ほぼ自然のままの雪山斜面を自由に滑り、クリフジャンプや過激なライン滑りで競われるFreeride World Tour(フリーライド・ワールドツアー)が、6月5日にアイスランドで開催されたFIS総会において正式種目として承認。その結果、将来に向けてオリンピック種目になる可能性が高まった。
Freeride World Tourは、すでに22-23シーズンからFIS国際スキー・スノーボード連盟と提携しており、オリンピック種目に向けて動き出していた。そして、今回正式種目となったことで、将来のオリンピック競技化へ向けて大きな前進となった。
FWTの元々のスタートは、1996年にスイスから始まった。当初はマニアに向けたエクストリーム大会として一部で人気があったが、現在は、世界中で愛好家が増えて人気の種目に成長している。
私が住むウィスラーでも、ジュニアの競技が増えている印象で、まだ学校に通っている若い子たちが、週末にFWTのジュニア大会に参加する姿を見て来た。
そして、現在のFWTは、世界で唯一かつ最大のフリーライドの国際大会として認知されている。
FIS会長ヨハン・エリアシュは、今回のFWTのFIS種目になったことを受け、以下のようにコメントをした。
「FISは、あらゆるスノースポーツをすべての人のために提供する機関であり、フリーライドのような新興種目の興奮を全面的に受け入れるのは当然のことだ。私たちは、彼らがFISファミリーの一員であることに感激しています。」
1998年にオリンピックの正式種目となったスノーボードは、ハーフパイプとスーパージャイアントスラロームの2種目で始まった。
しかし、現在はその2種目に加えて(※ジャイアントスラロームはデュアル競技)、スノーボードクロス、スロープスタイル、ビッグエアにまで拡大。さらに先の北京オリンピックでは、スノーボードクロスは男女の団体戦まで増えており、一部スノーボードファンからは「トゥマッチじゃね」という意見も出ている。その意味は、興味拡大によるFISの金満体質が現れていることの懸念だろう。
それだけに、今回、Freeride World TourがFISの正式種目になったことを否定的に考えるフリーライド愛好家も少なくないようで、いくつかのSNSのコメントでは、涙を流すイラストをアップしているものも見受けられた。
以下、FISの正式種目となったことを伝えるFWTの記事。
https://www.freerideworldtour.com/news-videos/freeride-skiing-and-snowboarding-officially-approved-as-an-official-discipline-by-the-international-ski-snowboard-federation-fis/