戦術的ピリオダイゼーション理論

スペインでサッカーを教えている村松尚登さんの『戦術的ピリオダイゼーション理論の勉強会』の動画を観ました。

※以下、戦術的ピリオダイゼーション理論を略してPTPと呼びます。

誰がアップしたのか、凄いヘビー級、なんと、4分掛ける50回。合計200分も!僕はそれを一気に観ました。
辛かったあ。みんなも動画を観るとわかるけど、結構、辛くなりますよ(笑)。

この人、こんなに長い間の講習会、もっと楽しくできないのかよ!と何度も突っ込みそうになりました。

印象に残る感想としては、サッカーは、サッカーをすることによって上達する。

そこに、戦術、技術、体力、精神力を分けて考えるのではなく、これらの要素はすべて含まれた練習内容が望ましい、と。
むしろそうしていない練習は、悪い習慣になってしまう可能性も!

例えば、みんながよく行っている鳥カゴのパス。4人の中に真ん中にオニがいて、そのオニがボールを触るなり、出すなりしたら交代というやつ。
それだと、サッカーにおけるパス・ワーク、「功」の部分は補えるけど、「功」→「守」の切り替えの練習にならない。
ボールを触ったら、または取られたらそれでおしまい、というふうな習慣が悪い作用を及ぼす、ということも言っています。

なるほど。確かにサッカーはそういう習慣付けが怖いかもしれない。
普段の練習において、ある一面の個々のシュートやパスを磨いても、実際のゲームで起こる「功」→「守」、さらには「守」→「功」を練習していないで、単に「功」だけなら、その習慣化が悪い影響を及ぼすかもしれない。
例えば、往来の鳥カゴ練習の場合、ボールを奪いに行かない習慣化を付けさせてしまう恐れがあるのです。

またリフティングにおいても、実際のゲームではリフティングが2回できる状況は生まれない、とのこと。
そんな中において、リフティングが100回できる子が、1000回できたところで何になろう。

確かにリフティングが、1000回できることで、「技術力」と、また続けることにおいて「精神力」はアップするかもしれない。しかし、実際のサッカーとはかけ離れた動きを反復させる動きの負もありそうだ。

村松さんは、すべての練習において、戦術、技術、体力、精神力を含めたサッカーの練習をすることをオススメしている。
サッカー全体をとらえて、そこに起こる現象をピックし、メニューを組み立てる感じだ。
例えば、シュート、パスなどの項目を細分化させて練習させるのではなく、サッカーをサッカーのまま練習する感じだ。

野球のトスバッティングや、キャッチボールとは対極的に、要素を分けずに練習するところに、PTPと往来の練習の考えに大きな違いがあるのです。

それを小学生の低学年から勧めています。

最後の質問コーナーでは、誰かが
「僕は小学低学年を教えているのですが、今回のような練習は可能でしょうか?」
というようなことを聞いた。

すると、村松さんは自信を持って、大アリ!と回答。
子供をバカにしちゃいけないよ、子供にだって大人のサッカーをやらせなきゃ、というような勢い。
質問者の方は、たじたじ。困惑しているように思いました。果たして、ウチのチームでそれが可能なのか?という心配でしょう。

僕は、この質問者の気持ちを村松さん以上にわかったような気がしました。
というのも、実際、ウチのU11を見ても、短い距離で正しいパスが5回続かない子も多いし、リフティングだって1回しかできない子も多いのです。

小学低学年ともなれば、「トゥキックはコントロールできないぞ。」と言ったところで、トゥキックで蹴ってしまったり、パスが続かなかったり、「もっと広がってプレイしよう。」と言ったところで、おもいっきりダンゴサッカーになっていることが想像できます。

もちろん小学生でもすでにサッカー脳が磨かれた子もいるのですが、地元ボランティアのサッカークラブのレベルだと、サッカーのプロになりたいよ!という夢だけの子でなく、「まあ、お前、ともかく身体動かせ、スポーツやっとけ。」というようなレベルの子もいて、そこに向上心のモチベーションの差は大きいことが想像できます。そんな状況では、PTPどころではないですよ、と。

そこで、僕はこう考えました。
村松さんの考えは、ほぼ同意する。
しかし、サッカーの初心者においては、当てはまらないことも出るだろう、と。

例えて言うなら、この戦術的ピリオダイゼーション理論は、サッカーレベルにおいて上レベルが10で下が1と仮定した場合、上の10から3ほどまでに適していて、特に10から6ぐらいに有効なもの。しかし、まったくサッカーをやったことがないような0や、超初心者のような1、そしてそれに毛が生えた2のようなレベルでは、なかなか取り入れられるものではない、と。

PTPの練習とはかけ離れてしまうけど、シンプルなパスの練習や、ドリブルの練習が必要な子もたくさんいます。
そういった子には、やはりそういったシンプルな基本練習が大切だと思います。
だけど、サッカーが楽しくて練習してうまくなれば、すぐにPTPを取り入れられるようになるので、そうなった段階で、年齢に関係なく、例え低学年であろうとも、そういう練習をした方がいいのだろう、と考えました。

だけど、実際、具体例として、この村松さんはどんな練習メニューをしているのだろうか?と思いました。
まあ、値段高いけど、一度、この戦術的ピリオダイゼーション理論の体験できるキャンプに参戦するしかないな、と思いました。

「私は、スペシャル・ワンだ!」と豪語する世界一のサッカー監督ジョゼ・モウリーニョも、このPTP信者のようだし、一度、この道を体験するのも良いだろう、と。

ちなみに、今回のPTPの勉強は、スノーボードの上達論でも活かされるだろう、と思いました。
そのへんは、追々、どっかに発表していったり、自分のレッスンなどで活かしていこう、と考えています。