昨日に続いて、五輪出場に期待が掛かる広野あさみをクローズアップ!
今日は、モンスター級フロントサイド720に挑戦してくれた。
Photo&Story: Fusaki IIDA [email protected]
雲一つないブルースカイ。その空の青さと言ったら、あまりにも濃い。空と宇宙がつながっていることを思い出させてくれるかのようだ。カナダ特有の青空は、思う存分に飛んでくれ!と言っているかのよう。
しかし、巨大キッカーのXLくんは、ちょっとご機嫌斜め。連日の猛暑で悲鳴を上げていた。
スピードが乗って最も板の安定感を出したいアプローチ・ポイントのところに、土が出ていたのだ。しかも、そのへんはデスクッキー(注:圧雪車から出る残骸の雪玉)が散らばりガタゴト。これほどの巨大キッカーを作ってしまうのもカナディアンだが、こういうところを整備しないのもカナディアン。相当の苦戦が予想された。
ジャンプ前、イメージを固めるあさみ。彼女をサポートするバインディングは、FLUXだ。 |
そんな悪状況の中、朝一発目でいきなり飛んじゃった!普通、一発目はキッカーのリップまで滑って下見をするものだけど。
案の定、アプローチでやられて、「危ない!」と思った。だが、空中で手をクルクルさせながら、なんとかリカバリー。
この度胸の良さが、彼女の真骨頂。不器用ながら、スイッチオンの早さが凄い。世界に行くポテンシャルの高さを感じた。
ストレートに飛んだ後は、フロントサイド360、スイッチバックサイド360などでウォーミングアップ。XLサイズ・ジャンプの下にあったLサイズ・ジャンプも使ってアップしていた。
それから、フロントサイド540を鮮やかに決めて、バックサイド540をつなげる。これは、着地でミスったようだが、次のランでフロントサイド720に挑戦!後ろで見ていたスキーヤーからも「イエーイ!」の感性が上がった。
そりゃそうだろう、モンスターサイズだし、2回転だし、しかも女性なのだから。結局のところ、今日もガールズで飛んでいたのは、スキーヤーを合わせても広野あさみだけ。
しかし、このモンスター級のフロント7、何度もトライするが着地が決まらない。
撮影者側から見ると、空中での安定感の高さなど申し分なく思えるのだが。
そこで、あさみに撮影したシークエンス写真を見せてみた。何かのヒントになれば、と思ったのだ。すると、「フラット過ぎる。」と一言。斜め軸、コークを入れないとランディングが決まらないという。オーバーローテーション気味で、着地で流れてしまうようだ。
気づくと、午後2時を回っていた。暑さにより急激な雪解けでアプローチはどんどん悪くなってしまった。残念ながら、この日のモンスター7への挑戦は終わりを告げた。
この撮影が終了し、申し訳なさそうに、カメラマンたちに謝罪するあさみ。
しかし、僕は気にしなかった。こうして彼女の成長過程を見ることができたし、この時代の広野あさみを知ることで、今後のサクセス・ストーリーをよりディープなところまで理解できるだろう、と思ったからだ。
広野あさみの長い春は、まだ終らない。この悔しさをバネに、明日からも果敢にチャレンジしていくだろう!
広野あさみのワンポイント・ドリル!
今日も元気にビッグエアーにチャレンジしてくれた、広野あさみのワンポイント・ドリル!「ドルフィンターン」を紹介します。
このドルフィンターンは、まるでイルカが海を跳ねるように、ボードを操作。
ショートターン技術を向上させ、コブやパウダー、さらにリカバリー能力もアップ!
前足から後ろ足の体重移動、さらにトゥサイドからヒールサイドへの切り替えを同時に行うターン・テクニックが必要。
スノーボーダーに必要な足裏感覚も向上させ、ジャンプでのアプローチやランディングの向上も期待できます。
Dolphin turns is a great move to practice to become better at short turns, bumps, powder and recovering.
The rider is Asami Hirono a slopestye competitor in the FIS World Cup.