スノーボードのビンディングのフォワードリーン角度。どれだけ入れるかは、様々な考えがあるようですが。
僕個人としては、ほぼゼロ。入れていません。
※フォワードリーン角度とは、ヒールサイト(カカト側)のエッジングをサポートするハイバックの角度のこと。
理由の方は、あとで述べますが、実際にウィスラーのイントラの方からアンケートを取ったので、その代表的な考え方をご紹介します。
ブーツの前傾きに合わせるTさん
Tさん、フォワードリーンって、どれくらい入れている?
「だいたい、2つかな。」
どんな理由でそう決めたの?
「ブーツが本来持つ前傾角度ですよ。それに合わせています。」
なるほど。ブーツが持つ本来の角度にナチュラルに合わせているというのは、とても納得できる回答です。
クイックな反応を求め角度を入れるJさん
Jさん、見たところフォワードリーンがメッチャ入っているけど、なんで?
「クイックなレスポンスを求めているのさ。」
エッジングを強くするということ?
「というか、より反応が良くするように。」
でも、前傾が強いと、常に足首を曲げるようになるから、メッチャ疲れない?
「そう、だからシーズン初めは、フォワードリーンはここまで入れない。でも、今の時期になって筋力がアップするので、そうしたのさ。」
なるほど。でも、なんかズレ難いような。
「オレ、パークとか入らないし、オールマウンテン・ライディングだから、クイックなレスポンス優先!」
バインに頼らないを求めてナチュラルスタイルを目指す
以上の2例のように様々な考え方があります。
どちらにしても、角度を入れれば、よりボードは反応しやすくエッジングも強くなっていくことでしょう。
逆に角度を入れずにハイバックを立てるようにすれば、よりズラしやすくなります。ジブをやる方にも最適だと思います。
で、最後に自分の考え方をご紹介します。
僕のスタイルは、目指せノーバインです!
ずっと前から、カッコいいなあ、と思うライダーは、よりナチュラルな滑りでした。
ナチュラルな滑りというのは、まるで川のように流れてスムースに。昔のライダーで言うならクレイグ・ケリーのようなスタイル!
まるでビンディングの存在がないかのように、グッド・ポジションニングでライディングをしていくというスタイルです。
スケートボードやサーファーは、ビンディングがないので、それに頼ることができません。
だけど、しっかりとターンもしているし、エアーもできる。そして、そのライディング姿は美しい。
僕は、そんな彼らのような、「バインなくても乗れているね!」というスタイルを目指しているのです。
だから、角度はほぼゼロ。
でも様々な意見がある中で、一般的にオススメしたいフォーワードリーン角度となると・・・?
Tさんのブーツの傾斜角度に合わせるかな。とても理にかなった考え方だと思います。
ぜひ、ご参考に!!
飯田フサキ プロフィール
東京都出身、現在カナダ・ウィスラー在住。
スノーボード歴34シーズン。そのほとんどの期間、雑誌、ビデオ等スノーボード・メディアでのハウツーのリリースに捧げている。
90年代を代表するスノーボード専門誌SNOWing誌では、「ハウツー天使」というハウツー・コラム執筆。季刊誌という状況で100回以上連載という金字塔を立てる。またSnowBoarder誌初期の頃から様々なハウツー・コーナーを担当し、その中でも一般読者にアドバイスを贈る「ドクタービーバー」は大人気に!その他、自身でディレクションし出演もしたハウツービデオ&ハウツー本は大ヒット。90年代のスノーボード・ブームを支えた。
現在も日本最大規模のスノーボード・クラブ、DMK Snowboard Clubの責任者として活動し、シーズン中に一回は日本へ帰国しコーチングも行っている。
普段は、カナダのウィスラーのインストラクターとして活動し、今なお世界中の多くの人にスノーボードの楽しさを伝え続けている。2016-17シーズン、ウィスラーのインストラクターMVPを獲得!!