。
テツもスキーヤーで、カナダでモービルを使っての撮影は今年初体験。
パワー系のユウとは違う、かるくしなやかなで、しっかり体をロックしてくる滑りはかっこいいですね。
モチベーションも高く、ユウと共にスキー界に新しい風を起こす、これからの活動が楽しみなライダーです。
最後に今後のプロモーション活動など、 そしてファンのみんなにメッセージをお願いします。
今年も日本各地を巡るHEART FILMS JAPAN TOUR を敢行します。
ライダー達と一緒にキャンプをしたりスケートしたりバッグジャンプしたり、体を動かすイベントも多いので楽しくなること間違いなし!
HEART webサイトにツアースケジュールが掲載されていますので 是非遊びにきて下さいね。
映像みながらシーズンインに向けて盛り上がりましょう!
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