五輪スノーボードを管轄するFISが遂に正式名称に「Snowboard」を加えた!
先週イタリアのミラノで行われた会合で、これまでの名称International Ski Federationから、International Ski and Snowboard Federationすることを決定!
FISがこれまでスノーボードをスキーの一部と考えていた理由
これでやっとのことで、スノーボードはオリンピック種目の中で、スキー競技でなくなる!?
1998年に突如、長野オリンピックが決まった時、IOC(国際オリンピック委員会)はスノーボード競技の管轄をFISに任せた。
というのも、新種目を行うにはトライアルがあり、その上で公式種目となるというルールがあったからだ。
スノーボードをスキー競技の一部として行えば、トライアルなしでできるという考えである。当時、急速に若者の間で人気が高まり、お金を生むスノーボードをオリンピック競技に入れたいという思惑が発揮された。
その時代、スノーボードの方でもISFという国際的な大会組織はあったのだが、まだ組織としては軟弱な状況であった。ISFというのは団体ではあったが、ボクシングやプロレスのように、イベント団体のようなものであった。現在のX GAMESのような存在である。実際には、日本だけJSBAという育成機関もあったのだが、いかんせん日本だけではどうしょうもない。おそらく長野オリンピックでスノーボードを行わずに、次の2002年ソルトレークシティーオリンピックで行えば、ISFをそこに合わせて成長した可能性はあった。しかし、FISは強引な形で長野でスノーボード種目を強行。その背景には、西武鉄道グループの元オーナーの堤 義明氏の影響もあったのかもしれない。何しろ当時の堤氏は、世界一の富豪で苗場などはじめとするプリンス系のスキー場、ホテルを所有していたので、話題となるスノーボード種目がほしかったというのもあっただろう。
当然、当時のISFサイドはFISがスノーボードをスキー種目として行うことに憤慨。当時のプロ・スノーボーダー関係者たちも怒った。その象徴は、この時代の絶対王者テリエ・ハーコンセンのボイコットだろう。
しかし、ISFで競技運営を指揮していたテッド・マーティン氏をFISは引き抜くことに成功し、長野オリンピックでスノーボードの最初の種目、スーパー大回転とハーフパイプが行われたのだった。
あれから、24年の歳月が経ち、遂にFISは名称に正式名称に「Snowboard」を加えて、International Ski and Snowboard Federationにしたのである。FISの歴史にとっては、99年目。まさに残り一年で100年目という節目という時期に!
以下は、FISが発表した公式リリース内容。
FISからの公式メディアリリース内容
先週の金曜日、ミラノ(イタリア)でFIS会合が開催され、多くの重要な決定がなされました。
We are Snowboard(私たちはスノーボードです)
約99年の歴史を持つ世界有数のスノースポーツ統括団体に新しい名称が与えられました。
画期的な決定として、総会は国際スキー連盟の名称を国際スキー・スノーボード連盟(International Ski and Snowboard Federation)に正式に変更し、1994年以来ワールドカップの目玉となってきたこの種目をついに公式名称に含めることを決議しました。
FISという名称は国際的なスポーツ界で広く認知されているため、組織名はFISのままですが、正式名称に「Snowboard」が追加されました。
この名称変更の背景には、興味深い歴史があります。
2021年の臨時大会では、FISの正式名称を変更するために2つの案が提出されました。”国際スキー・スノーボード連盟 “という選択肢と、”国際スノースポーツ連盟 “という選択肢があったのです。結局、2つの選択肢とも名称変更に必要な2/3以上の票を獲得できなかったため、今シーズンは国際スキー連盟のままとなっていました。
2022年の大会では、旧名称に代わる選択肢として、「国際スキー・スノーボード連盟」一択の案が提出された。そのため、第53回国際スキー連盟大会の代表者たちは、この名称変更に投票し、承認することを明確に決定した。
FISは、2022/23年の99回目のシーズン、そして2024年2月の100周年記念式典に向けて、新しい名称とともに、スキーとスノーボードにとってさらに明るい未来を見つめています。
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