バックカントリーへの夢

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朝、空見たら雲が抜けていたので、タクミに電話した。
「おいっ、抜けているぞ。撮影に行こう」
本人、オレの電話で起こされたようで、ややシブシブ気味。
「その上にまだ雲があるようですよ」
「そうかなあ、まだ暗くてわかんないけど、抜けているんじゃない。あと、ユウタくんにも連絡して」
「はい、じゃあ、連絡してみますので」
 
ってことて、いつものようにタクミに迎えに来てもらい山へ。
雪は良いけど、なんか暗い。どうやらオレの予報は完全に外れて、曇り。まあ、パウダーだしいいじゃない、ってことで、トゥリーのパウダーを狙ってロケーション・チェック。
 
「おい、タクミ、ここのトゥリー飛べない?」
「いやあ、無理っすよ。枝に当たります」
「確かに枝あるけど、これくらいの枝、問題ないだろ。折って行けよ。」
「だけど、ヒール抜けてこっちに落ちると・・・」
「確かに危ないな(笑)」
「でも、タクミここから見てみな。画的にはかなりカッコいいけど」
 
でも本人納得しないので、これ以上、プッシュせず。というか、タクミとのやりとりだから、ある程度プッシュした会話も入るけど、基本的に撮影ではライダーをプッシュしない。そして自分の感でケガをする、と思った時も絶対に撮影しない。それで、実際、自分の撮影ではケガ人が出たことがない。というか、オレの撮影、いつもゲレンデ内で過激なことは少ないからってのもあるけど。
 
それから、途中、普通のコースのところで、氷柱を発見!
「ここでターンできないかなあ。いや、スピード的に無理だ。待てよ、オレがツララの中に入ると、どんな画になるんだ」
ってことでハイクアップ。なんとなく、おもしろそうな画なので、とりあえずやってみた。
 
この後はレストハウスへ。ユウタくんと会うために。
「ユウタくん、遅いなあ。1時間で来るって言っていただろ? ユウタくんはバスで来るって?」
「はい」
「じゃあ、あと2、3分で来るかもな」
「僕の予想ではあと10分です」
 
その後、10分以上待つけど来ず。
 
「ああ、ユウタくん来ないなあ。渡辺ユウタどうしたんだーーー!」
ってレストハウスで吼えていたら、ゴーグルかけたスノーボーダーがつかつかと近づいて来た。
「あっ、ユウタくんだ! 遅っいなあ~」
「あれ、待っていたんですか。電話かけてもつながらなくて・・・。パウダーを一本喰ってました」
ズコッ。
「まあ、いいや、出動だ!」
 
それで3人でロケ班していると、ユウタくんがなかなか素敵なスポットを発見!おっ、いいね、やってみるか。着地のところ、かなり木が密集して危ないけど。ユウタくんがやる気満々なので、やることに。だけど、タクミはずいぶんと下まで滑っている。ユウタくんが
「かわいそうだから、とりあえず下まで行ってリフトで回って戻って来ましょうか?」
「いや、いい。あいつには良い薬だ。ああやって調子こいて周りも見ないで滑り降りるから。あの野郎にはハイクをガンガンさせる体力も必要だ」
 
ってことで、オレとユウタくんはさっさと撮影の段取りに。上がって来たタクミも交えて飛んで。
その後もこんな調子で撮影を続けて、最後の方には猛吹雪。いやあ、カメラかわいそうなことになっちゃったな。防水のカバー持って来なかったし。でも、今日はとても楽しかった。みんな、充実笑顔。
 
最後ユウタくんを車で送っていたタクミが
「いやあ、ユウタさん入ると、空気がピリッと引きしますねえ」
「そうだねえ。でもバックカントリー行っている連中はあんな感じだろ。ユウタくんだって、そこではまだまだのレベルだろう。凄い世界があるんだろうなあ。」
 
と、オレとタクミはバックカントリーの旅に夢を抱きつつ、意識は一歩一歩近づいて行くのだった。
写真1タクミ
写真2ユウタ
写真3ユウタ
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