【コラム】最近ちょっと気になる『スノーボード世界3大大会』という名称

 

文:飯田房貴 fusaki@dmksnowboard.com

最近ちょっと気になる『世界3大大会』という名称、いったい誰が言い出したのだろう。

長年スノーボード界に生きている人間にとってもうまい表現だと思う。

(平野歩夢が初優勝を飾ったUS OPENは、テレビなどのメディアで世界3大大会という紹介でリリースされた。)

1月末、コロラドのアスペンで開催されるX Games(エックス・ゲームス)は、ヨーロッパなど世界各地で行われるX Gamesの中でも最も伝統の一戦。それだけに世界トップクラスが集結する。

そして2月のオリンピックは言わずもがな。

最後は3月のUS OPEN。スノーボード界の中では最も歴史を持ち、権威ある大会と言っていいだろう。
そもそもスノーボードの大会ができた、という産声を上げた時代から、様々な種目にチャレンジして来た。その中にはアルペン競技もあった。
特にハーフパイプ競技においては、1988年に始まりそれ以来欠かさず続けている長い歴史を持つ。
途中にはボーダークロスが生まれて消えて、その代わりボーダークロスはスノーボードクロスという名称に変わり、オリンピックに移っていった。
US OPENは、その他にも様々なスノーボード大会を行って来たが、現在残るのはスロープスタイルとハーフパイプのみ。ビッグエアーはなしという形だ。お金儲けに走ってやたらに種目を増やさず、スノーボード界の大会の核となる2つの種目に絞ったところも好感がもてるし、女子でも男子と同じような高い賞金を渡すところも、本当にスノーボードを愛している印象が伝わる。

この3大大会と呼ばれる中には、FISのワールドカップも含まれないし、世界選手権も含まれていない。新聞で話題になるような大会とは一線を引き、スノーボード界の中でしっかりと話題になる大会というところもひじょうに良いように思う。

オリンピックの解説でも活躍した野上大介さんが伝えたことなのか。
それか、一般のテレビやメディアなどがどこかが言い出し、それを継承するような形になのか。

そのへんの事情がわからないが、こうした敬称は、これからスノーボードの競技がオリンピック以外でも盛り上がるために、大切になって来ると思うのだ。

FISのワールドカップが、オリンピックの1、2年前から出ないと俄かに盛り上がっていがっていない状況は、まるでボクシングのようにやたらに団体があり世界チャンピオンが増えて、本当の意味で誰が世界チャンプのようなわからない事態に似ているところがある。
ワールドカップで優勝しても、そこに出場している選手が、真の世界最高峰の集まりでなければ、そこでの順位は、あまりスノーボード界で意味を持たない。

一方で3大大会と呼ばれる大会には、世界から選りすぐりの選手が参加してくる。

X Gamesのアスペン大会と、US OPENこそ、スノーボード界にとって大事な大会!という格付けが定着すれば、このことがスノーボード界に留まらず一般メディアにも広がる。スノーボード競技という可能性がまだまだ大きく広がるきっかけにつながることになるだろう。

今後、そんなスノーボードの3大大会で、平野歩夢選手や片山來夢選手が。そして忘れてはいけない角野友基選手!彼らがその舞台で活躍することで、より日本中の注目となっていくことだろう。