おばばスノーボーダーのちゃれんじ記 Part 6

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dmkの人気コンテンツ、おばばボーダーが帰って来た!
スノーボーダーには年齢は関係ない。スノーボーダーに必要なのは、ちゃれんじを続けること。
そんなおばばが、今回ちゃれんじしたのは、なんとニュージーランド一人旅。今回も笑いと涙の感動ストーリー。
さらにはアルペン・ボード、ロードバイクまでチャレンジするおばばの楽しい記録をどうぞ。

第一話 ニュージーでスノーボード

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ニュージーランド一人旅。2週間、ニュージーランドへ旅をしてきました。

おばばの大ちゃれんじです!
国内の一人旅だって経験がない。いつだって主人の後ろにピッタリくっついていなきゃ、どこにもいけない情けないおばばが海外へ一人旅?しかも、ツアーじゃなくて?またどおして?
大型バイクの免許を取った時も、スノーボードを始めた時も、今回の一人旅も人生の節目みたいなもんかな。一人でどこまでできるか?ちゃれんじだね。そんな訳で、おばばの旅の始まりは、そりゃ決まっとるじゃん。「ニュージーでスノーボードだぁ~!」さぁて、どこのゲレンデで滑ろうかなぁ?なんちゃってね…。そんなこと考えるだけ無駄だった。だって、飛行機の乗り換えだって心配なのに、遠くに行けるわけがないじゃん!ってことで、おばばが簡単に行けそうなマウント・ハットに決めた。

さてさて泊まるところはどうしましょ?
おばばといえども一応は女には違いない!女一人旅はやっぱ安全なホテルへ?
でも、さすがに2週間ともなると宿泊代も馬鹿にならない。ならば、せっかくなら一人旅らしくバッパーなんてのもありか?と。嬉しいことにニュージーはバッパーの数も多いし、安全面でも優秀なところも多いようだし、行きゃー日本人の一人や二人はおるだら~?なんてね。それに、なんてったって宿泊代の安さには負けちゃうじゃん。ちと心細く心配な思いだって、この金額にはかないましぇん。2週間の滞在はクライストチャーチのバッパーに決定!!そして、ここは想像以上に綺麗でビックリした。タオルやシーツだって一日おきに交換してくれて、超得した気分。バッパーでこんなサービスはないって思っていたからね。これで一泊3千円しないなんて、「ヤッホー!」

そして、翌早朝には早速マウント・ハットへ出発。頼んでおいた迎えのバスは約束の時間きっかりにバッパーの前に迎えに来た。バスにはすでにインド系の若いお兄ちゃんが一人で乗っていて、朝早いせいだろうか?眠そうにあくびばかりしている。お兄ちゃんの聞いているウォークマンから漏れる音楽が妙に心地良くて、今から向かう旅を盛り上げてくれているみたいでワクワクする。運転手兼本日の案内人のお兄ちゃんは、真っ黒に日焼けした顔に、もみあげが妙に長い髭面。腕には訳がわからん立派なタトゥーが描かれていて、長~いトレッドヘアーの不思議な編み込みの上に、赤や黄色や緑のきれいな飾り付けがバランス良く付いていて、ちょっとしたアートになっていた。さすがニュージーのお兄ちゃんじゃん!と感動。

おばばを乗せたバスは途中で色んな人達を拾って、マウント・ハットへ向かう。バスが最初に停まったのは、スーパー?らしき駐車場。そこには色の白い若い男の子が立っていて、もうウェアを着込んでいた。ズタズタのディパックを背負い、汚ねぇブーツを首からぶら下げて、バートンの板を持ってバスに乗り込んできた。この青年、あとでとんでもない目に遭うことに…。

次は住宅街へと入って行き、スキーヤーらしきおばちゃん三人を乗せた。この三人のおばちゃんの体のでかいこと!(もちろん横はばだにん。)いまだ成長中!?何喰っとるだん?再び勢いよく走り出すバスは広い通りに出た。だだっぴろい道路におばばの目が点になる。この感じが日本じゃないところなんだよなぁ~。

そして、バスはバス停の前に停まっていためっちゃ汚い車の後ろにピタッと停まった。何年も洗車していないと思われるその車の中から、これまたウェアを着て、日焼け顔の40代半ばぐらいのおっつぁんがK2の板を抱えて、ブーツは肩に掛け、なぜかリンゴをかじりながらバスに乗り込んできた。
「ブーン!!」バスは走り出した。あの~、すんまそ~ん…。あなたの車はぁ~?おばばは後ろを振り返っちゃったよ。もしかして?あそこに乗りっぱ?そうです!そのまま鍵もかけずにバス停に放置。そして当然帰りもバスはおっつぁんをそこまで送り届け、間違いなく鍵を使わずに車に乗り込んで帰って行きました。日本じゃ考えられん、何もかもが。目が点どころの話じゃないよ。まだ旅は始まったばかりなのに…。

そして、バスは次から次へと人を乗せ、本日の仲間は総勢12人。マウント・ハット目指して約二時間走り続けます。バスの窓からおばばの目に映る景色は絵ハガキそのもので、美し過ぎて言葉にならない。延々と続く羊の群れはガイドブックの写真そのまんまで、おばばはこの時、「間違いなくニュージーに来たんだ!」って実感した。映画に出てきそうな景色の連続に失神しそうなくらい。しばらく走ると、そのうち穏やかな景色も様子が変わって、バスはやがて山道へと入って行く。道もデコボコで当然道路は舗装されていないから、おしりへの振動が激しくなってきて、砂煙も半端じゃなく凄い。そして、この辺りまで来ると、森林限界地帯で木は全く生えていない。だから、今から向かう先の先までが見通しよく見える。バスは山に刻まれたネジの跡のような山道を、くるくると力一杯登り続ける。でも、ポンコツバスがいくらアクセルいっぱいに踏んだって、なかなか登っていかないから、どんどん後続車に追い越され、その車のおかげで砂煙もんもんの中をおばばたちのバスは無事マウント・ハットに到着した。

バスを降りたおばばは感動でしばらく動けなくなるほどそこは別世界だった。バスの窓から見えた雄大な山の上におばばは確かに立っていた。凄い!凄い!もう、どう表現すりゃ~いいんだか?「すっげ~!!」としか言いようがない美しさと穏やかさ。でも、たくましい。どこまでも美しく広がる白銀の世界の中で、聞こえてくるのは胸の鼓動だけ。ここに来られたことを本当に心から感謝した。そして、この旅を決断して、ちゃれんじしたおばば自身も褒めてあげた。

スノーボードの荷物は必要最低限にして、日本から持ってきたのはゴーグルとビーニーとグローブのみ、残りは全てレンタルにした。おばばはお兄ちゃんに頼んでおいたウェアを早速受け取ることに。お兄ちゃんはバスの後に積んであった超ドでかい箱の中から、まるで手品のように次から次へとウェアを出していく。客の体をざっと眺めたかと思うと、迷いもなく経験と直感?みたいなので自信たっぷりに手渡していった。まぁ、どれもこれもちょっと薄汚い感じに見えたけど、この際文句は言えん。ほんでもっておばばはっていうと、餌をもらう犬のように一番前で待っていたのに、なぜか後回しで結局一番最後になった。お兄ちゃん、それはどちてですかぁ??おまけに他の人たちのはあんなにパッパと決めて渡していたのに、おばばには妙な薄笑いを浮かべて「子供みたいだ!」とか、「小さ過ぎだ!」とか…、ぶつぶつ言いながら出したり引っ込めたりしている。で、結局渡されたウェアは超小さい。「おい!!」これ、どっからどう見たって間違いなく子供用じゃんか!しかもパンツ丈なんてあきらかに短いじゃん!おばばの美的センスじゃ絶対に許せんぞ!「なめとんのかっ!」って日本語で突っ込んでやった。でも、やっぱりジタバタしたってしゃーないから、いさぎよく諦めてそいつを着てやった。だけどさぁ、寸足らずのパンツの丈とあきらかに短い袖丈は、おばばのテンションを一気に下げたのは間違いない。

次はブーツを借りんといかん。おばばはレンタルのお兄ちゃんにサイズを告げて、早速後ろのベンチで履いてみた。「いや~ん!」ブーツの中がビショビショじゃん!いきなり靴下もビショビショで超気持ち悪~い!「乾いてるのと換えてくれ~!」身振り手振りで訴えてみたけどやっぱり無理だった。素直に諦めた。板は何とかスムーズに借りられた。そこからグチョグチョと濡れたブーツの音を立てながら、運転手の兄ちゃんを捜し回ること10分。やっとお兄ちゃんを見つけた。おばばはリフト券が欲しかった。「リフト券くれ~!」ニタニタ笑ってごまかしたって無理だぞ!忘れとったなおまえ!やっぱ、おばばは滑るのも一番最後になっちゃった。でも、マウント・ハットの大自然を目の前にしたら、なんも怒る気がしないんだよね。「何だって許したるぞ~!」そんな気持ちになっちゃうから不思議だよ。子供用?のウェアは少々かっこ悪いけど、マウント・ハットだ!マウント・ハットでスノーボードだぁ~!

おばばは急いでリフト乗り場に向かった。周りはでかい男たちばっかりで、おばばなんて虫みたいに小さくて、気が付きゃいつのまにか埋もれるままにリフトに乗る順番がきちゃった。「ぎゃ~!!」おばばは焦った焦った。だって、リフトが高くておしりが乗らんじゃん!超ビビる。おばばは隅っこのポールにしがみつきながら必死でお尻を上げて、どうにか無事に乗ることはできたけど、今度は降りるプレッシャーで、リフトのポールにしがみつく手は痺れそうだった。景色を眺める余裕なんぞあるわけもなく、あっ、という間に降りる時がきちゃった。まるで初心者のリフト初体験だ。足の付かないリフトを飛び降りるように降車したのを隣に乗っていたおじさんが見て笑った。「じじぃー!笑うんじゃない!」

さぁ、おばばの夢のようなマウント・ハットの一本目。とてつもなく広過ぎて、どこをどう滑って良いのかさっぱり分からず放心状態…。だって、コースがないだもん!どしたらいいだん?日本の小さくて狭~い仕切られたゲレンデが心地良いおばばにとっちゃ、やっぱマウント・ハットはデカ過ぎる。それに、日本でおばばが滑っているゲレンデみたいに、テクニカル的なことをしている人なんてだ~れもいやしないし、まじめな顔して深刻に悩んでる人もいなけりゃ、立ち止まって自分の滑りを考えている人もおらん。とにかく自由気ままに滑って、自然落下を楽しんでいるだけ。だからおばばは困っちゃっただよ。そんな滑りはしたことないだもん!いつもどこかでちょこっと人の視線が気になって、おまけに自分の滑りに自信がなくて…。だからなんとかしなきゃ!って、いつも頑張って滑ってきたから、自由な滑りができたんだにん。情けないね~、まったく。
でも、ここはニュージーじゃん!そう気付いたら、「ウッヒョー!!」っておばばは飛び出していっちゃった。ゲラゲラ笑いながら何本も何本も夢中で滑っちゃった。リフトに乗るのだってコツをつかんじゃったから、ヒョヒョイって乗れちゃってさ、調子に乗ってリフトもデカイ男たちの真ん中を陣取っちゃったらさぁ、おばばの頭の上で両サイドの男どもが会話を始めちゃって、うるさい、うるさい!おまけにおばばにいろいろ話しかけてくるんだけど、なまっているのか?さっぱりわからん。(まぁ、そうじゃなくてもわからんか?)

何本くらい滑っただろう?気がつきゃお昼も食べずに滑ってて、お腹がグーグー鳴りだした。早速遅いランチにレストラン?(そんなに立派じゃない)に入った。そしたら、おばばは発見しちゃった!隅っこの大きなテーブルを占拠している二人は、日本人の若いお兄ちゃんだった。テーブル上の荷物の様子から、おそらく仲間が数人いそうな感じがする。そんで、おばばが驚いたのは、若いお兄ちゃん二人がノーミスのフーディーを着とっただにん。しかも、一人はおばばとお揃じゃん!なんだか一人じゃない気がしてすっごく嬉しくなっちゃって、おばばはご機嫌でランチをいただきました。
でも、このランチメニューははっきり言って全然おいしくない!茹でたジャガイモに十文字の切れ目を入れて、バターを乗せて、そこに挽肉やらタマネギやらトマトやらと、好きなものをトッピング。最後にチーズをごっそり乗せてオーブントースターで焼いた物。口の中がボッソボソになって、油っぽくて、おばばにはこれは堪えます。サンドウィッチも乾燥しちゃってバッサバサでした。やっぱ、ゲレ食はどこもおいしくないんだね。

ランチを終えてゲレンデに戻ると、さっきまで全然気付かなかった周りが不思議なんだけど、よ~く見えるようになって、こんなにいろんな人たちが滑っていたんだぁ~!って改めて感動しちゃった。そして、ふと上を見上げると、おばばが朝からずっと滑っていた壁の上にある小高い地形の所で、5、6人のボーダーがせっせとキッカーをこしらえているじゃん。結構な高さに見えるけど、それより何より、そこを飛ぶってことは、おばばの頭の上を越えていくってこと?「うっそ~??」こりゃまた大胆な!でも、みんな砂場で遊ぶ子供のように笑ってめちゃ楽しそうだった。

それからおばばはパークの方にも行ってみた。そこにはおばばが見たことのない超どでかいキッカーがあった。どれもこれも信じられんくらいにデカイ!日本でおばばが見るのなんて子供用?って思えるぐらい。その子供用のさらに子供用の跳び箱一段くらいのポコジャンにギャーギャー言っとるおばばには、そこを飛んでいく意味がわからん。ビデオで見ても半分信じられんのに、実際に飛んで行っちゃうのを目の当たりにすると、マジで口が開いちゃうにん。目が閉じんもん。そんでもって、ビックラこいてるおばばの横を、細くてちっちゃ~い若い女の子が滑り降りて行った。「えぇぇ~!」結構なスピードで入っていった女の子は翼が生えた小鳥のように、そのデカイやつを飛び越えていっちゃった。「わっおぅ!」すんばらしい!お見事でした。人間の力に限界はないのかねぇ?

おばばが感動していると、さっきレストランで発見した日本人の若者が、集団でおばばの横を滑り降りていった。どうやらこの子たちは飛ばないらしい。カラフルなウェアはそれぞれに個性があって、とっても綺麗!滑りだってウェアに負けてなかったよ。みんなちゃんと自分のスタイルを持ってて、見ててすっごくおもしろかったし楽しかった。それに、みんなすっごく上手かった。「かっこいぃ~!」

こうして一日はあっちゅーまに過ぎちゃったけど、マウント・ハットはおばばに一生に残る感動を与えてくれた。マウント・ハット最高!スノーボード最高!マウント・ハットThank You!またいつか必ず来るからね。今度は絶対に主人といっしょに来るぞ~!

そうそう、行きのバスに一緒に乗った若い彼は、キッカーでまくられて右腕骨折。帰りは行きとは全然違う情けない半べそ顔で、スーパーの駐車場にはママがお迎えに来てました。

ニュージーの旅は何もかもが初めての体験で、何もかもがちゃれんじだった。電車やバスを使っていろんな街へ出かけて、いろんな人に会って、いろんなものを見て感動して、旨いもんをたらふく食べた。沢山のアクシデントもあったけど、ニュージーの人は温かくて、みんな優しくしてくれた。ニュージーの大自然は今の自分がなんてちっぽけで小さいんだ!って気付かせてくれた。けれど、そんな小さな自分だけど、毎日一生懸命頑張って生きている。「頑張っていればなんとかなるさ!」って、ニュージーの旅はちっちぇーおばばに勇気と自信を与えてくれた。感動は人の生き方さえ変えられる。だから、一生ちゃれんじ!。まだまだ頑張りま~す。

(追伸・・・)
ニュージーにどうしても会いたい人がいた。ニュージーでクラシックバレエをやっている彼女の踊りがどうしても観たかった。この一人旅を決意したのも彼女に会いたかったから。ステージの上の彼女の魂のこもった素晴らしい踊りと、ニュージーでの努力を心から讃えます。これからも一生彼女を見守っていきたいと思います。感動をありがとう!

第二話 アルペンはカッコいい

ついにやっちゃったぁ~!ずっと憧れてたアルペンにちゃれんじしちゃったぁ~!やっと夢が叶っただよ。おばばの単純な憧れと、もしかしたらアルペンやったらフリースタイルも上手くなっちゃうかも?なんて、勝手な妄想と期待いっぱいで、おばばはアルペンにちゃれんじしましたぁ~。

おばばの板はMOSSの“刀”。初めてなのにチト贅沢かなぁ~?って思ったけど、スノーボードを始めた間もない頃、あるゲレンデのスクール校長に、「スノーボードの上達はまず道具から!」なんて言われたことがあった。道具を知ること、大切にすること、良い物を持つということ、色んな意味があると思うけど、おばばも「そうだよな~」って感じる。これが正しいかどうかはさておき、良い道具はおばばの滑りを助けてくれるかも?なんてね。

デビュー当日の朝は晴天!心配だった雪もおばばの期待にちゃんと応えてくれた。フリースタイルより細く長いアルペンの板はそれだけで超かっこいい!ワクワクする。おばばは正真正銘の初アルペンだから、当然ブーツの履き方も、バインディングの付け方から外し方だってよ~わからん。そんな初めてづくしの初めては、固~いハードブーツを履くことだった。あっれぇ~?んっ?足を入れたとたんに体が固まっちゃって、ちょっと歩こうとしたら油ぎれのラッパーみたい。ガンダム?古いとこなら鉄人28号?そんなんに変身しちゃった気分。つい「ガッシャン!ガッシャン!」なんて口ずさんじゃう。どうすればいいだん?スキーブーツも履いたことないから、とにかくこの感覚が初体験。ぎこちなく歩く自分に大笑いしながら、でも、なんとかリフトまで歩いた。しっか~し!足を踏み出すたびにすねに痛みが走る。おかしいぞ~!痛いぞ~!なんで?どちて?このブーツは今は亡き恩人の、ブーツの達人に作ってもらった最高のブーツなんだから、痛くなるはずがないじゃん!でも、やっぱり痛いよ~。「こんなんじゃ~歩けんし、滑れん!」そう主人に叫んだった。
「ほいじゃあ、1回脱いでみりん」と主人が困った顔で言った。言われたとおりブーツを脱ぐと、痛いところが真っ赤に腫れ上がっとるじゃん!「見てみりん!赤くなっとる!ちょっと腫れとる!」おばばはこうゆう時は決まって周りが見えなくなるぐらいにテンションが上がってしまう。滑る前から半泣きのテンションMAXのおばばを主人は「またか!」って顔で、少々目が八の字になっとる。だって、歩けんぐらいに痛いだもんしょうがないじゃん!結局いろいろ調べたんだけど、原因はわからなかった。おばばのアルペンデビューは、予想外の痛みの洗礼を受けて始まっちゃいました。でもね、不思議なことに一週間が過ぎた頃には痛みは治まって、いったいあの痛みは何だったの?って感じ。何でも初めてだと体はビックリしちゃうんだね。 

1月1日。新年早々、おばばは大好きなインストラクターのキャンプに参加した。
おばばはこの方をスノーボードの神様だと思っている。おばばの中にいろんな神様がいるんだけど、この神様の滑りはもちろん大好き!だけど、もっと凄いのはその話術。本当に吸い込まれちゃう。以前にもインストラクターの話を書いたことがあるけど、人に何かを伝えようとか、心に届けようとか、残そうと思う作業は、本当に難しいと思う。だって、おばばみたいに鈍くさいおばちゃんにだってちゃんとわかるように伝えなきゃいけないんだから。ところが神様はそれができちゃう。それって凄いことだよ。

キャンプのレッスン内容は、おばばの大好きな基礎中の基礎。最初は軸を作ることから。板の真ん中に乗り続けましょう!というもの。板の上で作ったニュートラルポジションを常に保ち続けること。何かしようとしない。アクションを起こさない。イメージとしたら、板の上にマネキンを立ててターンしている感じ。これが何もしないイメージ。
でもさ、これって無茶苦茶難しいだにん。だって、絶対になんかしちゃうもん!動いちゃうもん!しかも無意識に。いかにいつも余分な動きをしてたかってことだね。次にそこからターンの切り替えで立ち上がりという動作を使ってターンをする。ここで初めて一つだけ動きを入れた。最後は上下動をし続けながらのターン。つまり、アクションを起こすのは上下動のみで、その他の動きはこのレッスンでは必要がないということかな?
おばばはどこもかしこも癖が出まくって、何もしないことができない。今までいっぱいごまかして滑ってきたことがはっきりとわかっちゃったよ。おばばが目指す滑りは、余分な力が入っていない自然な滑り。でも力強い。実は自然に見える滑りこそ、常に体中は動き続けているんだよね。つまり、何もしないことは、何かするための土台なんだよね。その土台に一つ一つ動きを加えていってかっこいいアルペンライダーが完成するってわけ。おばばはいっぱい勉強しちゃった。
まぁ、さすがにこのキャンプもハーフパイプの時と同じく、一番に滑ることは遠慮しちゃった。「どうぞどうぞ、みなさんお先にどうぞ!」とみんなに先を譲って、その間にこっそりとバインディングをはめる練習をしちゃってました。でも、なぜかおばばのことを“おばばボーダー”だと嗅ぎつけちゃった仲間の一人が「あれ?一番じゃなくていいの~?」なんてからかってきた。「うるさい!バインディングもまともに付けれんし、リフトもヨタヨタなのに一番で滑れるわけねーじゃねーか~!!」なんて、半ばやけくそにぶちかましてしまった。こうしてキャンプはあっちゅーまに終了した。ただ一つ残念だったことは、せめてもう少しアルペンの板に乗れてから神様のキャンプに参加したかった!ってことかな。

おばばのホームゲレンデはラッキーなことにアルペンライダーがやたらと多い。しかもインストラクターも結構アルペンを履いているから、おばばにとっちゃありがたいの一言。生きた教科書が周りにうじょうじょいてくれるんだから、これ以上の環境はないかもしれん。おばばはニュージーで感じた自由で楽しいスノーボードも大好きだけど、実はカッチンカッチンな基礎系も大好きじゃんね。一つのことにとことんにこだわって、何回も何日も納得のいくまで練習にのめり込む感じがたまらんく好きで、それが楽しくてたまらん。スノーボードにはそんな楽しみ方だってあるだにん。
シンプルに見えるアルペンの滑りは本当に奥が深いと思う。昨シーズンはヨタヨタアルペンながらも、自分で一生懸命考えていっぱい練習をした。まだまだこれからだけど、格好いいアルペンライダーを目指して、一段ずつゆっくりと上っていこうと思う。そして、いつか雪面に体をこするようにしてターンしてみたい!おばばの憧れはそんなとこ。
でも、主人が言ったことにビックリしちゃった。「ちかやんでもちっこい草大会に出たら10位くらいに入れるかもよ?」って。「なんで?」「だって、アルペンの女子はまだまだ人数が少ないもん。10人もエントリーしんかもよ?そしたら10位には入れるじゃん!」おい!、そんなの嬉しかね~よ。と、思いながら、「あっ、そうか!」ってちょっとその気になっちゃったおばばもおった。でもいつか、そんな大会にもアルペンでちゃれんじしてみたいって本気で考えてる。今シーズンはどこかでちょこっと逃げてきちゃったショートターンも頑張ってみようと思う。そのために少し短い板も買っちゃった。苦手なショートターンをあえてアルペンの板でちゃれんじしちゃう。それからフリーで遊ぶことも忘れないよ、楽しいもん!ポコジャンじゃなくて、ちょっとそれらしいのでも飛んでみたい。ニュージーの女の子みたいな翼が生えないかなぁ~。今シーズンもおばばは頑張るよ。

 (おまけ・・・)
新年早々の1月2日に、おばばの大切な“刀”がスキーヤーとの接触でノーズが真っ二つに割れてしまった。滑走たった4日目の大切な板が酷いことになってしまって、本当に悲しかった。おばばの一瞬の判断ミスと、状況判断が出来なかったことが原因だ。お互いに怪我がなかったのは幸いだったけど、それよりも大切な道具を傷付けてしまったことがとてもショックだった。おばばに道具を大切にする気持ちがこの時は欠けていたんだと…。道具を守ることは、自分の身を守ることにも繋がるのに。この時は情けなくて恥ずかしくて、悔しくて、“刀”に申し訳なくて。早速その日の夕方にゲレンデ近くのチューンナップショップに持って行き、何とか修理可能と言う嬉しい返事をもらい、“刀”は一週間の入院。晴れて退院してきた“刀”は少々不細工な顔立ちにはなったけど、見事に復活していました。二度とこんな情けないことはしまいと固く心に誓ったおばばでした。

第三話 今ロードバイクがおもしろい

今すっごくおもしろい!何が?体を動かすことが。もっとくわしく言うと、ロードバイクに乗るのがますますおもしろくなってきた。オフトレに始めたクロスバイクは、今年からロードバイクに転向。それにズッポリはまってしまっている。体力づくりのために、昨年のスノーボードシーズンから始めた早朝ウォーキングがやがてジョギングになり、今ではロードバイクの朝練へと変わった。雨が降らない限り毎朝日の出と共に家を出発。ひとっ走りしてから仕事へ向かう毎日。朝早く起きるのは少々辛いけど、おばばはスノーボードもいっしょで、ちょっと(?)鈍くさいぶん、いつでもみんなより少しだけ頑張ってみる。ロードバイクの朝練はおばばのちゃれんじ。毎日少しずつ走れば1ヶ月にしたらそこそこの距離になる。そう、おばばは少しずつゆっくりと頑張る。そして家に帰ると、出勤間近の主人が玄関で迎えてくれる。「えらかったね、よく頑張ったね」って。すると単純なおばばは「よっしゃ!明日もがんばるぞ~!」ってな調子で元気が出ちゃう。単純な脳みそバ~ンなおばばは結構都合がいい。

週末は、おばばのお世話になっているロードバイクショップの走行会に出来るだけ参加している。店長の人柄とロードバイク乗りとしての素晴らしいテクニックを尊敬してやまない自転車人が、毎週遠方からたくさん集合する。元競輪選手の店長の太ももなんて、もう芸術の世界で彫刻のように美しい!ふくらはぎやオケツの筋肉の付き方は惚れ惚れしちゃう。ここに辿り着くまでの努力は、血の滲む様な練習量だったと思うと、ここで一緒に走らせてもらっているおばばも「必死で頑張らんといかん!」って心から思う。

店長は、この道では少々有名な方で、40代後半であるにもかかわらず現役のロードレーサーであり、今でも数々のロードレースで優勝している。その日々の練習と努力にはおばばも見習うものがある。こんなド素人のおばばがその店長に直々に教えてもらえるなんてラッキーな話。今はまだまだみんなについて行けないけど、いつか必ずみんなと並んで走れる時がくる!そう信じて頑張るよ。

みんなから大きく遅れて後ろで必死で走ってると、おばばの横に店長がきていっしょに走ってくれる。おばばにとったらお得感いっぱいの走行会。70キロ近くも走る道のほとんどがアップダウンの連続で、どこまでも続きそうな長い登り坂は苦しくて辛くて涙が出てきそうになる。口から心臓が飛び出して、眼球がピンポン球みたいに出て、あごはガ~ンって下がっちゃって、口は開いたまま。おまけに鼻水、ヨダレは当たり前。おそらくすさまじい顔で走っているはず。でもね、この顔が頑張ってる顔じゃんね。生きてる顔じゃんね。毎回死んじゃうほど苦しくて辛いのに、でも楽しくて幸せなのは、頑張った分だけロードバイクが確実に前へと進むからなんだと思う。ロードバイクに乗るって前に進むこと。何があってもペダルを後ろに漕ぐことはないもん。だから、人生そのもののような気がしてならない。
今はまだ乗るだけで精一杯のロードバイク。スノーボードで例えるなら何とかターンができるようになったくらい?もしかしたら、それ以下かも?でも、スノーボードだってここまでこられたんだもん、ロードバイクだって必ずうまくなってやる。苦手な登りだって、いつか余裕ぶっこいて笑って走ってやる。そしたら、スノーボードもロードバイクで鍛え上げた?下半身で、すんばらしい滑りができるかも?なんちゃってね。
だってね、ロードバイクってビックリするぐらいスノーボードに似とるだにん。バランス感覚やスラロームの重心移動、目線に至るまで、スノーボードの基礎にそっくりだもん。だから、ロードバイク超ド素人のおばばにも店長の説明がよ~く理解できちゃうだよ(言われたことができるできんは別だにん)。スノーボードのシーズンインまであと3ヶ月。それまでおばばは風を切って走り続けるよ!

おばばボーダー ちかやんのプロフィール

なまえ: ちかやん
生年月日: 1959年6月26日
スノーボード歴: 9年
年間滑走日数: 約40日

愛用ギア
ボード: OGASAKA CT & MOSS KATANA
バイン: FLUX & F2
ブーツ: DEELUXE
プロテクター: CCC & HAZAK
ワックス: マツモトワックス
得意技: バックサイドターンからのヒップスライド(単におしりから転ぶともいう)
スポンサー: ZORA
愛車: MINI Cooper

過去のおばばボーダー特集

Part 5
http://www.dmksnowboard.com/special/2185

Part 4
http://www.dmksnowboard.com/special/1219

Part 3
http://www.dmksnowboard.com/special/59

Part 2
http://www.dmksnowboard.com/special/260

Part 1
http://www.dmksnowboard.com/special/1220

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