
「地球レベルで同じことを志す人たちが一同に集う」
そんなグローバルな気持ちを込めて、昨年7月にスタートさせてプロ・ショップのオーナーKJ氏が、今回のグローバル・インタビューのターゲットだ。
KJ氏の経歴はひじょうにユニークだ。
高校中退後には、暴走族を結成し300名の頂点に立ち18歳で引退。社会人になってからは疲労で何度も入院しながらも、3年間で取締役にもなっている。そして、現在もその会社に勤めながら、GLOBAL SESSIONのオーナーをしているのだ。しかも、オーナーでありながらSTEP CHILD(ボード)のライダーでもある!
カッコ良いものにとても敏感で、自分の気持ちに正直にまっしぐらに生き続けるKJ氏。その彼の個性の旅に出掛けよう。
Interview by Fusaki IIDA
──最近、ウチのニュースコーナーでも話題を提供してくれた美人ライダーたち。KJ氏のショップのライダーには、個性的なライダーがたくさんいるのですが、どのようにして探すのですか?
ご存知のように私も現役!たくさんのスノーボーダーたちといっしょにライディングします。 基本的に現場での発掘です。
國岡あいは、浅貝ゲレンデで会いました。ヤグカオ(注:カリスマ・コーチとしてお馴染みの存在)絡みで知り合ったのですが、第一印象は「可愛いなぁ~でも滑れるのかな?」ただその時から普通と何かが違う何かを感じたのは確かだった。何やらヤバイ、オーラを感じてた。ブッチャケ「ま~普通には滑るんだろうな~」と思っていたら、オレの後ろをくっついて来た。パーク流してたんだけど同じラインにぴったりついてくる・・・。何だこの娘は???まてよ!もしかした大化けするかもしれないぞぉ、と思っちゃったんだよね。
シーズン終盤に「どうなの?本気で行くの?もしそうならオレのところに来てライダーになれよ」
そしたら國岡が「ショップに所属したこともないし、どういうものなのかわからないけど私、何をすればいいんですか?」
「何も変わらない!楽しく滑っている姿を一人でも多くの人に見てもらえばそれでいいんだ」
この殺し文句で(笑)國岡をライダーに向い入れたのですが、彼女は凄い努力家ですね。
私には似合わない言葉ですが、練習は嘘をつきません。
あのルックスからは想像もつかないアグレッシブなライディングをしますよ。本物ですよ!
パウダーからストリートまで何でもこなす國岡あい、私の目に狂いはなかった。
間違えなく國岡は私の誇りです。
「何で今まで無名だったのかが理解できません」
浅野まな香。この娘も浅貝です。
やたら目立ったんですよね~、奈須と2人で。滑らせたら顔に似合わずアグレッシブなんで事情聴取!
その後、浅野が「私ショップないのでKJさんのところにお世話になりたいんですけど」って言って来たのです。オレのところに来いよ。ライダーにしてプッシュしてあげるから、と。
他にもうまい娘はいっぱいいますが、可能性と言う面ではずば抜けています。ちょっぴり、おとぼけキャラで相当「まな香ワールド」を展開しますが、ゲレンデの超人気者です!
飴と鞭を使い分けて上手に育てていこうと思っています。
奈須沙織。同じく浅貝!
沙織はジブのステージでは結構名前もあるし、すでにデルフォスタ(DEL4thTA)のライダーってこともあった。國岡とか田中幸ちゃんがスローライフ(ガールズムービー)でもいっしょにアメリカとか撮影に行っていたので、情報は良く知ってたし、実際、國岡に紹介されていっしょに滑ったこともあった。やたら男前なライディングするんでビックリみたいな感じでした。
その沙織が「GLOBALに行きたいなぁ」と・・・
「嬉しいけど現在のショップとの関係、デルフォスタの問題がクリアできたらオレはいつでも待ってる」
ここまでしか私には手を差し伸べることはできなかった。
もう一言が言い出せない自分が歯がゆかった・・・
喉から手が出るほどほしかったのが本当です。でも筋ってことを考えれば・・・
ほどなくして大勢の方に理解をいただき、この移籍問題も現実へと進んでいった。
当然私は國岡にこの問題についての話をした
國岡は「沙織ちゃんはいっしょにやって行きたい!ジブはうまいし、彼女相当これからメディアに出てくるよ。ますますGLOBAL楽しくなりそうですね」と大歓迎した。
私も國岡同様に奈須の加入には喜びを隠せない!
沙織はスノーボードやっているようには全然見えませんからね~。そのギャップは今も理解不能です。
でも本当にスノーボードが好きですよ沙織は、本当に頭が下がりますよ。
期待値相当高いですね。私自身沙織については自信にも似たものを感じています。
近い将来確信に変わるはずです。
3人とも容姿は問題なし!ライディングも問題なし。後はプロデュースしていけるかってところ。筆頭の國岡は今さら私が考える必要もないだろう。
基準は、KJがすべてにおいて判断し「ポテンシャルを秘めているかどうか」ってところです。
あと大切なところはビジュアル面、ガールズに関してはここは重要なところです!

──最近、ライダー不要論ということを耳にしますが、KJ氏のところにはたくさんライダーいます。この点について、どう考えていますか?
はい、ライダー不用論、最近良く聞きます。ライダーを利用して商売しようとするのは、おそらくどのショップも考えているのではないでしょか?でも私は違います。
ライダーを有名にするのが私の仕事で、発掘して育てたライダーをメーカーが吸い上げて商売につなげればいいんです。一店舗で売れたって仕方ない。ドンドン他のショップに行ってお前をサポートしてくれるメーカーのものを売って来い!それこそ私が育てたライダーです。
メーカーサポートなしのショップライダーと言うのも大変だと思います。このポジションはやはりショップのイベントなどに積極的に参加して、売り上げアップに一役買わないといけませんね。
お蔭様で、GLOBALは名門に近づきつつあるのかな?
ニュー・ライダー情報配信したその場で、メーカー側がサポートを申し出てくれます。本当にありがたい限りです。これは各社がKJのことをよく理解し「KJが太鼓判を押すのだから大丈夫」だって私のことを信用してくれているんですね。
──そんなKJ氏の人柄がGLOBAL SESSIONに現れ、お客さんも集まって来ると思うのですが、KJ氏がブランドを選ぶ時、どんなところを気にされていますか? また、STEP CHILDとNOMIS好きなことでも有名ですが、この2ブランドの気に入ったところを教えてください。
この2つのブランドは共通して発展途上ってところです。
だが限りなく可能性を秘めています。ご存知の通りこの2つのブランドを引っ張るシモン・チェンバレン。彼にもまだまだ可能性があります!
私は完成されたブランドより、完成された人間よりも可能性を秘めたと言うことに惹かれます。ですのでSTEP CHILDもNOMISも大好きです。両ブランドにひじょうに期待しています。
ブランドをチョイスしていくにも常に可能性ってことを凄く重視します!基本的に遊び心があって、そしてオシャレでなければなりません。遊び!ここを考えてみてください。スポーツとして捕らえるのか、遊びとして捕らえるのか?ま~どちらにしても楽しんでみましょうよ。スッゴイ大切な部分ではないでしょうか?
──KJ氏はショップオーナーという立場ながら、STEP CHILDのライダーでもありますが。そのへんのお気持ちを聞かせてください。
STEP CHILDの件はライダーと言うよりも、JAPAN TEAMのマネージャー的な存在ですかね~。私個人やはりショップのオーナーですからプロモーションに回るってこともできないですから。でも本当は私が他店に立ってSTEP CHILDをプロモーションしたりしたいんですけどね(笑)。
全然いいですよ! STEP CHILDが間違った方向に進んでいかないようにしたいんで、他店で売れても全然かまいません。
日本のSTEP CHILD代理店ハロルドミヤモトとは飲み仲間ですね。 酔っ払ってろれつが回らなくなっても二人だけはわかってる仲(笑)。
でも次の日、二人で「酒やめよう!STEP CHILD JAPAN TEAMは禁酒にしよう」なんて・・・。いい付合いでお互いやってます。
まだまだこれからのブランドSTEP CHILD。おもしろおかしく「カッコイイな~」って思ってもらえるブランドにしていきたいですね。
ノリですよノリ! 細かいことは関係ないんです。STEP CHILDに乗ってくれるスノーボーダーのテンションが少しでも上がってくれれば。
気持ちが乗ればいい滑りができる。いい滑りをすればみんなが見てくれる!モデルと同じですよ、人に見られてきれいになっていく。 素晴らしい効果ですね。
みんなにもぜひもSTEP CHILDに乗って、NOMIS着てください!

──STEP CHILDのライダーになった経緯は?
今までは普通に自分のショップの中からチョイスして乗っていましたので、ライダーと言う立場でスノーボードをしたことはありませんでした。
ある日突然来店した、悪友ハロルドミヤモトより
「STEP CHILDのライダーになりませんか?」
断る理由は何もないですよ、大好きなブランドですし。
ま~普通ショップのオーナーがライダーってのもあんまりないですよね(笑)
ノリで受けてしまったんですよ。ハロルドミヤモト恐るべし、何を企んでのKJ起用なのか(笑)
この男から目が離せませんよ。
──KJ氏が考えるライダー像とは?
影響力ですね、オーラですね! オーラがあれば、高度な技を繰り出さなくてもいいんです。
簡単に言いましょう、1080を力ずくでメイクするのより、鬼刺しのB3を魅せて唸らせるのが私の好きなスタイルです。
人を魅了し、そして引き付ける。素晴らしいライダー像ですね!
──KJ氏が最初に好きになったライダーって誰ですか? あと、今、好きなライダーや気になるライダーなど教えてください。
ん~どうだろうか? この人カッコイイ!って真似したことはないですね? その場その場でカッコイイなぁ~って人はかなりいますけどね。
ジェイミーとか、ブラッシーとかは結構「お~っと思わせられてますね」
ショーン・パーマーとかだってヤバイですよね。
テリエはやっぱり今見ても何やっても「酷いな~」と思いますね。
(注釈:KJ氏が酷いと言うのはKJ語で素晴らしいとか最上級の意味)
──ウヒョ~ってのはJP(ウォーカー)、MFM(マーク・フランク・モントーヤ)、ジェレミー(ジョーンズ)ですね。
今はもちろん、シモンですよ。
いっしょに滑ってみて驚いたのは。アイテムに乗ったときに「音がしない」んですよね~。
シモンはアイテムにケンカを売らないんですよ、ナチュラルです・・・「酷ぃ」
何であんなにでかい図体であんなにメローなスタイルが出るんだろう???
その昔てテリエを宇宙人と称しましたが、今の宇宙人はシモンです。もっと明るい宇宙人ですが(笑)
シモン、来年も俺が味噌ラーメン食わせてやるからな!

──ところで、Wind RipからGLOBAL SESSIONに看板名を変えた理由は?
前身Wind Ripはどちらかと言うとテクニカルな部分(競技志向)がありました。ですが私自身、否定はしませんが「もっともっといろんなスタイルがあるのではないか」楽しい方がいいに決まってる、何かに追われて滑ってみたって肩に力が入るだけで良いライディングなんかできないだろう?この辺でもっと「オシャレに、楽しく」を強く表現し発信していきたい、という思いがあったのです。
第一にWind Ripにいくら私個人が思い入れを持って熱くなっても、ユーザーにあきられたらダメでしょう。こだわっている暇はない、ドンドン新しいものを提供して行かなければ何時かはあきられてしまうんです。その前に一新してしまえ。常に動き続けるんです、止まったら終わります、マグロ状態ですね。おもしろく行きましょうってことですね(笑)
──あっ、そうそう。KJ氏は、普段はスノーボードとは関係ない仕事されていて、夕方とかになると自身で経営するショップに行かれるんですよね。KJ氏にとってショップとは、生活費用を稼ぐ仕事とは違うのでしょうか?
はいっ、私はスノーボード・ショップで生活はしていません!
きちんとした定職を持ち、安定した収入を得てその上で自分を表現するためにGLOBAL SESSIONを経営しています。
ですから自分で本当に良いな~と思うもの、これならば買ってもいいな~と思えるものだけをチョイスしています。
売れなくてもいいんです。これ売らないと売り上げが立たない・・・だから調子の良いこと言ってとりあえず売っておけばいいやでは、最悪ですね。お客さんは高いお金を出し楽しさを買いに来るんですよ。そんな商売したくないのでこれで生活していく気はありません。とにかく一生涯ライダーでいたいんです。
5、6年前にジェイク・バートンとライディングしました。その時ジェイクも「私は一生涯一人のスノーボーダーだ」
そう言ってましたよ。
──一時期の業界凋落も落ち着いて来て、ここのところ世間では景気が良い話もありますが、KJ氏がこの業界で感じる景気。これからの予測は?
ん~ひじょうに微妙な質問ですね~。
景気が良くなってスノーボード・バブルが来るのは嬉しいのですが、そうなって来ると必ず企業が参入してくるんです。そして参入・撤退を繰る返す・・・。
そこに巻き込まれていくライダーたち、また業界人、このような人間を何人も見てきました。
スノーボーダーではない人が机に向かって電卓はじく・・・
スノーボードやったことのない人間が・・・
ですからひじょうに微妙です。
それよりも諸事情で、生活環境の変化、結婚したり子供ができたり)でスノーボードを離れた人たちに、戻ってきてほしいですね~。そして生涯ライディングしてほしいですね。
予測?
これはできません、とにかく私は今のままで充分です。
──最後にKJ氏のこれからの目標、夢を教えてください。
これから目標・・・、スノーボードは一生やっていきますよ。
いつまでできるのかな?フリーライディングだけなら70歳近くまでできるかな?
ま~、まだまだ遠い未知の世界ですが向かいます。
ただ、自分に影響力があるうちに死にたい・・・。ヨボヨボになって衰えた自分を想像できない。
ですからGLOBAL SESSIONも同じこと。
元々自分が楽しみたい、サポートしたいってことでやってるから、自分が滑れなくなった時は・・・???
滑れない人の言う事は自分も信用できないし、逆に考えればお客としてみれば滑れない人から買えませんよね。
ですからGLOBAL SESSIONも私一代です。
目標?願わくば、私を慕って私を応援してくれている KJ children たちみんなが、本当に幸せになってほしいと言うことですね。
そして息子には息子の人生を送ってほしいですね。(注:一人息子の優樹くんは現在7歳)
自分で考え、汗を流し。
そ~1万円札で鼻をかめるような男になってみろ。何でもいいから天下を取ってみろ。
●インタビュー後記
エキサイティングなインタビューだった。KJ氏の発言は、センスに満ちている。文章で食べて行く方ではないが、プロの執筆家以上にインパクトを与える言葉を残す。例えば、
「シモンはアイテムにケンカを売らないんです」
なんて、名言だと思った。「アイテムにケンカをうらない」なんて、それだけで1つのコンテンツができそうなほど、印象深い言葉だ。
このインタビューの中で登場するミヤモトさんという方は、業界でも有名なユニークな方。余談ではあるが、以前、マーク・モリセットも乗っていたDIVISION 23はミヤモトさんが命名したらしい。直訳すれば東京23区だが、遊び心に飛んでいる。KJ氏がSTEP CHILDライダーにした背景には、KJ氏の持つ、人柄、カリスマ性、そしてミヤモトさんならでの感が働いたのではないか、と思う。
言葉の節々から受ける印象で、
「ああ、この人は覚悟を持って生きている。自分のやることに対してきちんと責任を持ち、行動している。そんな男らしい生き方に、チルドレンたちは共感を受け付いて行くのだなあ」と、思った。
ビジネスの世界ではほとんど打算で行動するわけだが、氏との関係であるライダーやスタッフ、そして時に業界関係者に対する情熱は深く、その打算のない献身こそ人々の心を動かすのだと思うずにはいられなかった。
「自分で本当に良いな~と思うもの、これならば買ってもいいな~と思えるものだけをチョイスしています」
というコメントには、氏への顧客への思いと同時にGLOBAL SESSIONのプライドを感じた。
「GLOBAL SESSIONも私一代です」
という言葉の中に、センスと努力で人生を駆け巡るであろう、KJ氏の未来を映しているようだ。
ps
以下の写真は、KJ氏が提案してことによって生まれた苗場浅貝にある有名な階段レール&ボックス。スポンサー・ロゴが並ぶ中には、GLOBAL SESSIONがあり、その両サイドにはSTEP CHILDとNOMISが! 氏のこだわりや思いが伝わる。
| KJ プロフィール |
![]() 昭和41年7月17日埼玉県の片田舎秩父市に沓掛裕至・洋子の次男として生まれる。父が会社を経営していたこともありひじょうに裕福な家庭で我侭言い放題の幼少期を送る。 ほしいものはすべて買い与えられ我慢と言う言葉を知らなかった。言ってみれば若君状態。この頃のエピソードとしては、酒に酔った父が帰宅して 「おい誠!お前も大きくなったら1万円札で鼻をかめるような男になれ」 「ここにある1万円札で好きなだけ鼻かんでみろ!」 私は、5枚の1万円札で鼻をかんだ・・・。 今思えば、随分荒っぽい帝王学の伝授である。 だがやはり、両親が仕事であまり家にいないと言うこともあり、祖母に育てられた記憶が多く残っている。そんな幼少期を送り幼稚園~小学校~中学校 小学生の頃からスポーツ万能であった。 文武両道とは行かないのだが、間違えなくリーダーであり、ことスポーツにおいてはほとんどのことで人よりも秀でていた。 間違えないのはもう一つ「人と同じことはできなかった」 すでに協調性に欠けていた!中学生になり、まず部活動は野球部に入部。 頭は坊主、ずっと中腰でひたすら声を出し続ける・・・ ってか第一に団体競技が耐えられない・・・ バカらしくなって夏を待たずに退部した。さ~、お決まりのパターン突入、不良街道まっしぐら! 人より目立つのにはもってこいだからね~。 自分で言うが、もう本当にどうしょうもなかった。 笑えるのが両親 「人殺しと人物のを取らなければ何してもいいんだ」 元々父が昔その筋の本物だったこともあり、カエルの子はカエルって言うことだろうか・・・(笑) 考えられる悪いことはすべてやってのけた。ただ、人と同じことで目立ちたくなかった。 もちろんお洒落にはそ~と~うるさく、校則完全無視の超洋ランから、ヘソ出しの短ランを誂えで着ていた。 「酒・タバコ・シンナー・その他薬物」などは一切手を出さなかった。 喧嘩一筋、硬派で通した。 身体一つでその名を轟かせていた!スポーツに関してはこの時期も秀でていた。 23年間破られたことのなかった地区大会100メートル走の記録もこの頃に塗り替えた。 格闘技系でも小学生から習っていた柔道の経験を生かし、相撲では関東大会に出場するほどだった。先生からはひじょうに嫌われていたが、先生からするとスポーツになると悔しいが認めざるを得ないと言う憎たらしい生徒だった。 だが、団体競技は苦手だった、と言うか嫌いだった。高校生活は一年でおさらば。学校行かず、マージャンばっかり。 単位が足りず追試を受けてやっと進学・・・。 だがこんな生活3年間もできるはずがないと判断し中退! 一年生だが、いきなり表番、裏番をものが言えないほどに震え上がらせる。 授業中にシャコタンが校門に迎えに来て、先生が「頼むから行ってくれ」(笑)中退後 暴走族を結成! 300名の頂点、初代総長を襲名 絶頂期! でも一時も気持ちの落ち着く時はなかった・・・ いつも何かにおわれていたし狙われていた。 落ち着いて寝た事もあまり無かったな・・・逮捕されたよ度々。全部障害罪(笑) (未成年のため、前科はありません!)18歳で引退した、 と言うのも、幼少の頃から金に苦労したことが無く 自分で稼がなければ先がないと判断したから。 実際親のすねをかじり放題かじってきたが、ここで一気に突き放された 「もう自分で稼げるのだから一切自分でやってみろ」 そう父から言われたんだ。 結果 金を稼ぐために働かなければならない、生活のレベルは下げられないと言うことだろう!3年ほどいろいろな仕事をし、22歳の時に今の会社で営業としての会社員生活が始まった。 バブルの絶頂期。 仕事と言えば、昼間はゴルフ、夜は接待、湯水のように金を使い捲くった。 が・・・身体がボロボロになる・・・ 疲労で何度も入院すると言うようなことも経験する。 でも、何の血縁関係もない会社で一営業マンから3年で取締役に就任した。 自分の時間はほとんどなかった。28歳で5年交際した現在の妻と結婚。交際当初より少ない休日を利用しスキー、スノーボードはレジャーとしてはやっていた。だがしかし・・・ 段々スノーボードの魅力に取り付かれていったのは言うまでもない。 山には山の仲間が大勢でき始める。 「スノーボードってカッコイイなぁ~うまくなればカッコいいなぁ~」 「目に見えて上達していくのが本当に楽しかった」仲間とのライディングは本当に楽しかったし、現実逃避にはピッタリだった。(忙しい仕事の合間をぬっていたため)この頃よく思った 「あ~あの時にスノーボードやっていたらなぁ~」って・・・ 地元の後輩で三沢勝男(※)と言うスノーボーダーがいた。 (※注釈:90年初めから活躍していたプロ・ライダー。ハウツーのビデオ、スノーボードのテレビゲームの監修、さらにはスノーボードに関するテレビでコメンテーターもし大活躍したライダー) よく「沓掛さん、スノーサーフィン行きましょうよ!」と誘ってくれたが、 その時は忙しくていっしょに行く暇もなかった。 あの頃始めていれば・・・ でもその時にスノーサーフィンなるものをやっていたら現在はないのかも???地元の先輩が市内でショップを開業した。 そのショップの開業に当たって、開業資金の援助をした。 が・・・経営には一切の口を出さなかったため、2年半で倒産・・・そこには私を慕って多くのスノーボーダーたちが集っていた。 私は「こいつらこれからどうするんだろう~?」 私個人も相当な金額の焦げ付き、また保証人になっていたため銀行の対応やらなにやらで本当に追い込まれたが、そちらの問題は 「よし!こいつらがいるのにオレがなんとかしなきゃ~」 オレがもう一度仕切りなおす。 そのために、銀行、メーカー、すべての負債を清算した。1999年10月 Wind Ripをオープンさせた。 「吹き溜まりにできるナチュラルキッカー」と言う意味。 この開業にあたって、私の側近中の側近 藤田“Bushi”真人の影があったことは間違いない。まだ私が経営にタッチしていなかった立場の時に、日頃からいっしょにライディングしていた仲間だった藤田真人。 彼は某大手西武に勤務しているサラリーマンだった。 ある日、藤田が「会社を辞めてプロになりたいんです」 こう相談を受けた私は「やってみろ!お前ならできる、ダメだった時はオレがケツ拭いてやるからやってみろ!」こう言って背中を押した責任もあり、私は逃げることはどうしてもできなかった。その後、藤田真人はBURTONからのスポンサードを受け、スノーボードに打ち込み見事にプロ昇格。その後SIMSへ。第1回のX-Trail in Tokyo Domeでは、人気投票で堂々9位としてドームに舞った。 今、思い出しても寒気がする。 ドームのオーロラビジョンに映し出された藤田を直視できなかった・・・ 目頭が熱くなって・・・、「オレもここまで来たんだな~」って本当に感動した。 ※その後2回目からのドームは興味がなくなりました。いろいろな力が加わって・・・(悲)二足のわらじながらもショップの方は順調に進み、全国からお客さんが来てくれるようなショップになって行きます。はっきり聞かれたことも何度もあります。 「何でこんな田舎でショップをやるんですか?」そのたび胸を張って答えました。 人口の多い所で店をやればそれなりに経費も掛かる、家賃だって払わなければいけないし、人だって大勢雇わなければならない、結果売らなくちゃならない。 自分が売りたい物を正しい売り方ができなくなる恐れがある。 ユーザーと親身になって話をして、その人にあった本当に適したものを売って行きたい。 お客さんは高い買い物するのに、こっちが「今日の売り上げ立てなくちゃだからこれ売っておけばいいや」で売りたくない。 あ~ここまで来て良かった!って言ってもらいたいから、スタイルなくしたくないから、あえて自由の利く何にもとらわれないところで充分なんだよ。 何よりもショップで生活していないから、スタイルを貫けるんだよ。みんな喜んで聞いてくれました。 6年間のWind Rip ![]() 2005年7月 GLOBAL SESSION完成! 「地球レベルで同じことを志す人たちが一同に集う」 手前味噌ですが満足しています。 新たな拠点です! ここから何かを発信しよう。Wind Ripの頃から変わらないこと。 自分には満足している。 ただ、スノーボードを心から愛し志す人間がいる。 そ~ポテンシャルを秘めたライダーがたくさんいるが、出て行くチャンスがないんだ。 自分が出来なかったことを次なる世代の人間に託して行きたい。 背中を押してあげよう!ライダーたちにはこう教える。 スノーボードがうまいだけじゃだめなんだ! うまいやつはどこにでもいる。 スノーボードがうまいのは当たり前なんだ。 その前に大切なこと。 「人として自分を磨かなかったら終わりだよ」 一人でデカくなったと思うな!みんなに感謝の気持ちを忘れるな。WebサイトではGlobal Session 滑り始めてもう何年たつのだろう? 何で始めたのだろう? 単純にカッコイイと思ったからだと思う! 真似事で始めてみたら「すげ~楽しかった」 カッコイイと楽しいってセットだと思う。 歯を食いしばって汗だくになって滑るのも否定はしない そう、自分もそんな時期があったし・・・ 今本当に思う 「楽しけりゃいいんだよ」 「カッコよければいいんだよ」 一番大事なこと。。。Stylish & Enjoy SnowBoarding GLOBAL SESSION CEO Makoto “KJ” Kutukake ![]() http://www.globalsession.jp/ |




