本当の愛、美しい愛

最近、遠藤周作の「男の一生」という本を読み直している。
前に一度、かれこれ10年以上も前だろうか。一度読んでいるのだけど、まったくストーリーが思い出せない。きっと当時は、一度購入した本なので義務感で根性で読んでしまったのだろう。
 
しかし、改めて読むとおもしろい。
 
主人公の前野将右門は、木下藤吉郎(豊臣秀吉)に武運を賭ける武将だ。
ところが、まだ前野将右門は、浪人の時、信長の側室となる女性に惚れてしまう。
そして、その女性のためなら命も惜しまず行動する。
 
そう言えば、最近、大河ドラマに登場する山本勘助も主君・武田信玄の側室・由布姫に命を賭ける。
 
普通、男性が女性に恋慕する時には、
いっしょにいたい、恋人になりたい、結婚したい、
と思うのだろうが、この小説に出る主人公は、
「結婚できない、いっしょになれない、だけどその人のために生きたい」
と思い、必死に行動する。
 
若い時には、とても理解しがたい感情だったが、
今、こうしてこの前野将右門のような恋愛感情を考えると、
それが最も世の中で美しい愛なのではないだろうか、
と、ふと思った。
 
世の中には、成し遂げられない男女の縁もある。
しかし、自分が心底好きになった人のために、命を賭けて守る。
例え、その愛がその相手と成熟されなくても。
そんな愛こそ、本当の愛、美しい愛のように思うのである。
 
若い時には、とかくセックスしたい。
なんとかあの姉ちゃん、ものにしたい。
と走りがち。
 
だけど、そうでなく、
「あの人のためなる命を賭けて守る」
もしかしたら、例えいっしょになれなくても、そういう愛の方が尊く、
また美しく、そしてこの世を過ぎ去り神様、仏様の方に行く時、
「ああ、素晴らしい愛だったな」
と思うのかもしれない。