走れ!大河

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大河はよく走ります。
朝、学校に行く時、ランドセルと帽子を僕のチャリンコのカゴに入れて走るんです。
なぜでしょうか?

よくわらかないけど、きっと新しいことにチャレンジして、その充実感や高揚感が、そうさせるのだと思います。

みなさんも楽しい時って、身体を無性に動かしたくなりませんか?
僕は、嬉しい時、その場でじっとしていることができなくて、歩き回ったりします。
大河も、初めて行く日本の学校が、楽しくて、そうなるのだと思います。

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昨日の初登校は、ひじょうに気がかりでした。
だけど、大河が「楽しかった」と言った時、安心しました。

今日もとても楽しんだ様子。
大河と同じクラスの子供たちも、やさしい子が多かったです。

「大河くんは○○先生よりも、もっと上手に画が上手に描けるんだよ」
「えっ、本当。嬉しいなあ。だけど、○○先生よりは、上手に描けないと思うけど・・・」

「あと、大河くんは、よ、という字が上手に書けたんだ」
「わあ、それは凄い。お前、いつの間に、よ、というひらがな書けるようになったんだ」

照れくさそうな大河。恥ずかしいのでしょう、あまりほとんど話しません。

学校を出る時、またランドセルと帽子を僕のチャリンコに入れて、走っていきました。

「オーイ、待ってよ、大河くん」
何人かの子供たちも追いかけます。
ちょっと先、行ったところで待つ大河。だけど、ちょっとニコっとした後、また走り出します。

「大河、せっかくお友達が、いっしょに帰りたがってんでから待ってあげろよ」

すると、また立ち止まる大河。だけど、またすぐに走ってしまいます。

「オーイ、みんなゴメンね。バイバーイ!」
と、僕は大河の代わりに別れのあいさつをしました。

なぜ、そんなに走るんだろう?
やっぱり嬉しいから!?

だけど、元気な大河を見るのは、嬉しいです。
走れ!大河。

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