【コラム】Let’s Go TATEYAMA and Play !

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文:H.SEKIGUTI

今月5日に立山レポートをアップしてくれたH.SEKIGUTI 氏からは、またまた立山に行ったレポートが届いた。今回は、バックカントリー初心者を2人を連れて行ったのだ。人命を預かるだけに相当悩んだようだが・・・。では、早速そのレポートを拝見しよう。

「専用装備は何もないですが、立山に行ってみたいです!」
そんなメールが手元に届いたのはまだ真冬だったような。
前回はバックカントリーは素晴らしいけど装備はきちんと揃えてから、みたいなお約束内容だったけれど。

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「立山に行ってみたい」
この希望を叶えてあげようと計画を立てて行って来ました。バックカントリーには装備やルールも当然ながら、誰しも「初めて」の時があったわけだし。フル装備が無きゃ立山に行けないのか?とも考えたのだ。装備がなくとも楽しむ方法はあるはずだ。そんなプランを考えた。

自分の考えた内容は、
1 無理をしない、させない。
2 今ある装備に合わせた行動計画
3 立山を、バックカントリーを楽しめる
ってこと。

そして、その日はやって来た。前日まで低気圧の影響で天候が心配だったが晴れてくれた。       
待ち合わせ場所にメールをくれたRちゃんとTくん2名が来た。初対面のあいさつの時からすでに2人ともかなり不安そうな顔をしていた。室堂へ向かうバスの中でリラックスするよう雑談しながら過ごし室堂到着、 立山の大地を踏んだ。       


左)天気は最高!気温も暑いらい。最高の景色にRちゃこんなポーズ。 
右)初めて見て、触る、スノーシュー。見た目と違うその軽さに驚いていた。

2人とも、装備はボードが装着できるタイプのバックパックのみ。スノーシューやストックはそれぞれ貸して装着。     
伸縮できるストックを伸ばすのも、スノーシューを履くのも初めて。とりあえず装着して付近を歩き回って感覚を確かめてもらった。ツボ足(ブーツが埋まらずに)じゃ無く歩けることに感動していた様子。      

長野側から合流する古き良きボード仲間到着までスノーシューで歩いたり、バックパックへの板の装着方法を説明したり景色を堪能してもらって過ごす。      

一年ぶりにバックカントリー仲間のN氏との対面もほどほどに今日のルートを思案。とりあえず一の越を目指すことに。予想は一時間のハイクアップ。    
たった一時間?1時間も登る?初体験の2人はどう思っただろうか。      

しばらくは平坦な道のりでサクサクと歩く。途中から緩やかな長い登り。      
2人は無言。高山病の気配は無いが、すでに標高2500mの世界。この長く緩やかな斜面が以外にキツイのだ。道しるべのポールを5つずつ休憩しよう、などとペース配分するがだんだんと目標ポールが少なくなって、 10歩進んだら深呼吸、といった感じだ。     


左)斜面が長いほど長い道のりに感じた。
右)だんだん斜度はキツくなる。目標地点が見えてからがさらに正念場である。

 

ちなみに先頭をN氏に任せたかったが不眠で来ちゃったし、また初体験者と共にハイクすることからスローペースが予想できたため、最後尾を務めてもらった。N氏はどんなときも慌てない冷静さがあり、 状況判断が素早く優しいからだ。Tくんは先頭の自分に順調に着いて来れているが、Rちゃんはマイペースを維持しつつも足が止まり、一息付く毎にN氏が雑談や励ましの声かけで、辛いけど着実に一歩一歩進んでいた。
「ゲレンデのリフトのありがたさ」なんかを想像してたり、ハイクアップのキツさに「来なきゃよかったこの野郎!」 くらいは2人とも心の中で叫んだに違いない(笑) 時間としては予定をオーバーしてしまったが無事に一の越へ到着。  


左)Tくんも目的地達成に興奮!
右)
やっとRちゃん到着。く頑張りました。お疲れさま! 

はじめてのバックカントリー、はじめての立山。一の越に到着した2人はすごいいい笑顔でした。    
苦労して登ったぶん、その達成感はすごく充実したものだったのでは。    
登ったら・・・あとは滑り降りるだけ。それぞれ自由にシュプールを描いた。    


左)見事なまでに広がるマザーネイチャー。滑る前には気分が高まる。
右)そして大自然にターンを刻む。

滑り降りるのは本当に、あっ、という間。 滑ってきた斜面を振り返り、各々満足感に浸っていた。
ハイクアップして滑ってきたら・・・当然、お腹もペコペコだ。そこでランチタイム!
ランチの準備は俺にお任せあれ。お湯沸かしてコーヒー入れて・・・パンに、ハムにチーズにと・・・。そう、サンドイッチだ。名付けて「立山バーガー」かな!?


左)オリジナルの立山バーガーでも作ろうか。
右)大自然の中で食べる手作りランチは最高!

お湯を沸かせる道具さえパーティーに1人でも持っていればコーヒーやカップラーメンもできる。  
手軽にコンビニのオニギリや弁当でも十分かもだけど・・・  
こんな感じに材料を持って行って現地で作って食べちゃおう!なんてのも楽しさは倍増だ。  

お腹も膨れたところで・・・。
景色も堪能したし、初めてのハイクアップ、立山初滑りも体験終了。残す遊びは・・・。
地形を利用して飛びますか!って感じに。ナチュラルポイントも多くあるけど今回はそこまで再度ハイクする体力、時間がなかったので、ちょっとシャベルで斜面に手を加えてキッカー作成。
(注:パークじゃないんだから雪を固める薬品なんて持って行かないでね。自然を大切に!)

疲れを吹っ飛ばすメソッド大会がスタートした!

Rちゃんは疲労もあり「飛び」はお休み。体調に合わせて無理しないのが大切だ。ちゃんと帰宅するまでが遠足だからね(笑) Tくんは初立山で疲れているだろうに写真のようにこんなエアー決めてくれました。
24時間寝てないN氏ももちろん、黙っている訳なく飛びました。恐ろしい体力の持ち主。
なんだかメソッド対決みたいになって。案内役の自分もちょっと遊んじゃいました。

今回は足りない装備を貸す、という方法、ハイクアップ・滑走時に経験者で先頭と最後尾から初体験の2人を必ず見守れていたこと。現地でランチ作っちゃおう企画、キッカーで飛ぶってオマケを入れて、立山を満喫できる内容にしました。天気にも恵まれたおかげで2人とも大満足してもらえたようです。
ハイクアップするのにスノーシューがなければ持ってる人と交互にハイクして滑りを撮影しあったりもおもしろいし、装備なしなら山荘周辺の起伏で飛んで遊ぶためだけに訪れても楽しめるのでは?実際にそういう形で訪れてる方々もいます。目的を限定すれば装備なくても遊べる場所でもあります。飛び、メインの方でも万が一ケガしてもパトロールなんていません。無茶はしないように。
まだまだ雪のある立山。まだまだ楽しめます。スノーボード持って出かけてみては!?
ただ、ハイクアップして滑りたい、ってことに関しては経験者と行くことをお勧めします。

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