【コラム】カナダでは考えられない高校生スノーボーダーのヘルメット付けておらず重症事故

ゲレンデでスノーボーダー同士が衝突 男子高校生がくも膜下出血で重傷 ヘルメット着けておらず
そんな事故が、またしても長野県で起きてしまいました。以下、FNNプライムオンライン記事リンク。
https://www.fnn.jp/articles/-/158247

記事によると、スキー場コース内でスノーボードをしていた大阪府の36歳男性会社員と埼玉県の18歳男子高校生が衝突し、高校生の方が後頭部を強く打つなどして病院に搬送され、症状の方はくも膜下出血で重症となっているとのこと。

これまでにもDMKでは、こうした事故のこと、ヘルメットの重要性を何度も伝えて来ましたが、またしても悲しい事故が起きてしまったので再び伝えます。このスキー場でのヘルメットをかぶらない人の異常な多さの景色を変えるためにも、これからも伝えていきたいと思います。

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カナダのスキー場のルールでは、18歳以下の若い人のヘルメットは義務化されているので、そういう事故を聞かなくなりました。
しかし、カナダでも以前に高校生の頭部での事故ニュースがきっかけとなり、義務化されていった歴史があります。

現在では、日本のように小学生・中学生のスキー学校でヘルメットをかぶらない風景など考えられないことで、子供へのヘルメットをかぶせることは徹底されています。

それは、おそらく18歳以下の若者にアルコールやタバコが禁止されているようなルールと同じ認識でしょう。まだ分別できない年齢の若者には、ルールで縛るしかない、という考えもあるのだと思います。

カナダでのスキー場の従業員のヘルメットは、義務化を徹底されており、ウィスラーではシーズンはじめに全従業員のヘルメットの安全基準もしっかりとチェックされます。そのヘルメットが国際的に認められている安全基準の製品かどうか、というところまでそれぞれの部門のマネージャーがチェックしているのです。

また3年に一度、ヘルメットが無料支給される上に、従業員がヘルメットを購入する時には、半額以上の割引を受けられるようにもなっています。
スキー場というカンパニーが、ヘルメットを徹底的に押し付ける代わりに、その費用もしっかりとサポートしている形です。

「日本だとお客さまの安全確保やサービスが第一に大切!」という考え方になっているかもしれませんが、カナダでは「まずは働く従業員をまず守る!」という考えが徹底されているのです。従業員の安全、次にお客様の安全という順番です。そのため従業員を守るルールやサービスが高まっています。

例えば、会社は従業員の理学療法の代金をサポートしたり、安全のための情報を提供したり、その情報はエクササイズから食事療法など多岐に渡ります。その安全基準の判断において「ヘルメットを付けさす」ということが徹底されます。

従業員がヘルメットを率先して付けている結果、そのカルチャーが一般の人にも伝わりやすくなっているのです。
当然、スキースクールに来るお客さんにはヘルメットをすることが推奨されるし、今ではもうスキー場の90パーセント以上の人がヘルメットをかぶっています。

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今の日本のスキー場のヘルメット率の少なさはかつてカナダ人がマスクしないことと同じように奇妙に見える

かつて2月のスノーボード展示会シーズンになると、僕は海外からのお客さん(メーカー関係者や代表など)、プロ・スノーボーダーたちを招いていたことがありますが、その時によく聞かれていたことがあります。

「なぜ、日本人はこれほどまでにみんなマスクしているの?」

冬になってもマスクなどしたことがない彼らにしたら、異様な光景だったわけです。
特に外国人は、笑顔でコミュニケ―ションする方が多いので、マスクをされるとちょっと違和感もあるし、ややミステリーというか警戒されている印象もあったのでしょう。

だけど今のコロナ禍のカナダでは、あたり前のようにみんなマスクをしています。
あの時、日本に来て奇妙に見えたカナダ人たちも、今ではどれだけマスクが大事であるかわかっただろうし、日本人の衛生に対する関心度の高さが理解できるようになったことでしょう。

それと同じように、いつか日本人は今スキー場でヘルメットをかぶっていないことの奇妙さに気づく日が来るのではないでしょうか。

だけど、それが衝突事故を起こして重症してからでは遅い。まして、死んでからでは遅いのです。

あなたは、モーターバイクに乗る時にヘルメットなしってどう思いますか?
ゲレンデでも、60キロ以上で飛ばして滑っている人は多いですよ。
しかも、街の交通網と違ってルールを知らない人がほとんどです。
たくさんの子供連れが多いファミリーゲレンデのようなところでも、平気ですっ飛ばしていくスキーヤーやスノーボーダーもいますよね。

楽しく滑っていたら、後方の方から飛ばして来たスキーヤーの気配が近づいて、ヒヤッとした思いをしたことありませんか?
人は集中し過ぎると、視界が狭くなって周りの景色が見えなくなることがあります。
しかも、ゲレンデは道路のように時速何キロ以上を出してたら、おまわりさんに捕まるということがないので、本来なら飛ばすようなところでもないところで飛ばしてしまうマナーの悪い人もいます。つまりあなたは悪くないような立場であっても、後方から突っ込まれることだってあるのです。
スキー場で滑っているスキーヤーやスノーボーダーたちは、運転免許なんて持ってないし、それぞれの安全基準を適当に持っているだけで、滑っているから、毎日どこかで危ない事故やもう少しで事故になることだったということが起きているのです。

僕自身、スノーボードを35年間やって来て、衝突事故や安全に関する認識の弱さに反省することもあります。

つまり、スキー場はそういう場所なので、重症事故や死亡事故を減らすためにもヘルメットはかぶった方がいいのです。

これも何度も伝えて来たことけど、ヘルメットをしたからと言って完全に死亡事故や重症事故を無くすわけではない。その確率を下げるだけなので、過信は禁物。マナーとして、大切な自分や家族を守るためにも、ヘルメットをかぶりましょう!ということです。


※こちらのページにご紹介しているヘルメットのメーカー(広告)は、世界的なスノー安全基準を満たしています。

コラムニスト・飯田房貴
1968年生まれ。東京都出身、カナダ・ウィスラー在住。
シーズン中は、ウィスラーでスノーボードのインストラクターをし、年間を通して『DMKsnowboard.com』の運営、Westbeach、Sandbox等の海外ブランドの代理店業務を行っている。日本で最大規模となるスノーボードクラブ、『DMK CLUB』の発起人。所属は、株式会社フィールドゲート(本社・東京千代田区)。
90年代の専門誌全盛期時代には、年間100ページ・ペースでライター、写真撮影に携わりコンテンツを製作。幅広いスノーボード業務と知識を活かして、これまでにも多くのスノーボード関連コラムを執筆。最新執筆書『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING
今でもシーズンを通して、100日以上山に上がり、スノーボード歴は35年。