未来のスノーボードのブーツとビンディング着脱を決めるのはどのシステム?

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未来のスノーボードのブーツとビンディングの着脱を決めるもはどのシステム?

Burton Step On VS Nidecker Supermatic VS CLEW Bindings

普段、ステップオンなどのイージー着脱システムを使用していないスノーボーダーは信じられないかもしれないが、将来的にはゲレンデで100パーセント近い人が、使う可能性が高まって来た。
何よりビンディングへの装着が早いし、屈むことなく、あるいは座ることなく、簡単に着けれるのだから便利である。特に身体が大きい方など、屈むのが苦手な人には、便利なことこの上ない。

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現在の市場では、Burton Step Onが先陣を切ってすでに多くのファンを獲得しているが、Nidecker SupermaticCLEW Bindingsも引き離れないように追撃している。果たして、未来のスノーボードのビンディング脱着システムを決めるのは、どのシステムだろう?

まずは、各システムを理解するために、最近、オーストリアの小売店Brundl Sportsがアップしてくれた、この動画をチェックしてほしい。
最初に出て来るのが、Nidecker Supermatic、次にすでにお馴染みのBurton Step On、そして最後はあまり馴染みがないCLEW Bindingsだ。


こうして並べた動画を見てみると、ひじょうに興味深い。各システムの特徴がだいたいわかる。
Burton Step Onは、Step On専用のブーツにしか対応していないが、Nidecker Supermaticどんなブーツでも対応している。そういった意味では、Step Onよりも優れたシステムのように見える。
ただ、現状、「重い」という意見もあるので、果たして将来的にイージー脱着システムの天下を取れるのかは微妙。システム自体の可能性としては、現在、世界中で販売されているブーツに対応できるのだから、優秀と言えるだろう。

CLEW Bindingsはどうだろう?ちょっとわかり難くかったかもしれないので、以下の動画もチェックしてほしい。

いやいや、これも凄い。ひじょうに画期的だ。ハイバックは付いたままだが、そのままステップ・オン(乗って)装着できるのだから!外す時もカカト側にあるリングを引っ張るだけで簡単。
ただ、ちょっとケチをつけるなら、このハイバックが常に付いているので、そのへんがちょっとヤボったいデザインというか、重たい印象も受ける。

さらに最近、Nideacker Snowboards Japanのインスタから、Supermaticに関する機能説明がアップされたのでそちらもシェアしておきたい。以下の2つの投稿をチェックすれば、Supermaticの全容が理解できる。

1: HEEL PEDAL
ヒールペダルがハイバックとストラップを閉じる動作をスタートさせ、最終段階まで踏み込むとロックされます。ペダルの裏側には凹凸があるので、ある程度の雪を排除してくれます。多くの雪がついているようでしたら、手で雪を除去してください。ロックはセキュリティを考慮し、3段階でのロックシステムになっています。

2: HEELCUP ROLLER
ヒールカップローラーはブーツの踵とヒールカップとの摩擦を軽減し、ブーツを上下に導いてくれます。とてもスムーズな脱着を経験してください。

3: RELEASE LEVER
ロックを外すには、リリースレバーを押してください。同時にブーツを引き上げれば脱着ができます。レバーは内側に配置されていますが、これは人間工学的に楽な姿勢でのリリースを可能にし、ライディング中の余分なダメージなどを軽減します。リリースレバーは必ず手で操作してください。

4: HYBRID STRAPS
通常の2ストラップのように機能するHybridストラップはアンクルとトウストラップを連結させることで、ストラップが動き回ることを防ぎ、簡単な足入れを可能にしてくれます。そして連結させることでストラップの力伝達を高めてくれるので、通常よりも少し緩く設定してもライディングが可能です。

5: ACTIVE STRAPS
ハイバックを後ろに倒すとストラップは自動的に前側に開いてくれます。そうすることでライダーはスムーズな脱着が可能になります。ストラップは最初にセットした締め具合で毎回ブーツを包み込んでくれます。

6: RECLINING HIBACK
リクライニングハイバックが最も素早いオートマチックエントリーシステムを可能にしました。後ろにフルに開閉してくれるので、楽な足入れが可能です。

7: SLIP-N-GRIP PLATE
このフットベッドはブーツのアウトソールとの摩擦を軽減してくれます。そうすることで容易な足入れ、足抜きを可能にします。
好評な2.5° Bankbedも採用されています。

8: BASEPLATE MATIC-SERIES
これまで激しいテストに耐え抜いてきたナイロン・ガラス配合のAxisベースプレートをベースに新しくDrop-In Technologyを可能にするパーツをプラスし、作られています。今まで同様にマルチディスクが採用されています。全てのスノーボードとも互換性があります。

9: LSR BUCKLES
Locking Slap Ratchetバックルは自分が設定した締め込み具合でロックします。一度ロックすれば一日中同じ締め具合でオートマチックなライディングを楽しむ事ができます。またラチェットを通常の2ストラップバインディングのように使用する事も可能です。



自分は、普段、カナダのウィスラーでインストラクターをしているので、実際に生徒さんに使い心地を取材し続けている。
かつて、Burton Step Onは、つま先が部分が狭いとか、固いとか違和感があるというような声も聞かれたけど、今はあまり聞かない。ほぼみなさん「調子いい!」と言っている。
先日、CLEW Bindingsの方にも聞いてみたけど、「こんなに調子いいシステムはない!」と満足していた。

ここまでの話をして、おそらくBurton Step Onには汎用性がないという印象を受けたかもしれないけど、一応説明しておくと、現状ブーツはBurtonの他、DC、そしてNitroが参加している。
さらにビンディングだと、Fluxも参加しているのだ。
これって、凄いことではないだろうか。スノーボードのトップブランドたちがこぞってStep ONシステムに参加し、未来に託しているのだ。

みなさんは、どのシステムが将来的に残ると思いますか?

ちなみに自分は、今まで通りのシステムに愛着があり、安心感があります。5年後、いや10年後かな。現在のオーソドックスなシステムを使っているのは、自分だけになったりして!?

コラムニスト・飯田房貴
1968年生まれ。東京都出身、カナダ・ウィスラー在住。
シーズン中は、ウィスラーでスノーボードのインストラクターをしており、年間を通して『DMKsnowboard.com』の運営、Westbeach、Sandbox、Endeavor Snowboards等の海外ブランドの代理店業務を行っている。日本で最大規模となるスノーボードクラブ、『DMK CLUB』の発起人。所属は、株式会社フィールドゲート(本社・東京千代田区)。
90年代の専門誌全盛期時代には、年間100ページ・ペースでライター、写真撮影に携わりコンテンツを製作。幅広いスノーボード業務と知識を活かして、これまでにも多くのスノーボード関連コラムを執筆。主な執筆書に『スノーボード入門 スノーボード歴35年 1万2000人以上の初心者をレッスンしてきたカリスマ・イントラの最新SB技術書 』『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』がある。
今でもシーズンを通して、100日以上山に上がり、スノーボード歴は38年。
スノーボード情報を伝える専門家として、2022年2月19日放送のTBSテレビの『新・情報7daysニュースキャスター』特集に、また2022年3月13日に公開された講談社FRIDAY日本が「スノーボードの強豪」になった意外な理由にも登場。
インスタ:https://www.instagram.com/fusakidmk/
ツイッター:https://twitter.com/dmksnowboard


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