【コラム】小さい規模のスキー場が人気が出るかもしれない8つの起死回生案!?

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文:飯田房貴 [email protected]

最近、スキー場関連のネガティブなニュースが、より目立って来たように思います。
僕のSNS上にもそうしたことが、アップされます。

スキー客が減った最大の理由は、国内スキー人口の減少と降雪不足。
レジャー白書のデータ等を拝見すると、人々の関心がスキー、スノボに向いていないということも理解できます。
一方で、北海道のニセコや、長野の白馬などインバウンドで盛り上がりを見せるスキー場もあるのですが、多くの小さなスキー場の四苦八苦。

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残念ながら、「ある程度の淘汰は避けられないだろう」という意見も出ています。

そんなネガティブな情報や意見が多い中、「どうしたらいいんだ?」という改善案がありません。
そこで、世界でも最も人気あるスキー場と言われているウィスラー、ブラッコムを見て来た自分が、「もしかしたら、こうしたらいいのでは?」という9つのアイデアを考えてみました。

ここでの意見が採用されたからと言って劇的に変化するとか、起死回生にまでつながるとは考えていませんが、暗い雰囲気の中、少しでも楽しいアイデアになりそうなことをぶつけてみました。

改正案1 音楽はもう流さない

普段、ウィスラーで滑っている自分ですが、毎年一度は日本に帰ってスノーボードをします。(注:ここ2年間ほどは行っていないけど)
そんな僕が、「日本に帰って来たなあ」と思う瞬間は、スキー場の音楽です。
スキー場に音楽がある風景って、ノスタルジックな感じがします。なんか、「昭和」みたいな感じがしますね。

でも、個人的にはあの音楽いりません!
だって、そもそも好きでない音楽だって流れることあるし、せっかく自然の中で遊んでいるのだから、余計な音楽はいらないと思うのです。
そもそもスキー場に音楽あるのって、日本だけではないでしょうか?

逆に音楽を流さないで、「自然を楽しんでください」というやり方も1つのスキー場の特徴になって、良い宣伝効果になるのでは?と思います。

改正案2 レストハウスは小さな掘っ立て小屋レベルで!

スキー場の収益には、ゲレンデ内のレストハウスなども含まれていると思いますが、今の時代、スキー場近くにはコンビニがあり、並大抵のことではなかなか利用してくれないでしょう。例えば、もの凄くおいしくで名物だとか別だけど。

ヨーロッパのスキー場には、ミシェランにも掲載するような有名なレストランがあり、そういうことを期待してスキー客も訪れています。

しかし、日本の小さなスキー場がそれをやるのは困難。
しかも、コロナ対策なども加わって現在、もう中途半端に運営していても人件費などが掛かるだけでしょう。
それなら、一層のこと、もうそんなレストハウスは運営しない。それこそ、掘っ立て小屋のようなレベルのものがあって、そこに自動販売機や電子レンジがあればいい、と思います。

ちなみにウィスラーのレストハウスにも、電子レンジがあって、よくローカルのお客さんが利用しています。
中には、ツワモノのアジア人がいて、カップヌードルとかインストラーメンを作ってしまう人も。
「さすがにそれやり過ぎでしょ!」と思うけど、ここぞとばかりに張り切ってテーブルを仕切り出し、持って来た果物とかカットしてピクニックを始めてしまうようなオバサンとかもいます。

さすがに他人の目を気にする日本人だけに、そこまではしないと思うけど、おにぎりがお弁当を温めることができて、休憩する簡素な施設があればいいのかな、と思います。やって来たスキー客は、その環境の良さに満足して、また足を運んでくれるのではないでしょうか。

改正案3 時間による新たな料金設定

以前、イギリス・ロンドンの地下鉄を利用した時、朝のラッシュ時間の料金が上がっていることにちょっとびっくりしました。
「なるほど、こうしてラッシュアワーでの時間を観光客に避けるようにしているんだな」
と感心したものです。

僕は、別に急いでいたわけでもないので、ちょっと朝時間を潰すようにして、それ以降、ラッシュアワーを避けるように地下鉄に乗りました。

このアイデアは地域に密着した小さなスキー場でも応用できるのではないでしょうか?

朝一番のグルーミングされたばかりのコースは、スキーヤーとスノーボーダーに至福の時です。当然、パウダーになれば、営業前からゴンドラ待ちは行列。そんな時間帯は、通常よりも料金を上げてもいいと思うのです。

逆に朝のラッシュアワーを避けて、リフト券を購入していただける人には、安くしたり。
その地域の生活習慣に合わせて、購入しやすい料金帯を改めて考えてみるのも手かもしれませんね。

もちろん、これまでにも午後券とか、ナイター券とかの料金設定があったと思いますが、今一度、見直してお良いかもしれませんよ、というご提案です。

改正案4 パークいらないけど自然な地形で遊べるようにする

スキー場の関係者って、少しでも若者に来てもらいたくて、「斬新なパーク施設を作ろう!」なんて考えていませんか?
もし、そう考えているなら、正直いらないですよ。

世界中の多くのトップスノーボーダーは、パークを楽しんでいるように見えるけど…、まあ、事実そこも否定しないけど…、本当に本当に楽しいのはフリーランなんです!それは、多くのトップライダーが認めるところだと思います。

そもそもパークって、自分にとってはフリースタイルを学ぶための道場のようなものだと考えています。だからこそ、毎日入るようにしています。
もしかしたら、イントラ仲間からしたら、「なんで、フサキはいつもパークに入っているの?」と思うかもしれません。みんな心の底では、フリーランの方が楽しいし、パウダーの方が楽しい、自然の地形で遊んでいる方が楽しいって考えているものなのです。

それは、もちろん修行なんですよ!
これまで何年もやって来たジャパングラブだって、やらないとできなくなってしまうものなのです。
メソッドエアーにしたって、正直、人生で一度も「決まった」という感覚が得られない。
ましてインディなんて、カッコよく決めるなんて至難の業。
だからこそ、50歳を過ぎたオジサンなりにジタバタして、パークに入っているわけです。
入りたくて入っているわけではないのです。練習なんです。

つまり言いたいことは、1本のランの流れの中で、もっと自然な地形で遊べるところがほしい!ということです。
それなら、そういうもの作ったらいいと思うんですよ。

例えば、恐竜の背中のように、ちょっと夏の間に山盛りしておくエリアがあってもいい、と思います。
すると、雪が降れば、山の峰のようになるので、そこでアップ系のジャンプが楽しめます。
もし、沢のような地形があるなら、それをそのまま利用して、木をカットするなりして、コースにするのもアリかもしれません。
迂回コースにも最初から、サイドヒットがしやすいよう、夏の間に手を加えておいてもいいかもしれませんよ。

スキー場が小さくても、こうして自然地形で20回以上遊べるポイントのランがあれば、フリースタイル・スノーボーダーは喜びます。

改正案5 リフト券がいらないゲレンデ

日本には小さいスキー場がたくさんあります。
海外だと大きいので、リフトチケットのチェックというのは、基本一番下のベースだけでOKなんです。
でも、小さいスキー場では、リフトチケットをお客さんがきちんと買ったかどうかチェックしなくてはいけない。

だけど、そこを逆手にとって、もう一層のことそんなチェック係の人をなくしてしまうのはどうでしょうか?

日本には、世界に負けない素晴らしい文化があります。
例えば、農家がやっている無人で売っている野菜。

あれって、海外から見たら凄いことですよ。「さすが日本!」って尊敬されていることです。

残念ながら、多少の盗みの被害はあるようだけど、人件費を考えれば、リフトチケット販売の手間とか省けるし、チェック係も不必要になるし、良いのでは?

もう箱だけ置いといて、そこにお金を置いといてもらうとか!?

価格の方も、だいたい適当にしてもおもしろいかもしれません。
大人2千円、子供1千円、小さいお子さん無料でもいいし、500円でも。
お年寄り500円とか。あとは適当にお任せ!チップあったら嬉しいな。とかのメッセージでも。

そんなスキー場あったら、絶対に海外のユーチューバー来て、撮影に来て良い宣伝してくれますよ。
思ってもみなかったお金が入ったり。

そう言えば、北海道で犬が店番するということで話題になっていたニュースありましたね。

そう、もういっそうのことワンワンでいいですよ!
話題になるこ間違いなし。
リフト券をワンワンが売っているって最高じゃないですか!きっと儲かります。


改正案6 ナイターでお化け屋敷が楽しめる

今やSNS時代から、そういうところを見越したアイデアが必要になります。
そこで考えたのが、お化け屋敷だ楽しめるナイター施設。
滑りながら、お化けが出て来たら、スリル満点で大きな話題になること間違いなしですね。

最近、ニュースで見たのだけど、どこかの小学校がコロナで子供たちが修学旅行に行けなくなったので、思い出作りのために親が協力して理科室を使ってお化け屋敷をしたのだとか。子供たちは大喜びでグッドアイデアだな、と思いました。

お化けになる人も、ボランティアにお任せ。その代わり、お化けやってくれたら、無料で素晴らしてあげるとか。

実際、竜王スキーパークのZOMBIE PARKで怖いゾンビが出て来る企画がありましたね。

あんな怖いゾンビが出て来るナイター施設があっても、大きな話題となると思います。

もちろん安全面を考えて、中級者以上であったり、ある程度の距離を空けてスタートさせたり。いろいろ安全面での対策を練ることは必要になりますが。

改正案7 一年に一度だけ!水着で楽しめるスキー場

海外、ロシアではあるようなのですが、一年に一度だけ、水着で楽しめるスキー場って、おもしろいのではないでしょうか?


シーズン最後の方、春に暖かい日を狙って行うのです。
テレビ局は苦し、ユーチューバーも来る。大きな話題になること間違いなしです!

改正案8 完全合コンの日

今や結婚相手を見つけるのは、少子化に向かう日本の大きな関心事。
婚活業者と組んで、完全に合コンだけを目的とした日を作るのは、どうでしょうか?

スキーやスノーボードをする人が、カップルを求めて参加する日です。
日中のゲームは、もちろん夜も楽しめるように、婚活のプロの方にアドバイスをいただき、スキー場ロマンス!

このイベントも大きな話題となることは間違いないでしょう。

そろそろ、グダグダになって来たので、筆を置きます。
でも、こうしてどうやったら、小さなスキー場が活気づくのか、考えることはとてもおもしろいですね。
スキー場の方でも、募集したら良いアイデアが出るかもしれません。
「助けてくれ~!」とかではなく、具体的に滑りに来てくれるスノーボーダー、スキーヤーにどんなギフトをくださるのか?
そんなことを考えていくことが大切だと思います。

コラムニスト・飯田房貴
1968年生まれ。東京都出身、カナダ・ウィスラー在住。
シーズン中は、ウィスラーでスノーボードのインストラクターをし、年間を通して『DMKsnowboard.com』の運営、Westbeach、Sandbox等の海外ブランドの代理店業務を行っている。日本で最大規模となるスノーボードクラブ、『DMK CLUB』の発起人。所属は、株式会社フィールドゲート(本社・東京千代田区)。
90年代の専門誌全盛期時代には、年間100ページ・ペースでライター、写真撮影に携わりコンテンツを製作。幅広いスノーボード業務と知識を活かして、これまでにも多くのスノーボード関連コラムを執筆。最新執筆書『スノーボードがうまくなる!20の考え方 FOR THE LOVE OF SNOWBOARDING
今でもシーズンを通して、100日以上山に上がり、スノーボード歴は35年。

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