【コラム】躊躇せずに目立つ

最近、インタビューを行うモチベーションが下がっていたのだが・・・。というのも、「この人に話しを聞きたい」という気持ちが見つからなくて。そうなると、なかなかインタビューのページが更新できなくなる。
だけど、ここに来て、「この人にインタビューしてみたい」と思うような人物が、2、3人出てきた。今回アップされたインタビューの川室 専もその一人である。

インタビューから受けた彼の印象は、「こだわり屋」。
そのこだわりが、彼をここまで成長させた要因であるのだが、その一方でこだわりが成長の妨げになるようにも思えた。
実際、彼は今年に入って撮影を行うことにより、大きな機運を得た。それは何か1つのこだわりを捨てた時に始まったように思える。もしかしたら、このインタビューをきっかけに露出する快感を得るのでは? そして、その責任も強く感じ取るに違いない。

自分のスノーボード人生を振り返ると、こだわりがほとんどなかった。それが自分らしいとも思うし、成長を妨げた要因でもあると思う。ただ、こだわりがなく躊躇せずに目立った動きをしようした結果、常に目の前に責任に迫られていた。そして、それが自分の成長に役立っていた。矛盾なことを言っているようであるが、こだわりを持たないことで成長を妨げたし、逆に成長も託していたのだ。

例えば、90年前半スノーボード・バブル時代の前、ハウツービデオを出すということが決まって、自分がその指名を与えられた時。当時の自分は、スノーボードの教え方をよく知らなかったし、ビデオ撮影の仕方もわからなかった。だけど、ハウツー・モデルとストーリーを考えるディレクター的な仕事のチャンスをいただき、その仕事をこなしていった。

その結果、当時のビデオとしては最高の売り上げになった。その大きな要因は、何よりバブル時代の入り口にハウツービデオを投入したということ。そして「ワーホリのレイコちゃんを1シーズンでスノボーダーにしちゃった」という、作品の切り口が良かった(注:オレが考えたのではなくプロデューサーが考えたこと)。こだわっていたら、そんな仕事はできなかっただろう。だいたいあの時代でもそのような仕事ができるライダーというのも少なかったように思える。ともかく、羞恥心とか、そういったものはほとんどなかった自分だからできたように思える。目の前にチャンスが来たなら、喰ってみようか。喰わなきゃ、男じゃない!?と言うような境地である。

ライダーに限らず、今の若い子を見ると、こだわりが強いし、目立つことに対して躊躇するような傾向がある。特に、知らない土地や知らない世界に入ると、自分をうまく表現できないようだ。謙虚が美徳とも言えるような傾向もある。

確かに謙虚は、人間社会で大切な要素だけど、傲慢であることはもっとパワーを使うし、時にはそのような勢いでやっていかなくては、「何のためにお前は生きているの?」ということになりかねない。ちょっとエクストリームな論理かもしれないが、謙虚が楽ということでそこにいるなら、そんなことは止めてしまった方がいいと思う。若さの特権は、何度も失敗できることだし、そこから学んで成長するところだからだ。言い方を買えれば、年を取ってから失敗するとダメージが強くて、やってられない。若い内に多くの失敗を学べることに越したことはないんだよ!と。

肝心なことだけど、
オレは「こだわりを捨てろ」と言っているのではない。
なぜなら、こだわりがないと成長できないから。
それでは、こだわらなくてもいいラインは、どのように決めればいいのだろうか。
それは、今回の専(あつし)くんのインタビューの言葉を借りたい。

「以前は自分が納得できる実力をつけた上で、スポンサーを獲得したり、ライダーになるための活動をやりたいと考えていました。だけど、最近、いつまでやっていてもキリがないことに気付かされました。昨年、今年とウィスラーでスノーボードしてみて、いろいろなスノーボーダーと出会い、話す機会を持たせてもらって、それを通して気づかされたんです。永遠に自分が納得できる実力に達することはできないってことです。」

このように「キリがない」というところまでやって悟れば、そこまででいい。
その後は、躊躇せずに目立ってみては、どうだろうか。

もう一度、繰り返すけど、
謙虚であることより、傲慢であることの方がパワーは使うんだ。
謙虚であることは楽だけど、傲慢であることは労力を使うことなんだ。
時には「傲慢であってもいい」、それぐらいの覚悟で自分のやりたいことをやってみる。
躊躇せずに目立て!

一日は短い、一年は短い・・・、
そして一生だって・・・、
今、みんなが考えているよりも短いものなんだ。
だったら、やってみろ!行ってみろ!!目立ってみろ!!!と言いたいのである。