
気づけば、もう夏も終わりに近づいてきました。残暑はまだ厳しいものの、スノーボードショップにはニューアイテムが続々と入荷。スノーボーダーのあなたも、そろそろソワソワしてきたのではないでしょうか。
シーズン終わりに「オフシーズンは体力を鍛えるぞ!」と決めたあの約束…今はどうなっていますか?
そこで今回は、そんなあなたに贈る「今からでも遅くない!スノーボーダーがシーズン前にやるべき3つの筋トレ」。
忙しい日々の中でも取り入れやすく、特にスノーボーダーにおすすめのメニューを厳選してご紹介します。
スクワット
筋トレの王道とも言われるスクワットでは、スノーボーダーにとって神筋トレ!僕も一年を通して、行っています。
鍛えられる筋肉は、主にお尻(大臀筋)と太ももの前側(大腿四頭筋)、太ももの裏(ハムストリングス)、ふくらはぎ(ひふく筋・ヒラメ筋)、背中(脊柱起立筋)になります。
特にスノーボーダーにとっては、ヒールサイドターンで必要な太ももの前側部分の筋力強化、さらにトゥサイドターンで必要なふくらはぎの筋力強化が大きいでしょう。
スクワットは普段やっていない方だと、10回やっただけでも疲れてしまうかもしれません。しかし、正しい方法で行わないと効果が薄れてしまうので、以下のなかやまきんに君の動画、【自宅筋トレ】なかやまきんに君の正しいスクワットを学ぼう。を参考にしてみましょう。
ただ、最も大切なことは続けることです。
こうした正しいやり方の動画を見て行うと、「正しいこと」をやることに意識が行ってしまい、そこから「ちゃんとできない止めよう」なんて、あきらめてしまう方もいるでしょう。
だけど、あきらめないでください。例え完璧に正しくできていなくても、ある程度、うまくできていればいいのです。その証拠にスクワットを数回やった後には、筋肉疲労を感じられます。効果はあるのです!
スクワットを続けるコツ
スクワットを続けるアドバイスとして、やったら必ず回数をメモするといいでしょう。最初の日は、10回でもいいです。必ずメモしましょう。
次の日、まだ太ももの部分に筋肉痛があったりしたら、休むこと。空けてトレーニングしたら、今後は20回くらいできるかもしれません。必ずスクワットをやった回数をメモします。
これで、1か月単位で、何回できたか数えます。
翌月は、その数の10パーセントアップの目標数値を掲げましょう。
こうして、ジワジワとスクワットの回数を増やすことで、8月から9月、そして10月…、12月のシーズンインまででスクワットの回数を徐々に増やすことができます。
あとは、毎月目標数値をクリアしたら、自分にちょっとしたご褒美をあげましょう。普段買わないようなチョコレートやビールでもなんでもOKです。きっとその食べ物 or 飲み物は、いつも以上においしいのではないでしょうか。
以上の目標期間設定では、自分の自由に決めていいです。僕は1か月単位で行っていますが、人によっては数週間単位でもいいでしょう。各自が楽しく続けられるように各自で設定しましょう。
仕事で疲れていてもスクワットができる理由
「仕事で疲れて、もうへとへと…。スクワットなんてとてもやる気にならない!」
そんなネガティブなイメージを持っている方もいるかもしれません。
でも、ご安心ください。
例えばコンピューターワーク中心の仕事なら、足腰への負担はほとんどありません。精神的には疲れていても、実際に動き始めると意外にも気持ちがスッキリすることがあります。人は肉体的な疲れと精神的な疲れを混同しがちなのです。
家に帰ったら、まずはお風呂やビール…という方も、先にスクワットをやってみましょう。100回以内なら、途中に数秒休憩を挟んでも3分程度で終わります。その後のお風呂やビールは、より気持ちよく感じられるはずです。
実際、僕が時々見る精神科医・樺沢紫苑の「樺チャンネル」でも、同じような話が紹介されていました。
もちろん、普段から足腰を使う仕事をしている方は自然と鍛えられています。しかし、そうではない大多数の人にとっては、「今日は疲れたな…」という日でもスクワットは十分可能です。
何度でも言いますが、大事なのは続けること。まずは習慣化を目指し、自分で決めた回数をこなしてください。やる気が出ない日は“おざなりスクワット”でもOKです。続けることで、トレーニング意識が途切れません。
これはスノーボードを楽しむための貯金、そして投資だと考えてみましょう。
腹筋
腹筋とは、腹部にある筋肉の総称でありますが、このあたりを鍛えると、身体を起こしやすくなります。
例えば、スノーボーダーの場合は、座った状態から立とうとする時、あるいは凸凹を滑って身体が前傾した時に上半身を起こす時など、バランスを保つ上でも大切な筋肉です。
様々な種類の筋トレは、そのトレーニング方法もいくつかあるものです。
腹筋の場合には、腰痛も関係しているので、個人的には以下のようなあまり身体を起こさないようなもの。常に腹を地球に押し付けるようなものがいいと思います。実際、僕はこのような腹筋トレーニングをしています。
あと腹筋って、おもしろいもので、ほぼ毎日やっているような人でも、ちょっと違った種類の腹筋トレーニングをすると、「効いた~」と思うことがあるので、今日からでもちょっと勉強して、これまでにやったことがないような筋トレをするのもオススメです。
背筋
最後にご紹介したい3つ目の筋トレは、背筋です!
背筋は、腹筋同様にバランスを保つために大事な筋肉。コブを滑る時には、まさに必要になって来る筋力ですね。
またライディング中に正しい姿勢を保ち続けるためにも必要です。
だから、僕はスクワットに加えて、腹筋と背筋を継続してトレーニングして来ました。そのかいあって、これまでスノーボードで大きな怪我や翌日滑れないような状態になったことはありません。

今回、このコンテンツをリリースするために、いくつかの動画をチェックしましたが、背筋も本当に様々なものがありますね。
個人的に行っているのは、以下のような上半身を上げて、身体を反らすような背筋トレーニングです。あと、両手を上げるのに加えて、片方だけを上げるようなものも行っています。こちらの背筋でも、お好みのものを行うといいでしょう。
筋トレを楽しみ続けられる方法を考えよう!
以上、3つの筋トレをご紹介しました。
もちろん、それ以外の筋トレもぜひやってほしいです。だけど、最初から筋トレを重く考え過ぎると、なかなか始められないものです。大切なことは続けられることなので、自分で工夫するようにしましょう。
完璧を求めないこと。大切なことは、まずは筋トレというスタートを切って、途中で修正していくことです。
筋トレを続けるために、先に提案したノートにメモすることも良いでしょう。これはあるダイエット法にもなっていて、体重をメモるだけでもその数値が目安となって効果が出るそうです。人間は、ちょっとでも上昇することで嬉しい気持ちになれるものですね。
また、自分の好みのインストラクターが登場する動画を見ながら行うのも良いことでしょう。大切なことは、自分が楽しい気持ちで筋トレを続けることなので、その方法を見つけましょう。
スノーボードに必要な筋肉を鍛えることは、スノーボードのギアにお金を掛ける以上に大切なことだと思います。しかも筋トレは無料でできて、効果も抜群です。あなたが、スノーボードギアを買うことを楽しむ以上に、大切であることなのです。ぜひ、今日からでも筋トレを始めてみてください。

飯田房貴(いいだ・ふさき) プロフィール
@fusakidmk
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴は40シーズンを超え、約20年にわたり雑誌、ビデオ、ウェブなどを通じてハウツー記事の発信に取り組んできた。
1990年代を代表するスノーボード専門誌『SNOWing』では、「ハウツー天使」というコラムを執筆。季刊誌という発行ペースの中で100回以上の連載を達成し、金字塔を打ち立てた。『SnowBoarder』誌でも初期からハウツーコーナーを担当し、中でも読者へのアドバイスコーナー「ドクタービーバー」は大人気となった。
自身が監修・出演したハウツービデオやハウツー本も大ヒットし、1990年代のスノーボードブームを支える存在となった。
現在はカナダ・ウィスラーを拠点に、インストラクターとして世界中の人にスノーボードの魅力を伝え続けている。
著書に『スノーボード入門 スノーボード歴35年 1万2000人以上の初心者をレッスンしてきたカリスマ・イントラの最新SB技術書』、『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING』がある。
