【フサキ日記】一気に冬へ誘うLSP最新作『BOONDOCKING』

まだ冬にはもうちょっとというこの時期。
スノーボード・ショップに行けば、最新ギアが並びだし、スノーボーダーならソワソワしちゃう時期だけど、そんな方には持って来いのスノーボード・ビデオ!
本日、僕が見たLSP最新作『BOONDOCKING』をご紹介しましょう。

まずは、簡単にこの作品を作っている方やライダーのことを説明します。

このLSPは、撮影&編集をやっている方が越路太郎さん(※オープニングでメガネをかけいるオジサン)。
そして出演するメイン・ライダーの一人が、布施忠。
タロウさんは、忠の撮影をずっと昔から行っていて帰心の仲。

忠と言えば、バックカントリーをゴリゴリに攻め、その撮影環境を得るためのモービルの技術力、ハイクアップ力も、世界トップレベルなのですが、それに付いていき貴重な映像を撮るタロウさんのパワーも凄いものがあります。

最近のスノーボーダーの方は、「布施忠」というライダーが、どんなことをして来たか、知らない方も増えているようなので、ここで改めてざっくり説明しましょう。

スノーボードのムービー全盛時代、今のようにネットでビデオを見ずに、VHSやDVDを買う頃ですが、その時、世界を代表するスノーボード・ムービー、その中でも最高峰と呼ばれたのがマックダウというレーベルでした。
忠は、このマックダウがリリースした作品で、ガッツリとパートを得て、世界中に「フーセ」の名を高めたのです。(※日本人は、普通に「フセ」と言いますが、なぜか外人さんは、「フーセ」と言う方が多い。)
世界で認められた初めてのプロ・スノーボーダーなのです!

その忠の凄さは、日本でも高いですが、特に海外でもの凄くリスペクトされています。
例えば、あれは10年以上前だったか。自分と忠など数名が、ウィスラーのカイバースというトゥリーエリアを滑っていた時、途中でカナダの大御所レジェンドであるデヴァン・ウォルッシュと仲間たちに会ったことがありました。
その時のデヴァンたちのテンションの上がり方と言ったら、まるで子供が懐かしいヒーローに会ったような感じで超嬉しそう。それから、いっしょに滑ることになったのですが、あのクールなデヴァンがここまではしゃぐのか、とちょっと驚いたことがあります。

忠は、特に海外の業界人に評価が高く、まさにスノーボード大好きな人に、リスペクトされている印象があります。スノーボードが好きな人ほど、好きになるライダーというタイプですね。

そんな忠と太郎さんは、世界にもっと日本人ライダーのパワーを知らしめようぜ!ということで15年ほど前だったか。ハートフィルムを立ち上げ、そして現在ハートは、ケイジくん(田島 継二)が引き継ぐ形になっています。
世界に立ち向かうエネルギーは、現在のカズ(國母和宏)の「STONP」や「ink」にも流れているのだと思います。違う道のりを歩んで来た二人が、昨年、世界を代表するトランスのムービー、KAMIKAZUで共演したことは、驚いたし素晴らしい出来事でした。

7年ほど前、忠と太郎さんは、ハートと袂を分かれLSPを立ち上げます。
当初は、二人だけのレーベルという印象でしたが、最新作のBOONDOCKINGでは、4人のシムス・ライダーというテーマに。

ライダーでは、忠の他に、佐藤秀平、石川敦士、村上史行が登場します。

秀平は、10代の時からパイプライダーとしてスタイリッシュだったけど、今作品では、抜群に良い映像を残しています。
地形を使ったトリックがうまく、しかも超スタイリーだから、忠とは違ったカラーをしっかりと見せてくれました。
おそらく、この作品を世界中の関係者なども見るだろうから、秀平の出世作にもなったと思います。 元々世界に知られているライダーだけど、この作品を通して さらにもっと世界の多くのスノーボーダーたちに知られることになるでしょう。

石川敦士と言えば、スクローバーを牽引して来た兄貴、リーダー。
スタイリッシュでジャンプ、ジブ、そして今作品で見せるバックカントリーなど、何やってもうまい。
ただ、スクローバーはなくなったので、こうしてパートを残すのはおそらく3年ぶりかな。あいかわらず、いぶし銀のスタイリッシュさを見せてくれます。

村上史行は、かつてワールドカップのパイプでぶっ飛んでいた暴れん坊だけど、あのゴツイ風貌とは裏腹にスノーボーディングは繊細。
今回の作品で見せるターンの美しさと言ったら、言葉を失うほど。ある意味、クレイグ・ケリーの時代からスノーボードのパウダーターンに魅了されて来た自分としては、一番フミの滑りが響いた感も。
彼のバックサイドで見せた残像をメモリーしておき、このシーズン挑んでいきたいと思います。

忠は、本当に働き者で、この作品でもたくさんの映像を残しています。
そもそもLSPは、スノーボードが本来持つ流れを大事にするところがあり、映像尺も長めになる傾向があります。それだけに、本来のライダーの実力というものがおもいっきり出てしまう。パークとかストリートとかで一瞬だけ見せるスノーボードとは違います。
スノーボードを真正面からとらえるから、実力も露出されるし、それだけに多くのリアル・スノーボーダーのハートを響かせる力を持っているのです。

今さら言うまでもないけど、飛びやすく着地しやすいパークと、そのままの自然が残ったバックカントリーでは、その技術もより高いものが求められるのです。
だから忠がどデカいエアーを決めた後、うまくランディングしながらパウダーが舞う姿とか、そういった部分を含めてカッコいい!

パッケージを見たところ、まだまだ顔もシャープで衰えたところなし。
忠は、あいかわらず自分に厳しくスノーボードに打ち込んでいるのだろうなあ。

ともかく、みなさん!この冬に誘うBOONDOCKING、ぜひオススメします。

東北のジャパウから始まり、さらに北海道を攻め、そして最後はダイナミックなウィスラーを駆け巡るクルーたち。オープニングシーンで、モービルのシャッターを開けたシーンからノリの良い音楽がスタート、そこからの30分は一気に加速します。あなたを冬の世界に誘うでしょう。

全国のスノーボード・ショップでDVD販売中!!
また、Vimeoでは1千円ほどで。この素晴らしいライダーたちとスノーボードの魅力を伝える表現者たちを応援する意味でも、ぜひ購入しましょう。