今では日本国内を飛び越え世界に高い影響力を持つライダー、平野歩夢。
彼のハーフパイプを滑る姿は、海外では「スリーピー・スタイル」と言うことがある。
スリーピーというのは「眠い」という意味だが、無論、歩夢の滑りが眠いわけではない。その意味は、まるで滑っているライダー自身がまったく力んでいる様子ではなく、リラックスしているように見えて、スリーピー・スタイルと言われているのだ。
その彼のスリーピー・スタイルを実現させている板こそ、1996年からバートンがリリースし続けているCustom(カスタム)という名機だ。
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同じハーフパイプのライダーでは、より板の反発力が高そうなCustom Xを愛用する傾向が強い。
しかし、歩夢はずっとCustomを愛用し続けている。
Custom Xは、カーボンのトーションが入った強者。対してCustomは、よりソフトフレックスという面を持つ。
ビンディングに関してもそうだが、平野歩夢は固い足回りよりも、多少遊びがあり、自らのライディング能力でパフォーマンスを発揮ができるCustomを愛用し続けているのだ。
一般スノーボーダーにとってこのCustomの恩恵は、やはり乗りやすさ。どんどんかっ飛ばして、空中に運んでくれるCustom Xと違って、自らのテクニックや脚力に応じてライディングできるCustomは、これまで多くのスノーボーダーを虜にして来た。
自らのアクションを素直に表現してくれる板、それがカスタムという板なのかもしれない。23年以上もスノーボーダーを幸せにしくれる名機である。
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