【コラム】時論公論・刈屋オジサンにリスペクト!!

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文:飯田房貴

ちょっと前にスノーボード業界関係者の間で話題になっていたNHKの時論公論「ソチ五輪メダル8個から見えたもの」が、とても良い解説しているのでご紹介させてください。

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/181781.html

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解説してくれているのは、刈屋富士雄さん。相撲解説やオリンピック解説としてもお馴染みの方ですが、この解説ぶりを聞いて、改めてファンになってしまいました。

以下、僕が関心した刈屋さんの解説です。

「今回の日本のチームの特徴は、一つの時代を作った選手たちのいわゆる集大成グループと10代の若き天才グループの集合体だったと言えます。

こうしてメダルの中身を見てみると、かつてメダルを取ったことのある日本伝統の種目では、今回わずかに4つしかメダルを獲得していないことが分かります。

この新しい種目のメダルは明るい希望のように見えますが、4人とも、競技団体などの組織が発掘育成したというよりも、熱心な家族に支えられたり、身近な理解者によって育てられたりと、いうなれば自ら道を切り開いてきた選手たちと言えます。これをどう広げていくのかが課題です。」 

本当そうなんですね。
これまで活躍したベテランがいて、また組織が育成したのではなく、家族など周りに熱心にサポートされた若者が活躍したという。
まさに、スノーボーダーがこれに当てはまるでしょう。

竹内智香選手は、ナショナルチームから睨まれながらも、海外のナショナルチームのコーチングを受けたというし、角野友基にしても日本ナショナルチームが育成したのではなく、インターナショナル・ライダーズコレクションなど周りからのサポートで五輪切符をつかみ活躍しています。
元スノーボード・ナショナルチームコーチの綿谷さんがコーチングして、ハーフパイプのスキーでメダルを取った小野塚彩那選手も、周りのサポートで成功した典型的な例だったと思います。

そこで浮彫になるのは、結局のところ組織があまり機能していない点です。
スロープ女子の鬼塚雅選手が、世界の大会で活躍しているにも関わらず、五輪直前のワールドカップに出場させてもらえなかったという事実は、まさに組織が古くて機能していないという例ではないでしょうか。

五輪でのスノーボードの組織を考えると、このようなピラミッドが思い浮かびます。

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選手、コーチ、それを管轄するSAJ、そして日本オリンピック委員会。

日本のスノーボード業界関係者の間では、SAJが良くないという意見もあるようですが、そもそも日本のオリンピック委員会が、古い体制になっているのは?と、この時論公論の解説を見て思いました。

日本オリンピック委員会は、どんな種目で何が行われていて、どんな選手がどれほどの活躍が期待できるかわかっていない。だから、SAJにお金に回らなければ、スロープスタイルのナショナルチームも進まないという。

あくまでも僕の想像ですが、古くから日本のウィンタースポーツを支えて来た選手が、引退してオリンピックの協会に居座り権限を持ち続ける。古い考えに胡坐をかき、自分がかつてやっていた種目の方に目にいきがちで、よって新種目に疎くなる。結果、新しいことにはお金も回らない。ということなっているのではないでしょうか。
そんな中、スノーボード種目やスキーのハーフパイプでは、選手や周りが自由な発想を持ち頂点を目指した。そして、お金を工面し、結果を残した。
だから、これからはスノーボードなど新種目に、どんどんお金が回るような体制作りが必要だと思います。そうすれば、日本はもっとメダルを獲得できるチャンスがあるでしょう。

1つのアイデアですが、スノーボードのコーチがスキーのコーチングを行い成功したことを考えれば、今後はSAJからフリースタイル部門を切り離して、新たにスキー&スノーボードの共同のフリースタイル組織を作ってもいいのかもしれません。
スキーのスロープスタイルのコースは、スノーボードのコースと同じだし、リンクするところも大きいと思うのです。
それで、これから日本で盛り上がるフリースタイルのスキー&スノーボードというものをもっとサポートしていけばいいのです。

実際、僕もスキーのフリースタイルの方と接点あったヒストリーを持つのですが、感覚的にスノーボードと似ているんですよ。同じ人種というか。そういった意味ではまとまりやすいかな、と。
フリースタイルは、見た目も派手で、イベントも組みやすい。東京ドーム大会にしても、スキーの日とスノーボードの日、2つ作って復活開催してもいいだろうし。
このようにバックアップ体制ができてくれば、きっと日本はもっとメダルの数が増えます。

ところで、この解説してくれた刈屋さん、こんなことも言ってますよ。

「長期的な展望の中で今後大きなポイントになりそうなのは、Xゲームへの対応です。
Xゲームにどう取り組んでいくのか、または日本でもXゲームを開催することを検討しても良いかもしれません。」

思わず、Awesome!と叫んでくれました。
一見すると、古そうなものを尊重するだけのオジサンに見えるのに、実を言うと鋭い解説に革新的なアイデアを提供できる刈屋さんに脱帽です。
リスペクト!!