Women’s Camp with YAGUKAO

2月5日の日曜日。シーズン最高潮のこの時期に長野の飯綱東高原いいづなリゾートでdmkWomen’s Camp「ヤグカオ・キャンプ」が開催された。このキャンプは限定15名。コーチもキャンパーも女性たちだけというdmkの10年の歴史の中でもはじめての設定だ。しかもヤグカオことコーチの矢口薫(ヤグチ カオル)さんは、現在のスノーボード界でカリスマ・コーチと呼ばれる凄い人…。ハイ・シーズンの最中に旦那も彼氏も置き去りにして、dmkのカワイイ(?)女子15名が大活躍してきましたよぉ~!


report/Machiko Morihara
photo/Shoko

「痛てて…」月曜日の朝、布団の中で思わずうめいた。左足の腿がひどい筋肉痛なのだ。「やっぱりやり過ぎかぁ…」まだ抜け出したくない布団の中で、寝返りを打ちながら昨日のことを考えた。そう、こうなることは前日から予想がついていたのだ。
Women’s Campという名前に私は最初ためらいを覚えた。世にいうGirl’s Campのスパルタの噂を聞いたことが無い訳ではない。根性のない私にとってスパルタ・レッスンは避けて通りたいもののひとつだ。Girl’s Campのスパルタも苦しさゆえに終わったあとには代えがたい感動があるとも聞いたが、私はどうにもその感覚になじめそうになかった。
恐る恐るキャンプ企画人のアヤ部長に問い合わせをしてみる。返ってきた答えは「ヤグカオさんは、とにかく教えるのがすっごく好きな人。教わるのが苦手だと向かないかも…」。やっぱり私に向いてない!と思った。だがしかし、今年の私にはどうしても超えたい目標があった。それはハーフパイプのリップ。アレを抜けるには大事な基本があるはずで、それをどうにかしてモノにしたかった。そのためには…。
いろいろ悩んだ末、出した結果はとりあえず参加!だった。だってそうしなければ前には進めない。

2月3日の金曜日、東京からは事前にアヤちゃんがすごく頑張って組んでくれたグループごとに落ち合って2台の車で行くことになった。私は東所沢の駅で今回がdmkキャンプ初参加のメグちゃんと待ち合わせだ。一緒に乗るのは、キャンプ常連の超努力家カナちゃんと、女の子ながらにパイプの達人リエちゃん。初参加なのにいきなりみんなのピックアップを頼まれてびっくりしたというメグちゃんにお詫びとお礼を言いつつ、東京駅からのもう1台と高坂のSAで合流し、午前3時には今回のお宿となったペンション「アリーゼの丘」さんに到着。
途中降り始めた雪がどんどん深くなる中、半スタックしたアヤ号を後ろから押すなど、みんなの協力があっての到着にすでにどことなく結束ムードが生まれていた。そんなみんなを見て、こんなところからすでにWomen’s Campなのだなと思う。
翌朝は9時にいいづなリゾート高原のゲレンデに集合。宿からゲレンデまでは車で5分も走れば着いてしまうくらいの距離だ。

センターハウスの入り口でブーツの紐を締め直していると、見覚えのある女の子が奥の壁際に立っているのが見えた。「ミモちゃん?」声を掛けると不思議そうな顔をした。ミモちゃんは10歳。去年、加藤高正くんのハーフパイプ・キャンプではじめて会った。今回のキャンプでは最小年齢の参加者だ。去年9歳だった女の子が、たった1回会っただけの大人の顔を覚えている訳がない。そこへ現れたミモちゃんのママが私のことを覚えてくれていたので、ようやくミモちゃんの顔から不安そうな表情が消えた。最近はいろいろな事件があるから、子供に声を掛けるのも難しいなと思う。

ブーツを締め終わってセンターハウスの中に入ると、すでにほとんどのメンバーが集まっていた。そこへ満を持してヤグカオさんが登場!
今まで雑誌などでしか見たことの無かったビッグネームの登場に、少し緊張する。

ヤグカオさんは背が高かった。聞けば170センチを超えているという。余分なものがついていないという感じの細身の身体に、やはり余分なものがついていないスッキリした顔立ちのナチュラルな美人だ。長く通った鼻筋にやや薄めの唇。笑うと形よく揃った大粒の歯が並ぶ。二重だが涼しげな目元をしていた。長身の身体にはエメラルドグリーンのジャケットにこげ茶のパンツを着けて、頭には白地にジャケットと同じ色のラインが入ったビーニー。よく見ればゴーグルも同じグリーンを基調にして、レンズはブルーのミラーが入っていた。派手ではないがなかなかお洒落な人だ。
でも、普段レッスンをしているより幾分多めの人数とすでにみんなが仲間として連帯感があることに少し緊張したらしく、ちょっと笑顔が硬いようだ。お互いに慣れてもらう意味も込めて、まずはヤグカオさんから一人ひとりに、それぞれの愛称を書いた名札を渡してもらった。最近のdmkのキャンプではおなじみになりつつあることなのだが、"dmkの証"とアヤちゃんが勝手に命名しているスノーマンから頂いたリフト券ホルダーがあり、それに名札を入れ身につけてもらうことで、レッスンを受けやすく工夫しているのだ。

天気は雪混じりだが晴。早速レッスンのスタートとなった。外に出て数メートル歩いたところで「ここから先はスケーティングでリフト乗り場まで行くこと~」との指示。どうやらウォーミングアップということらしい。ベースから見て一番右奥のクワッドリフトに乗る。
いいづなリゾートにははじめて来たが意外に標高が高いのか気温が低い。晴れているからと少し薄着できた身体にリフトの風は冷たかった。
リフトを降りると「それじゃあ、今日は積もっているので、まずはパウダーに行きましょう」とヤグカオさんはこともなげにさらりとそう言い、普通ならここにはロープがあるんじゃないの?と思えるような木と木の間に空いた、コースともコース外ともつかないような場所にスルリと滑り込んでいく。まさか1本目からそこに滑り込んでいくと思わなかったので、「え?え?」と瞬間的に「?」だらけになりつつも、思わずつられて滑り込んだ。途端に非圧雪。サラサラのパウダーに呑まれた。あっという間にブワーっとスプレーを上げながらエメラルドグリーのウエアが遠のいていく。「うわ!まじ?」割とパウダー好きな私にとって、これは利いた。サラサラのパウダーが積もっているのだが、当たってみれば下には結構ぼこぼことうねりがある。しかしそんなことにはまったくお構いなしでヤグカオさんは凄いスピードで下っていった。中間の第4リフト乗り場で追いついてみると「結構うねってたねぇ」と笑っている。私もまさか1本目からこんな思いができると思っていなかった。しかし実はこのうねりが曲者。まともに当たって弾かれた人はちょっと辛かったよね。
しかし、ヤグカオさんのパウダー攻めはそれで終わりではなかった。そのままゲレンデのトップへ出ると、雪が積もりすぎてトラバースの通路さえまともに無い中、急斜面を降ろされた。その名もアドベンチャーコース…。パウダー慣れしていないメンバーは少々苦戦したようだが、このコースが終わったところで休憩を入れた。ゲレンデの中間にあるトップハットというカフェで実は朝だけ無料でコーヒーが飲めるのだ。キャンプの途中でこんなコーヒーブレイクを入れてしまうあたりは、アヤ部長の手腕なのだが、ガッツリ系のキャンプと違っていかにもdmkらしいところ。ヤグカオさんも「なんか楽しいねぇ」と喜んでくれたカワイイおまけだ。
ここで広いテーブルを囲んだ途端に、ヤグカオさんの"語り"が始まった。「解らないこととか、聞きたいことがあったらなんでも聞いてね」と常に言いながら、どんどん話しを進めていく。そのままの流れで予定には無かったが、ここで各自自己紹介タイムとなった。
この時に知ったことだがヤグカオさんはとにかくよく語る。ちょっと隙があるととにかく絶えず語りまくる人なのだ。

悪天候による高速の通行止めで到着が遅れていた富山から参加のマユミちゃんがここで合流。ここからがヤグカオ・レッスンの本格的なスタートだ。
まずはゲレンデを斜めに1本横切るだけのトゥサイド、バックサイドの姿勢チェックから。ヤグカオさんは男性と女性とでは体格や筋力が違うということをとても強調する。男の子がダック・スタンスで乗る姿がカッコ良さそうに見えても、女の子の体格・筋力では無理があること、またそれだけでなくスタンスの角度もなるべく前に振る、スタンス幅も広げすぎないなど、どうしてそうなのか、なぜそうするべきなのかと、その理屈と理論を説明してくれた。今まで男の子の真似をしてきた人もいたと思うが、女性のコーチが理論的に説明してくれると説得力が違う。

レッスンが始まってからも気温はどんどん下がってきた。雪と共にいつの間にか風が出てきているのだ。リフトに乗っていると自分の黒いグローブの上に柔らかい雪がサカサカとかなりの勢いで積もる。積もった雪はフワリとしていて手を持ち上げて良く見るときれいな羽根のように結晶が絡み合っていた。気温が低いためだろう。細かい針のような繊細な結晶だ。
しかし、その寒さの中でもヤグカオさんは負けない。ターンの基本を教えるためにクイズを始めた。名づけて『クイズ・ヤグネリア!』。突然こんなことをしてしまうあたり、やはり常にどうやったら楽しくレッスンできるかを考えている人なのだなと感心させられる。スノーボードという道具は、何も特別なことをしなくても上下運動だけでターンが切れるようになっているものだという説明を受け、それを身体で体験する。実際やってみると特別な動きは何もしていない、もっと言えば「ターンなんかしてやるもんか」と心で思っていたとしても、本当に上下動と視線だけで、自動的にきれーいにターンが切れていく。ただきれいというよりは本当にきれーいと伸びていく感じだ。どうしてこんな動きだけで、ターンが切れるのかとても不思議な感触だ。だがその時は寒さに耐え切れず、その感動を味わうよりなにより、そそくさとセンターハウスのレストランに逃げ込んでしまった。

午後は雪も止み太陽が顔を覗かせた。たっぷりご飯を食べて温まった身体で、今度はオーリーのレッスンからスタートだ。キーワードは「エンヤートット!」。ヤグカオさんのレッスンはすぐにこんな変なキーワードが生まれる。板を引き上げ蹴り出すタイミングを「エンヤートット!」のリズムで合せようというのだ。板を蹴るという動作の前にまずはいわゆるぎったんばっこん。板のノーズとテールに乗る感覚を感じるところから始まった。上手な人はこちらから見てもソールの色まで見えるほど大きく板を引き上げている。自分はなんだかいまいち…。しかしこの動作はなにしろ体力を使う。あっという間に汗が出てきてゴーグルの端に曇りが出る。息も上がるし、午後一なのにいきなりヘロヘロだ。
そのあとにはジャンプの感覚と両足での着地の感覚を覚えるために、板を脱いで、それを後ろ足で蹴って飛び越え、両足で着地する練習もやった。ベースにあるリフト乗り場の近くの平らな場所でやっているのだが、女の子ばかりが16人も変な掛け声とともにバタバタやる姿は、かなり周りの注目を集めたようだ。気がつくとすぐそばで若い男の子たちが真似をしていた。こらこら!レッスン料払えよー(笑)。

リフト下での練習を終え、実際のキッカーでオーリーをやってみることになった。ヤグカオさんが小さなキッカーのリップで待っていて蹴りだすタイミングで「エンヤートット!」と叫んでくれる。タイミングが違っていると「はやーい!」とか「エンヤーまではいいんだけど、トットがまだー!」などと教えてくれる。ヤグカオさんはリップの端に這いつくばって本当に一生懸命声を掛けてくれていた。
最後にヤグカオさんがいつも滑っているという『ヤグカオ・コース』を案内してもらって、本日のレッスンは終了となった。

宿での食事はキムチ鍋だった。それに掻揚げなどいろいろな副菜が付いている。おいしいのだがその量が半端ではない。お鍋は食べても食べても一向に減らない。おしゃべり好きでやさしい奥さんが何かと心配してくれるのだが、本当に申し訳なかったが、結局かなりの量を残してしまうこととなった。ごめんなさい。
ちなみにこの宿の息子さんは原山拓也さんといってテリエが活躍していた頃に、和製テリエと言われたほどパイプで高い抜けを見せていたプロ・ボーダー。食堂や廊下には写真や数々のトロフィーがさりげなく飾られていた。さらに宿のご主人はSAJのインストラクターの資格を持っていて、ご自分でもスノーボードをされる。ルックスは俳優の山崎努ばりの苦みばしった渋いおじ様。私たちに「スノーボーダーを応援していますからね」と嬉しい言葉もかけてくださった。

食事のあとは昼間撮ったビデオで、ヤグカオさんにビデオ・クリニック!の、予定だったのだが…。なんとスタッフ側のミスでTV画面に接続するコードが無かった。慌てて宿のご主人に相談したり、ミモちゃんのママに手持ちのコードをお借りたりして、いろいろ試してみたがどれもうまくいかない。最終的にヤグカオさんのお知り合いでいいづなリゾートのスタッフをされている方にコードを借りることになり、アヤちゃんが車を走らせた。
アヤちゃんが帰って来るまでの間、例によって語り始めたヤグカオさん。「何か聞きたいことはない~?なんでも答えるよ」という言葉から始まって、その話はやはり止まることを知らない。dmkキャンプには初参加だが、別のキャンプでヤグカオさんとはすでに顔なじみのピーちゃんは質問が大好きだ。解らないこと少しでも疑問に思ったことはどんどん訊く。これだけいろいろ質問できるということは、それだけいろいろ考えながら滑っているということだ。そばで見ていて偉いなぁと思う。ゼスチャーを交えて身体いっぱい使って話し続けてくれたヤグカオさんが語り疲れた頃、タイミング良くアヤちゃんが帰って来た。これでビデオが映るかどうか…。さっそくチェックをしてみる。しかし、ここで新たなミスに気づいた。ビデオは映るには映ったが、今度は私がミスをしたのだ。アヤちゃんが車を走らせている間に、ヤグカオさんの貴重なお話を撮ろうとあまり深く考えずに私はビデオの録画をしていたのだ。その前まで何とか画像を映そうと、宿の娘さんのパソコンまで引っ張り出してガタガタしていたのだから、テープがちょうど良く終わりで切れている訳がなかった。せっかく録画したみんなの滑りの画像の上にみごとに重ね撮りしてしまっていたのだ。ああー、みんなごめんなさい。一時はビデオクリニック中止という言葉まで出たが、運良くフリーラン数人と、ミニ・キッカーを飛んだものが数人残っていたので、それを材料にクリニックしてもらうことになった。数少ない素材を使って、それでも的確にアドバイスをしてくれるヤグカオさん。その途中にも、キッカーの脇に這いつくばる自分の姿を、獲物を狙っているライオンと言ってみたり、「今度バンダイから私の声で「エンヤートット!」とか「早いー!」と叫んでくれるマシンが発売しますから」とか、さらっと冗談を言う。常にどこかにそういう余裕を忘れない人だ。それにしても今回のキャンプ案内状にビデオ・クリニックとしっかりうたっていたのに…。ビデオに映ってなかった方に改めてお詫びを申し上げたい。

クリニックのあと、ヤグカオさんの私物を交えてスポンサーさんからのプレゼントを仲良くみんなで分けた。いつもならジャンケン大会などになるのだが今回は女の子だけの暖かキャンプだから、こんな分け方が似合っている。ヤグカオさんは自分の気に入っていたパーカーなども含めて、ビーニーなど数点を気前良くプレゼントしてくれた。ライダーの私物というのは新品よりも嬉しいものだ。ヤグカオさん!ありがとうございました。

翌日は朝からパークにチャレンジ!いいづなが取り組んでいる雪番長パークというパークのうち、ビギナー向けのトライ・ゾーン、別名「道場」と呼ばれる場所でボックスとキッカーの練習をした。いいづなはパークに力を入れていて、ボックスやレール、キッカーなどアイテムが実に豊富だ。すべてきちんと計算された設計をして、メンテナンスもしっかり入れているので転んでもケガをしにくい。さらにゾーンごとに振り分け、初心者から上級者までみごとに対応しているのが凄いところだ。

ヤグカオ・レッスンは希望者の多いボックスからスタートした。ビギナー・ゾーンにはテーブル・ボックスと呼ばれる長さ6メートル、幅1.2メートル、高さは30センチ程度の幅の広いボックスがある。普通サイズのボックスはだいたい幅50センチ程度。初心者はまずそこに乗るというだけで緊張してしまうから、こんなアイテムは入門者にはぴったりだ。
ヤグカオさんは昨日と同じように今度はボックスの入り口に待機して、「まだまだ!そのままチョッカリ~!」などとその人ごとに的確なアドバイスを叫んでくれている。そうやって見ていてくれる人がいると、自信を持って挑戦できる。硬いアイテム苦手!な私もかなりイケイケな気分で挑戦できた。といってもストレートで抜けるだけ、いわゆる50/50だけど…(笑)。

パーク系になって俄然勢いを得たのが質問好きのピーちゃんと10歳のミモちゃん。ピーちゃんは50/50ではいって→ロックする→戻してアウトをきれいに決めるし、ミモはキッカーでかわいくギャル・メソを決めたりする。うーん、2人とも本当にめちゃめちゃキュートでカッコいい!

レッスンはボックスに続いてミニ・キッカーにチャレンジ!最初からボックスには興味ないわとばかりに黙々とキッカーの練習を続けていたタカちゃんは、すでにジャケットを脱ぎ捨てプロテクターをあらわに寡黙にキッカーを飛び続けていた。その勇姿とも呼べる姿が凛々しく映る。

キッカーで飛ぶためにはオーリーを掛けることが重要だが、きのうの「エンヤートット!」ではリズムが3分割されるので、アヤちゃんのアドバイスもあり、それよりも「ギュータン!」でいきましょうと今日は2つのリズムで蹴りだす。
昨日と同じようにキッカーの脇に這いつくばったヤグカオさんが今日は「ギュー!ターン!」と叫ぶ。エンヤートット!も変な掛け声だがギュータンってやっぱり牛タンにしか聞こえないから、またまた怪しい集団と化してしまった。その他にも「天使の羽」だとか「原田」だとかここだけで通じるキーワードがいろいろ出てくる。

「もー、グラブしちゃえばー?」ヤグカオさんの口から私の前の腕の矯正について、そんな言葉が出た。どうしてもかぶらない前の手に対して強制(矯正?)グラブだ。しかし「そんな…」と思う。だってやっぱりマトモに超えられてないのにグラブは無理ですから!
案の定グラブは無理だったが、考え方としては何か掴めた。最後の最後に1本だけ会心のオーリーを決めたところで、午前の部終了。なんだかもう1日分はやった気分だ。

しかしこの日は午後も相当ハードに攻めた。午後一のメニューはグラトリからスタート!「まずは基本からね~」ということで、グラトリといえばやっぱりプレス!まずは比較的やりやすいノーズ・プレスのレッスンからスタートした。ポイントは体重を乗せるのは前足の腰あたりってこと。「似たような姿勢でもお尻が痛くなったら間違いだよー」とヤグカオさん。「え?痛いのお尻だよ?」「これじゃー間違いってコト?」みんな口々に確認しあって、16人の女の子がゲレンデで一斉にノーズ・プレス!きのうのオーリーレッスンも異常だったが、この光景だって絶対に異常なはずだ。ズリズリズリ~と後ろ足を引き上げながら斜め前方に進む。普通なら異常な上に迷惑なはずだが、実はいいづなはゲレンデが結構空いているのだ。メインゲレンデ以外ではこんなことをやっても、ちっとも周囲に迷惑を掛けないのがありがたい。
ノーマルのプレスができたら、今度はプレスしたまま180で戻して!とか、それじゃー普通に戻すのと180で戻すのをコンボで!とヤグカオさんのリクエストはエスカレートしていく。「ええ?コンボ~!?無理、無理!」といいながらもみんなとっても楽しそうにズリズリを繰り広げていた。
そのあとはいよいよパイプ。いいづなにはきちんとしたパイプはないがそのかわりビッグサイズのボウルと呼ばれる溝がある。長さ35メートル、リップまでの高さは5.5メートル。高い。普段ダレて開いたパイプしか入っていないから、この高さではリップどころかまったく歯が立たない。3本入って思ったことは「リップ遠いなぁ~」だった。恐らく半分も上がれないまま降りていたが、それでもあの壁に向かって身体が駆け上がっていく感覚は圧倒的だ。だが本物のパイプはもっと高くて長いのだ。やっぱりリップ抜けは無理かなーと思う。でも、あの壁を駆け上がって、その時見える景色がいつか見たい。絶対見たい。そう思った。

パイプを最後にヤグカオ・レッスンは終了となった。なんかまだ物足りないけど、そうだよね、これからみんなにはそれぞれ長い帰り道が待っているのだ。別れがたくてパイプの下でみんなヤグカオさんと2ショットや3ショットで写真を撮った。アヤちゃんが「来年もヤグカオ・キャンプに参加したい人~?」と訊く。全員が笑顔で手を上げてくれた。
さて、レッスンは終了したが実はキャンプはまだ終わりではない。このあとみんなで温泉に行くのだ。もちろんヤグカオさんも一緒に。向かったのは牟礼(むれ)天狗の湯という温泉だ。温泉までキャンプのうちに入っているところが、やっぱりいかにもdmkらしいでしょ?

高台にある温泉の湯船の大きなガラス張りの窓からは、遅い午後の空に雪山がゆったりと裾野を広げているのが見えた。その眺めに癒されつつ、なんだか凄い2日間だったなと思った。参加する前には尻込みしたくせに、考えてみればいつのまにか柄にもなく頑張っていた。
ヤグカオコーチのdmkWomen’s Campは、やっぱりすごくアットホームだったというひと言に尽きる。みんなが自然と頑張れる、そんな雰囲気があって、一人ひとりが本当にひたむきに目標に向かっていた。だけど決してスパルタではなくて、ライバルではなくて、誰もが楽しく頑張れたのは、ヤグカオさんの優しさと、温かさと、惜しみなく差し出してくれる愛情の深さによる力が限りなく大きい。そしてそれと同時にこのアットホームさのもう一つの大きな要因は、いつも思うことではあるが、dmkのキャンパーのみんなが、いつでも最高のキャンパーとして存在してくれるからだと思う。
そう、最後に一つだけ。来年もこのキャンプが企画されたら、何かひとつだけ目標を持ってヤグカオさんに体当たりで当たってみるといい。彼女は絶対に受け止めてくれるって、約束する。

心地いいお湯から出る前に、もうすでに軽い筋肉痛の出ている足を泳がせて大きな息をひとつついた。そして思った「明日の朝には筋肉痛、ひどいだろうなぁ…」って。

このキャンプのインフォメーション

日程: 2006年2月4日(土)~5日(日)(1泊2日)

キャンプ料金:¥29,800 (dmkクラブ員限定)
<宿代(1泊2食)、リフト代(2日券)、ランチ代(2日分)
コーチング代(ビデオクリニックもあるよ!)、帰りの温泉入浴券>

ツアー参加人数: 15名

開催ゲレンデ:いいづなリゾートスキー場(長野県上水内郡飯綱町)
http://www.iizuna-resort.com/ski/

宿泊施設:ペンション アリーゼの丘
http://members.aol.com/ariize/ariize/

コーチ:矢口 薫
同行スタッフ: アヤ、モリッペ

今回はしょうこねえ写真家による記念撮影集です
http://www.yukinchu.com/dmk/05-06/20060204yagukao/