ENDEAVOR SNOWBOARDSライダー薬師寺 亮 インタビュー

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3年前にバンクーバーに本社を構えるENDEAVOR SNOWBOARDSの日本代理店ワークをお願いされた時、自分にはいくつか託されたタスクワークがあった。その1つが、これまでの日本人ライダーとの継続契約だった。しかし、本社に指示されたように、ほぼ全員の日本人ライダーに声を掛けたのだが…、ことごとく断れられてしまった。というのも、ライダーたちはENDEAVOR SNOWBOARDSの代理店を行っていたFusion Inc.への繋がりが強く、新たな日本代理店となるFieldgateへの移籍を拒んだからである。
これからENDEAVOR SNOWBOARDSをしっかりと盛り上げていくためにも、ライダーは必要であったし、ライダーの写真や映像を通して、宣伝していく必要があった。
自分の周りを見渡すと、すでにボード・スポンサーを得ているライダーばかりだ。そんな中、一人だけ思い当たる人物がいた。彼はスノーボードに対して情熱的に向き合っていたし、フリーライドもうまかった。いっしょに撮影した経験もあったけど、彼だけは一人ノースポンサーだったのだ。
そこで声を掛けてみたところ、二つ返事で引き受けてくれた。
決まってからは、二人で積極的に撮影に行った。特に今季は、お互いフリーの日は、必ずいっしょに山に上がった。
そのお陰で、いくつかのENDEAVORレビュー動画、ハウツー動画、カタログやインスタなどで使える写真を残すことができた。

彼の名は、薬師寺 亮
あの日、どんな気持ちで引き受けてくれたのか。そもそもなぜスノーボードをするためにウィスラーに移って来たのか。
そして、ライダーとしてこれからの展望を伺ってみた。

インタビューアー:飯田房貴

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--そもそもRYOがウィスラーに来てスノーボードをやろうと思った理由は?来たのはいつ?

薬師寺:日本でショップで働いていた時、ジェシーさんという自分の大師匠の店長がいてその人からいろいろ話を聞いていたので、いつか行ってみたいなと思っていました。そしてショップを退職後の18-19のシーズン、ウィスラーに来ました。
僕はジェシーさんの滑りをずっと見て憧れていたし、凄く刺激を受けていました。ウィスラーに来てからもその影響は大きく、今の自分の成長の糧になっていると思います。

--その時は、ショップライダーですか?

薬師寺:大学3年生の時から4年間働いていて、ただの普通のスノボ好きのショップ店員でした。

--ショップで働いた経験は、一般のユーザーがどんな考えを持っているのかわかっただろうし、良い経験になったのでは?

薬師寺:そうですね、お客さん目線で道具選びができたり、流行りをオススメしたり納得してくれたり、とても楽しくていい経験になりました。

--RYOは、高校球児で大谷翔平選手とも対戦あったということですが、 高校まで一生懸命にやっていた野球が、スノーボードにとって良い影響を与えている部分ありますか?

薬師寺:諦めない気持ちとガッツは野球を通じて学んだことなので、スノーボードでも生きていると思います!

--撮影ワークしていると確かにガッツあると感じます。「もしかしたらの画」のためにハイクも厭わないし、カメラマンからしてもありがたいライダー。
ところで、大谷翔平選手との対戦した印象は?

薬師寺:彼は当時1年生でしたが、すでに球も速くて。たしか143キロ出していました。だけど、その時調子が悪かったのかコントロールが乱れていてデットボールを連発。自分は2年生の新チームで出場し対戦しましたが、腰引けの三振でした(笑)。


--大谷選手と対戦できたなんて、素晴らしい思い出ですね(笑)。
ところでRYOと話していると、ライダー目線と一般ユーザーの目線の両方を感じることができて、そんなところが現在、ENDEAVOR SNOWBOARDSをPR配信する上で、良い力になっているように思います。
2シーズン前だっけ!?自分の方から、ライダーオファーをしたのですが、あの時の正直な心境は?

薬師寺:正直、自分なんかでいいのかなと思いました。大会周りとかもしたことないし、ちゃんとした撮影経験もゼロだったので、自信がありませんでした(笑)。フサキさんからの試乗ボードのレビューのお手伝いしてもらえますか?という間口の広いオファーを受けてから気付けば3年経ちました。

--そうそう思い出した。少しでも多くの日本のユーザーにEndeavor Snowboardsの魅力を知ってもらおうと思い、レビューを作ったね。あれからもう3年も経ったのかあ…。自分を含めて、ウィスラーのプロフェッショナルなカメラマンなどと撮影して来たRYOだけど、撮影の仕事に対して、どう思いましたか?

薬師寺:とても難しい仕事だと思いました。カメラマンとライダーのイメージがズレるとなかなかいい映像や写真が残りにくいし、時間も余分にかかってしまったり、ボウズ(※まったく画が残らないこと)で終わる日などもありました。今でもそんな日は多くありますが、いいのが残ると楽しいし気持ちがいいです!

--本当、微妙な(滑り)ラインの違いで良い画にならないこともあるからね。撮影って、ライダーとカメラマンの共同作業で、片方のちょっとしたミスでダメになることもあるから難しい。だけど決まると、お互い本当に気持ちいい!
RYOは、今季から本格的にスノーモービルを始めたけど、実際にやってみた印象は?

薬師寺:去年モービルを2台持っているミノルくん(※バンクーバー在住でRYOのモービル師匠。バイブスも高くてめちゃくちゃストイックらしい)に何回か連れてってもらいめちゃくちゃスケールのデカさに感動してグリーンラボの一郎さんと可能性を広げようってことでシェアで一台買いました。
初めはすぐに倒れるしスタックするし、掘るのに1時間かかったり…。なんなら一日中スタックして何しに来てるかわからない日があったりで、まるで炭鉱で働いてる感じでした。ミノルくんからのスパルタ教育で、最近やっとウィスラーのプロライダー達が撮影している斜面までギリ辿り着けるぐらいに成長しました。ノートラック滑り放題なので、今は一言で言って最高ですね!維持費がとても掛かりますが…。

--おそらくRYOほど、エンデバーのほぼすべての板に試乗したライダーもいないと思うのだけど、おきに入りのモデルは?また、その理由は?
RYOの身長を含めて、使用するボードの長さのインフォも教えてください。

薬師寺:自分はフリーランとパウダーが好きなので、SCOUTの156センチを乗っています。身長が169センチなので少し長めですが、パウダー安定感があるし、スプレーも上がるので、お気に入りです。雪がない日やパークをやる時はPIONEERの152センチを乗っていて、オールラウンドボードで一本で何でもという板です。その他もいろいろ乗りましたが、B.O.Dとかも3Dキャンバーでクルクル回れておもしろいし、扱いやすいRANGER、バチっと硬めのLIVE、パウダー特化型のARCHETYPE 、全部良い板ですが、今はSCOUTPIONEERに落ち着いた感じです。

RYOが今季愛用したSCOUT 156

--RYOは、撮影でオールラウンドなライディングを見せてくれるけど、特にパウダーの写真を残す技術が高くなって来たと思います。撮影に挑む時には、どんな心境なのですか? 何か、これからこういう世界で撮影ライダーしたい人にアドバイスはありますか?

薬師寺:まだまだなライダーなので、あんまりアドバイスすることないですが…。一本目をいかにしっかり決めることかなと思います。一本目のファーストトラックを外した時はやっぱりガッカリして、モチベーション下がります(笑)

--確かにRYOの一発目の集中力、素晴らしい!特に今季は、そこのエネルギーを感じました。
これからどんなライダーを目指していきたいですか?

薬師寺:モービルの技術が今年は上がったので、モービルエリアのカッコいい斜面で写真を残せるライダーになりたいです!

--来季はどんな動きになりそう?

薬師寺:やはりモービル練習頑張ったので、モービルエリアでの撮影機会を増やして行きたいですね!

--最後にこれからのスノーボードへの展望を聞かせてください。

薬師寺:んーそうですね、自分はスノーボードがうまいスターではないので、楽しんで挑戦してエンデバー(努力)バイブスを感じとった人がこの板カッコいいから乗りたいと思って貰えるのが目標ですね。夢はケール・スティーブンスクリス・ブラウンとモービルしたいです!(笑)
(※ケイルとクリスは、ウィスラーの大御所ライダーで今でもバックカントリーに現れることがある。RYOが愛用するAIRHOLEフェイスマスクのファウンダー)

薬師寺 亮 プロフィール
@yaku89ryo https://www.instagram.com/yaku89ryo/
ホームタウン:福島県喜多方市
年齢:30歳
スポンサー:Endeavor, Airhole, BONEゴーグル, Sandbox

https://endeavorsnowboards.com/

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