文:飯田房貴
元カナダのナショナルチームの選手で、各国のナショナル・コーチングにも精通しているダン・レイモンドと先日のエックスゲームスでの平野歩夢のランについて話した。
「あの演技、なんで99点だったんだろう?ストレートエアーでちょっと手がバタついたのが理由?」
「いやいや、違うよ。だって、歩夢は最後の走者じゃなかったから。一応、万が一に備えて、1点余裕をもたせただけ。
あきらかに、先日のショーンのライディングよりも上で、1440のコンボはショーンも見せたことがない。
何よりその後のバックサイド1260のクオリティ!あれは、ショーンは出せないと思うよ。
何があるのかわからないオリンピックだけど、歩夢がショーンに負けることはないだろう。
ショーンが歩夢に勝てる要素があるとしたら、高さかな。」
あっ、そういうことか!
減点方法のスノーボード 加点方法のフィギュアスケート
フィギュアスケートの歴代最高得点は、羽生結弦の330.43。
一方、スノーボードの最高得点は、ショーン・ホワイトの100.00。
その意味するところは、スノーボードは減点方法であり、フィギュアは加点方法ということ。
以前、元ナショナルチーム綿谷氏のインタビュー「知ればもっと楽しい!五輪ハーフパイプ・ジャジング/綿谷直樹」でも紹介したが、スノーボード大会の得点は、あくまでも各選手の順位をつけるもので、その得点自体はあまり意味がないものだ。
あのエックスゲームスでは、その後、スコッティ・ジェームスの滑走が残されていた。
平野歩夢のランを見たジャッジ陣は、スノーボードのハーフパイプ史上、歴代最高ランということを確信したハズ。
ジャッジ陣は、万が一その後の滑走者のスコッティが、とんでもない隠しワザを披露した時のことを備えたため、1点減点で対応したのだ。
しかし、大方の予想通り、そのまま平野歩夢が優勝!
ショーン・ホワイトの100点満点を出したケースは、ショーンは最後の勝者だったからできたということなのだ。
多くの人が勘違いしているけど、平野歩夢の99点がショーン・ホワイトの100点より上の理由はそういうことなんです!!