
インスタグラムの投稿に、Supremeのスキーとスノーボードが並んでいた。
キャプションには「Team Ski vs Team Snowboard, which are you repping? ⛷️🏂」。ストリートと雪山の境界をまたぐ挑発的な問いかけで、コミュニティはざわついていた。
Supremeとは何者か
Supremeは1994年ニューヨーク発のストリートブランドである。スケートカルチャーを核に、音楽・アート・ファッションを横断してきた。赤いボックスロゴは単なる商標ではなく、ストリートの記号学そのものであり、所有する行為自体が“カルチャー参加”を意味してきた。
週次ドロップや数量限定という手法は、希少性とストーリー性を最大化し、コレクション性の高いプロダクトを生み出してきたという背景がある。
なぜスノーへ触手を伸ばすのか
スノーボードはスケートと文脈が近い“ボードカルチャー”である。両者はトリック、映像、音楽、仲間という共通要素でつながっている。ストリート×アウトドアのクロスオーバーが進む現在、Supremeが雪山の文脈に触れることは自然な流れと言える。
一方で、今回のビジュアルが本格投入の予告なのか、それともカルチャー的なスタイリング提案なのかは、現時点では判断しきれない。ここを断定しないことが重要であろう。
アートか、ギアか——価値の置き場所
Supremeの物づくりはしばしば視覚的インパクトと限定性に価値が置かれてきた経緯がある。ゆえに、スキーやスノーボードが登場した場合でも、壁に掛けて眺める“アートピース”としての需要が立ち上がる可能性は高い。
他方で、もし実用面まで踏み込むなら、形状、芯材、フレックス、キャンバー構造、ビンディング互換などの技術的仕様が問われる領域になる。どのパートナーと、どのレベルの生産背景を組むのか——ここが“本気ギア”かどうかの分水嶺である。現時点では公式情報が限られており、評価は保留とするのが妥当だ。
Supremeを知らないスノーボーダーへ——“カッコよさ”の正体
Supremeの魅力は、単にロゴを貼った服ではないところにある。
- ストーリー性:カルチャーの文脈に接続されたリリース手法。
- 記号性:遠目でも“それ”とわかる強いグラフィック。
- 共同体感覚:ドロップ日に並ぶ、語り合う、共有するという体験。
- 意外性:異ジャンルをつなぐ編集力。
雪山でも、この“編集力”が機能すれば、見慣れたギアに新しい意味が付与される可能性がある。
これから注視すべきポイント
- 公式アナウンスの有無:ティーザーか、製品化か。
- パートナーと生産背景:どのメーカーの技術を採用するのか。
- 仕様とサイズ展開:形状・フレックス・長さなどの実用情報。
- 数量と価格:アートピース寄りか、実用層も手に届くのか。
- 発売タイミング:ウィンターシーズンとの整合性。
結語
今回の“並んでいた”ビジュアルは、ストリートと雪山の地平をつなぐ強いシグナルである。アートとして愛でるのか、雪上で叩き込むのか——判断はまだ早い。
いずれにせよ、公式情報が出そろうまでは過剰な断定を避けつつ、カルチャー編集としての一手を楽しみたいところである。
あなたは Team Ski か、Team Snowboard か。コメントで教えてくれ。