【コラム】新しいコロナ時代のスキー場運営

文:飯田房貴 fusaki@dmksnowboard.com

昨日のフサキ日記でも紹介したのだけど、昨日、久しぶりにウィスラーの山に上がりました。
見ての通り、海外からのお客さんを迎えることは難しい中でも、マウンテンバイカーたちで結構な混雑ぶりです。

雄大な景色を見て気分が良かったのだけど、そこで新しいスキー場の運営方法を考えていました。

まず、ちょっとショッキングだったのは、ゴンドラ付近で、イントラ仲間がリフト券チェックをしていたこと。
彼は、冬の間はスノーボードのインストラクターとして働き、夏場はマウンテンバイクのインストラクターもしているのですが、この夏は、イントラ業務がないようで、臨時的なワークをしていたのです。

コロナ時代、人とコミュニケーションを取りながら、スノーボードを教えるイントラワークは、なくなるのでしょうか?

ウィスラー、ブラッコムにとって、スキー、スノーボードのスクール業務というのは、最も利益を出す優秀な部門だけに、さすがになくすようなことは考え難いのですが。
もしかしたら、山はスタッフにフェイスマスクを支給したり、体温管理するなど、何かしらの対策やルールを作るように思います。

以上の写真は、リフト券売り場のところ。
2メートル間隔で並ぶように、線が引いてあります。
自分たちはタイミングよくオープン前に並んだので、それほど待たずに済みましたが、チケット買った後に、振り返ると、列はずっと長くなりました。
間隔を空けるので、それだけスペースも必要です。

ウィスラーというのは、パウダーの日にはスキー場のゴンドラ乗り場から、100メートル以上離れたバス停まで、長い列ができることがあります。
このコロナ対策時代、果たして列はどこまで長くなってしまうのだろう、とちょっと心配になりますね。

ゴンドラには、知らない人同士では乗れません。
1家族、1ゴンドラです。
もちろん友達など、いっしょに山に上がる仲間と上がることは可能です。
だけど、今後、シングルで上がりたい人とか、どうするのでしょうか?
みんなの冷たい視線を浴びながら、一人でゴンドラを独占!?

ウィスラーとブラッコムを結ぶピーク・トゥ・ピークのゴンドラは、20人以上乗れる巨大ゴンドラでありますが、ど真ん中にシールドがありました。
おそらく、この処置は、2家族で1つのゴンドラをシェアするような形になるのだと思われます。
それにしても、ここでもスペースを空けるために、通常では考えられない小人数しか乗ることができません。
忙しい冬の時期、どれだけゴンドラ待ちになるのか?

山の上のレストランでは、これまであった温かい食事は一切なし。
コーヒー、ホットチョコレートのような飲み物と、クッキーなどのスナック類があるだけでした。
いっしょに山に上がった娘は、いつも山の上でいただくフライドポテトを楽しみにしていたのですが、なくて残念がっていました。

昨日の日記でも紹介しましたが、レストハウスの席の感覚は空けています。
しかも、食べたものは、自分で片づけてはいけないルール。
おそらく、係の人が片づけて、その後、消毒などするためだと思います。
ここでもひと手間を掛けた仕事が発生しています。

僕は、20年ほどスノーボード代理店の仕事もしてきたので、これまで海外からやって来るライダーや、メーカーの人を日本に招いてアテンドしたこともあります。
その時、彼らが必ず言っていたのは、「日本では、なぜこんなにマスクをしている人が多いのか?」ということです。
欧米人にとって、口元を隠すマスク姿は、奇妙に見える光景だったのです。

だから、100円ショップでマスクを見つけると、「これぞ、まさに日本のお土産!」とばかりに、喜んで買っていました。
それで、早速、マスクを付けて、街を歩きだして記念撮影をするのです。

だけど、今ではどうでしょう。もうカナダでも、あたり前のマスク姿。
今回のコロナ騒動で、人間の習慣というのは、ここまで変化するのか、と驚くばかりです。

ただ、カナダは日本ほどマスクを徹底していない面もあります。
一部のスーパーマーケットや公共の乗り物では、マスクの義務化はあります。またお店やレストランで働くスタッフは、マスクをしています。

だけど、普段、ウィスラーを散歩していて、マスクしている人はあまり見かけません。
ビレッジで歩いている人も、多くの人はマスクはしていません。
このへんに日本人とカナダ人の違いはあります。

最近、「なぜ日本だけ世界に比べて、感染者が少ないの?」
ということが話題になりますが、結局のところ、このへんの衛生に関する徹底して行う差が「原因かも?」と考えています。
日本人は、欧米人のように、シャワーで済ませないし、家の中では必ず靴も脱ぐ。
今回のコロナを通して、改めて日本人のルールを守ろうとする国民性、衛生面の認識の高さを感じました。

このような衛生的で規律正しい日本人が、これから向かうシーズンに対して、どのようなアプローチをするのか。スキー場の対応などに、興味があります。
外国人のお客さんは迎えられないシーズンとなりますが、外で遊ぶ健康的なスキーやスノーボードを通して、今一度ウィンタースポーツの魅力を伝えるチャンスのシーズンになるよう、心から願っています。

コラムニスト・飯田房貴
1968年生まれ。東京都出身、カナダ・ウィスラー在住。
シーズン中は、ウィスラーでスノーボードのインストラクターをし、年間を通して『DMKsnowboard.com』の運営、Westbeach、Sandbox等の海外ブランドの代理店業務を行っている。日本で最大規模となるスノーボードクラブ、『DMK CLUB』の発起人。所属は、株式会社フィールドゲート(本社・東京千代田区)。
90年代の専門誌全盛期時代には、年間100ページ・ペースでライター、写真撮影に携わりコンテンツを製作してきた。幅広いスノーボード業務と知識を活かして、これまでにも多くのスノーボード関連コラムを執筆。
今でもシーズンを通して、100日以上山に上がり、スノーボーダー歴は35年。