カルガリーW杯ハーフパイプ3戦目 ホスキングが母国初優勝、グセリが復活の頂点へ

@FIS Snowboarding
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――日本勢は男子で連続表彰台記録がついに途切れる

2026年1月4日(現地時間)、カナダ・カルガリーで開催されたFISスノーボード・ハーフパイプ ワールドカップ。地元カナダのエリザベス・ホスキングと、オーストラリアのヴァレンティノ・グセリが、それぞれ女子・男子で優勝を飾った。

目次

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ホスキング、母国の雪で歴史的勝利

女子決勝では、24歳のエリザベス・ホスキング(CAN)が地元ファンの大声援に応え、見事な滑りでキャリア初のW杯優勝を達成。これは、2002年9月にマエル・リッカーがチリ・バジェネバドで勝利して以来、実に23年以上ぶりとなるカナダ女子の“ホーム雪”でのハーフパイプW杯制覇となった。

ホスキングは1本目で82.50点をマークし、そのまま首位をキープ。多くの選手が2本目でスコアを伸ばせない中、この点数が優勝を決定づけた。

優勝ランでは、
フロントサイド720メラン → ハーコンフリップ720ミュート → FSコーク540 → BS540 → そして最後はビッグなFS900メランと言ったルーティーンでクリーンにメイクし、初の世界一の座を掴み取った。

「母国で、しかも初優勝なんて信じられない。言葉が出ません」とホスキング。
さらに「マエル・リッカーはハーフパイプでもボーダークロスでも伝説的存在。その名前と並べられるのは本当に光栄」と語り、カナダ女子スノーボードの系譜を感じさせるコメントを残した。

2位は中国の呉紹桐(77.25点)、3位はスイスのイザベル・ロエッチャー(76.00点)。ロエッチャーの表彰台は、長年日本とアメリカが支配してきた女子ハーフパイプにおいて、ヨーロッパ勢が久々に存在感を示す結果となった。

男子はバレンティノ・グセリが完全復活

男子決勝では、オーストラリアのバレンティノ・グセリが87.75点を叩き出し優勝。2024年大会に続き、カルガリーでの2勝目となった。

グセリは、
BSアリーオープ360 → キャブ・ダブルコーク1080 → FS1260 → BS720 → スイッチBS900
という超高難度構成をクリーンにまとめ、他を圧倒。最後の滑走者として勝利を決めた後は、観客を沸かせる“ビクトリーラン”も披露した。

「今週このパイプで一番楽しいランだった。最高の形で終われて嬉しい」とグセリ。
昨季は膝のケガに苦しんだが、今大会で完全復調をアピールした。

2位はスイスのダビド・ハブルッツェル(80.00点)。37戦目にして初のW杯表彰台という努力の結晶だ。3位にはパトリック・ブルゲナーが入り、ブラジル人ライダーとして初のFISパーク&パイプW杯表彰台という歴史的快挙を成し遂げた。ちなみにパトリックは、元々スイス人ライダーとして活動していた選手。

日本勢、男子ハーフパイプの記録がストップ

一方、日本のスノーボードファンにとっては悔しい結果もあった。男子ハーフパイプでは、嶋﨑珀が5位と健闘したものの、日本人選手が表彰台を逃すのは実に30大会ぶり。これまで続いてきた驚異的な連続表彰台記録が、カルガリーでついに途切れることとなった。若手中心の編成で臨んだ今大会は、将来性を感じさせる内容だった一方、表彰台に届かなかった悔しさも残る結果となった。

ただし、日本のトップ3を形成し、五輪出場が確実視されている平野歩夢、戸塚優斗、平野瑠佳といった主力選手は、今大会の出場を見送っている。その点を踏まえれば、今回の結果は日本勢の実力低下を示すものではなく、次世代の経験値を高める重要な一戦だったとも言えるだろう。

その他、日本勢の男子では、決勝に進んだ杉崎大翔が9位、菊地原小弥汰は10位だった。

五輪へ向け、残りは2戦

カルガリー大会を終え、ミラノ・コルティナ2026冬季五輪開幕(2月6日)まで、ハーフパイプW杯は残り2戦。

  • 1月7〜10日:トヨタUSグランプリ(アスペン/USA)
  • 1月15〜18日:ラクス・オープン(スイス)

ラクス大会の翌日、1月19日には五輪出場枠配分リスト(オリンピック・クオータ)が発表される。
各国・各選手にとって、まさに一戦一戦が運命を左右する重要な局面に入った。

母国の歓喜、復活の勝者、そして日本勢の新たな挑戦。
カルガリーW杯は、五輪イヤーのハーフパイプ戦線を占う象徴的な大会となった。

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