文:飯田房貴 @fusakidmk
今まであまり深く考えたことがなかったけど、
よく日本にも滑る行く生徒さんから、こんなことを言われました。
「日本人はスノーボードがうまいですね!」
その方は、オーストラリア出身で、ウィスラーのスクールに来ていた方なのですが。白馬あたりに行くと、驚くようなスキルの高い日本人スノーボーダーが多いのだとか。
確かに平野歩夢などハーフパイプの優秀な選手は、アメリカ人選手のように豊富。
國母和宏が世界を代表するスノーボードの賞を獲得するなど、日本人ライダーの活躍も他国に比べて多いかもしれませんね。
でも、今まであまり日本人スノーボーダーがうまいとか考えたことないので、「へえ~、世界の方はそう思っているのかもしれないな。」と考え始めました。
日本のスキー場で目立つうまい日本人スノーボーダー
まず第一に日本人がうまく見える理由。
それは、ウィスラーにいるハンパないほどのうまいスノーボーダーは、ツリーのパウダーなどに隠れてしまっていて、なかなかお目に掛かれないということもあると思います。
正直、僕はカナダのローカルライダーの方が、日本人ライダーよりもうまいと思います。
やはり、カナダならではの豊富でダイナミックな地形が、スノーボーダーを育てて行くのでしょう。
カナダ人選手は長い距離を滑る競技ほど強くなります。
ビッグエアーで活躍する日本人に比べて、スロープスタイルでカナダ人はより活躍したり。
無論、カナダ人ライダーもビッグエアーも強いですが、もっと距離が長くなることで、アドバンテージが上がる傾向がありますね。
スノーボードクロスやアルペン種目でもメダルを獲った実績もあります。
バックカントリー環境も素晴らしく、デヴァン・ウォルッシュという大御所をはじめ、様々なライダーが活躍。
それこそ名前を挙げたらキリがないほどのライダーがいます。
日本でも北海道に行くと、やたらにローカルライダーがうまかったりするけど、カナダにも同じような文化があり、名の知らないうまいスノーボーダーがたくさんいます。でも、そういう人は、結構奥まった方に行ってしまうので、なかなかお目に掛かれない。だから、目につきやすいところで滑っている(?)日本人スノーボーダーは目立つのかなあ、と。
日本人の体型はスノーボーダー向き
次に日本人の体形について。
日本人は、欧米人に比べて、ずっと華奢です。
華奢な方はすばしっこい人が多い。
スノーボードのフリースタイルに最適です。
初心者をレッスンしていると大柄な欧米人の方では、カカト側で立てない方もいます。
だけど、日本人の方でカカト側で立てないという方は、あまりお目に掛かったことがありません。
欧米人の多くはウンコ座りができないんですよ。
日本人は、足が短いというのもあるかな?結構みなさんできますよね。
でも、最近の若い人は足も長く西洋人っぽくなっているのもしれないけど。
ともかく、西洋人よりもどちらかというとシェイプされていて小柄な日本人は、スノーボーダー向きと言えるでしょう。
スノー文化がある日本人
最近、多くの方が知っていることだと思うけど、海外から見て日本というのは憧れのスノーエリアなんです。
ウィスラーでは、25cmルールというのが暗黙にあり、例えば新雪が25センチ以上降った場合、スキー&スノーボードのイントラは、スクールライン(※専用のリフト乗り場の列)を連続で使うことが禁止されています。
というのも、スクールラインを使ってピークのパウダーを滑って来て、他のスキー客がまだ並んでいるところで、またスクールラインを使ってパウダーをいただかれてはたまらんということなんです。
だから、ピークを滑った後には、違うところを滑って来て、戻らないといけません。これが、25cmルールです。
でも、日本は、普通に(?)50センチとか積もることがありますよね。
特に東北の青森あたりは激しく雪が降ることがあります。
白馬の雪質の高さも欧米人には有名です。
日本は緯度的に北の方にあるわけではなく、フランスのパリは北海道とほぼ同じ緯度にあると聞いたことがあるけど、なぜかたくさん雪が降るエリアなのです。
おそらくシベリアから冷たい空気が入って来て、それが日本海を渡って水蒸気が雪となり、爆発的な雪を降らす原因なのだと思います。
こうしてスノー文化がある日本では、どこの国よりもスキー場が多く、特にバブル期には600以上ものスキー場があったというから驚きです。今では、おそらく400とかだと思うけど。それでもカナダのBC州よりも小さな国土、日本にこれほどまでにスキー場があるというのは凄いですね。
ヨーロッパのオーストリアにも点々と多くのスキー場が隣接しているので、日本のようにスノー文化は高いけど、日本も世界ではトップクラスのスノー文化が高い国なのです。
だからだと思うけど、多くの人はスキーをやったことがあり、またエッジが山側にあることで、ストップしたりコントロールできることを理解しています。
なぜそんなことを伝えるかというと、同じアジア圏でも中国とか来る生徒さんて、驚くほどエッジングを理解していないんですね。
実際、イントラの中には、中国人の生徒さんと受け持つことになり、「参ったなあ。」という顔をしかめる方もいるほど。
話はちょっと回ってしまった感もあるけど、ともかく日本は古くから雪と親しむ文化があり、その結果、多くのスノーボーダーも排出。
これまであまり考えてもみなかったけど、確かに世界に比べてスノーボードがうまい国民なのかもしれません。