カナダ記録的な猛暑でギブアップ寸前!グレーシアでのサマースノーボーディング夢は遥か遠くに…

カナダBC州が記録的な猛暑でギブアップ寸前!かつてこの時期にブラッコム・グレーシアで盛り上げっていたサマースノーボーディング夢は遥か遠くに…。同じ北米大陸の西海岸のサマースポット地として知られるマウントフッドでも、劇的に雪が溶けてしまってフリースタイルのパークを設置が困難となり、3日前の6月28日からクローズの事態に追い込まれた。週間天気予報は、この先もずっと晴れマークばかりが並び、再オープンができない状況が続きそうだ。

カナダ環境省によると、BC州のリットンでは月曜日に47.5度、日曜日に46.6度に達した後の昨日、火曜日の午後には49度を超える気温を記録した。記者が住むウィスラーでも記録的な猛暑で、人々はレイクに群がり、一方で日中にビレッジを歩く人の数がめっきり減っている。
かつてこの時期には、世界中からスノーボード好きの若者が集まり、ブラッコムのグレーシアでサマーキャンプを楽しみビレッジは賑わっていたものだ。しかし、近年の温暖化によりグレーシアの雪がなくなり、Tバーの設置ができなくなってしまったために、サマーキャンプの会社は軒並み倒産に追い込まれた。
かろうじて、一般スキーヤーやスノーボードが楽しめるサマースノーボーディングは、可能であったが、昨年はコロナの影響でクローズ。今年もコロナでクローズ。追い打ちをかけ、今回の猛暑でグレーシアでのサマースノーボーディングは絶望的になった。果たして、アフターコロナの来夏に、ブラッコム・グレーシアがオープンするのか、疑問だ。

以下の写真を見てほしい。これは、地元のテレビ放送局、CBCが伝えたものであるが、ブラッコムマウンテンのデッカーグレーシアというスポットでの撮影によるもの。2006年から2014年にこれほどまでに様変わりしてしまった。

https://www.cbc.ca/news/canada/british-columbia/decker-glacier-lake-at-whistler-a-sign-of-melt-to-come-1.2745216

かつてあなたが参加したかもしれないブラッコムのグレーシアの現状はどうなっているか、というと、以下のPODER電子版で取材された写真をチェックしてほしい。

https://www.powder.com/stories/news/iconic-horstman-t-bar-removed-due-to-glacier-melt/

このようなあり様で、その7年経った現在では、もっと雪がないことは確実。しかも、記録的な猛暑により、グレーシアの雪のエリアはますます減っているだろう。

バンクーバーから車で南下すること8時間。さらに車で3時間走らすと、そこはサマーキャンプの聖地と言われるマウントフッドがある。かつては、このスポットから様々なトッププロの写真が専門誌からリリースされた。お馴染みの真っ青な空をバックに、ライダーたちがカッコよくエアを決めている写真は、専門誌のカバーの定番でもあった。しかし、今、このフッドも厳しい状況となっている。

以上はマウントフッドのウェブカムの本日付け写真だが、これまでこの地に行った人ならわかるが、あきらかに雪の部分が少ないことに驚くだろう。また、景色もなんとなく淀んでいるのがわかる。これはおそらく山火事の影響によるものだ。この時期の北米では、山火事に悩まされる。もはや恒例の災害と言っていいだろう。ウィスラーでは、まだここまで淀んだ空ではないが、俄かにブルーが弱まった感もあり不気味な兆候だ。

先にご紹介したBC州の記録的な猛暑地となったリットン周辺でも山火事が発生。また、BC州の南中央部にあるカムループスでも不気味な煙が山から出ている。

幸い、まだ自分が住むウィスラー周辺では、山火事は起きていないが、もう時間の問題のような気がしてならない。明日になったら、空の青さは失わているかも。

不気味な兆候はそれだけではない。我々の飲み水も脅かされたのだ。すでにウィスラーでは「飲み水に気を付けるよう」というお達しが来ている。具体的には、免疫力が弱い人は、水道の水は直接飲まずに、沸かして飲むようにすること。果物や野菜を洗う時の水、氷を作る時の水、 歯磨きの水さえも沸騰して使うようにアドバイスしているのだ。

飲み水に危険が及んだ原因は、余りの暑さで氷河の雪が急激に溶けて、水質が悪化したことにある。濁った水を貯蔵水がコントロールできなくなってしまった。たしかに毎日、見ている裏の川が、クリーンでなく濁ってしまった。

ウィスラーには、何人かの日本人スノーボーダーも住んでいるが、彼らに取材してみると、「この猛暑でも日本よりはいい」という意見もある。というのも、凄く暑いとは言え、日本よりも湿気がなく、カラっとしていて朝晩には涼しい風も感じれるからだ。ラスベガスに行った人ならわかるが、まさにあのような感じ。メチャクチャに暑い。だけど、じっとりはしていない。

ただ、困ったことはこの時期、一年の内でも最も日照時間が長いこと。いつも8月くらいの暑い時期には、だいたい夜の8時くらいから涼しい風が入って来て、朝はひんやりするのがウィスラー。しかし、今の時期は10時近くまで明るくて、なかなか涼しくならない。さすがに夜中になると、だいぶひんやりした空気が入っているが、家を例にとれば1階のリビングは涼しくなっても2階の寝室はまだ暑く寝れる状況ではない。おそらくウィスラー住民の多くが似たような状況だろう。だから、借りている部屋が暑い間取りだと、「夜眠れずに困った」という人が増えているのだ。

そもそもカナダは涼しい国なので、エアコンを持っている人が少ない。実際、BC州では6割以上の家庭でエアコンがないと言う。だから、暑さに対応できずに、病院に運ばれる人が殺到しているのだ。「コロナ禍でさぞ病院は大変な状況だろう」と思われるが、BC州はワクチン接種が進んでおり、約8割の人がすでに1回目の接種済み。結果、本日のコロナ陽性患者は遂に30人を下回った状況だ。不幸中の幸いで、猛暑とコロナがギリギリで重ならなかった。

もっとも学校は、この猛暑によりあと数日で夏休みという状況で、閉鎖してしまった。おそらく猛暑でマスクもできないので、クローズしてしまったのだろう。

上にある放送局BBCニュースでも伝えているが、こうした猛暑は最近の気候変動によるところが大きいようだ。
実際、1か月ほど前のウィスラーでは、「記録的に晴天が少なかった」と言われていた。「春になってずっと温かい日が続いていたなあ」と思っていたら、ある日を境に今度は連日のような曇り空が雨模様。「早く夏らしい天気が来ないかなあ」と願っていたら、今度はその願いの予想を遥かに超える猛暑が、先週からやって来たのである。ちょうど1週間前は、「来た夏!サンシャインを楽しもう!!」なんてみんな喜んでいたけど、今ではすでに「もう、いい。危険過ぎる。早く雨を降らしてくれ」という気分だ。しかも、この猛暑は1週間先、さらには2週間も続くようなのだ。

猛暑により、赤く実ができるハズのベリーはホワイトになり、ウォールマートの棚から扇風機がなくなり、カナダの住民たちは今、大きな不安に悩まされている。

ともかく、こんな状況だから、もうグレーシアでのサマースノーボーディングは、夢の中の夢。遥か遠くに行ってしまった感覚がある。
濁った水の影響からか、記者のお腹の調子もなんかおかしく感じになって来たので、そろそろこのへんで筆を置きたい。