大好評のオフトレ企画。今回はいよいよ最終回だ。
これまでストレッチングや、筋トレなどお伝えして来たが、今回はスノーボーダーとは密接な5つの要素を鍛えるトレーニングを紹介するぞ。
その5つとは、瞬発力、判断力、リズム、バランスなど。
スノーボーダーが雪山で滑走している時、必要となる運動要素を鍛えていくトレーニング。
スノーボーダーにとっては悲しいオフだけど、今だからできることがあるんだ。それが、オフトレ。
ぜひ、参考にして、日頃から運動する習慣を身につけよう!
Text: Shu TAKAISHI
Photo: Fusaki IIDA
今回はこのシリーズ最終回です!
作ってきた筋肉をいかに使える筋肉にしていくかを考えていきたいと思います。
まず人間の体は筋肉が無ければ動けません。
そしてその筋肉が、やろうとしているパフォーマンスに見合った大きさ、パワーを持っていなければ思ったような運動を思ったようにはできません。
ここまでやってきたことは、その筋肉の大きさやパワーを備えるトレーニングでしたね。
では、ここまでやってきたことで準備はできていると言えるのでしょうか?
ここからが一般的に見落とされているところですね。
人間の筋肉内には脳から出た命令を受けて、思ったように動かすための神経が通っています。
筋肉を思ったように動かすには、その神経にパフォーマンスに見合った(電気的)刺激を与えてその運動を記憶させないといけません。
与える(電気的)刺激とは?
1.スピード、瞬発力
2.反射、反応、判断
3.リズム
4.バランス
5.連動
などです。
人間の体は素晴らしい適応能力を持っています。
例えば箸を使うというのは非常に複雑で繊細な運動です。
しかし右利きでも左で箸を使うことを余儀なくされれば、自然に使えるようになってしまいます。
これは刺激していなかった神経を反復の練習により刺激し使えるようになった例のひとつですね。
また心と体が一致した時、ものすごい快感、またはスカーっとした気持ちを覚えます。
そんな経験みなさんも少しはお持ちだと思います。
例 : 各種スポーツ、楽器の演奏、演劇、カラオケ、料理など
これらも脳から出た(電気的)信号で体の各部位が思ったようにスムーズに動いて得るものです。
<雑学>? 理論上は筋肉が太いほうが神経が通りやすく、筋肉が大きいからといってスピードが落ちるということではないそうですよ。 しかしながら小さな人がスピードがあるのは例えばボクシング界では周知の事実ではあります。 また一本の筋繊維の断面積に対しどれだけの力が発揮できるかは筋肉の太さにはまったく関係ありません。 例えば同じような筋肉の太さをしていてもバーベルを持たせると、人によって差があるというのはよくあることです。 本来個人が持っている筋力はすべて使えていません。 脳の指令は、100%は筋肉に届かず、「筋肉には余力がある」ということだそうです。 一概に「大きい人=力がある」、「小さい人=すばしっこい」ということは言えませんね。 ? 神経というのはこのようにトレーニングすることで脳としっかりリンクしていくのです。 |
さて、今回の(神経系)トレーニングの紹介といきましょう。
コーディネーション、瞬発力、スピードトレーニング
今回はこれらの要素を組み合わせたトレーニングを紹介します。
まずは「コーディネーションとは?」を考えてみます。
キーワードは「反射、リズム、バランス、連動」。
要するに全身をいかに上手に使いこなすかということですね。
スノーボードでは「反射、反応」や「判断」は滑っている間常に必要となります。
状況を瞬時に理解し動くということですから、特にフリーライディングでは多用されていますよね。
「リズム」が必要な例としては、ターン、フリーライディングで遊んでいるとき、パークではアイテムにリズムを合わせます。
「バランス」は説明いりませんよね。
「連動」とは例えば上半身と下半身が順番に動くのではなく、同時に動いてパフォーマンスをスムーズに行い、運動の流れがあるということですね。
次は「瞬発力、スピードとは?」を考えてみましょう。
スノーボードではいつ必要でしょうか?
単純に素早い反応、運動は常に必要ですよね。
フリーライディングではもちろん様々な状況に合わせたとっさの運動が多く入っていますね。
パークライディングでは抜ける一瞬の蹴り、早い上体のひねり、下半身の引き付け、ランディングの合わせ、レール、ボックスでの乗せ変え、そしてリカバリー、などとなります。
では具体的なトレーニングメニューといきましょう。
スキップ
とても単純ですが前向き、後ろ向き、横向きでスキップです。
高い姿勢、低い姿勢でリズムを変えてみましょう。
低い姿勢だとよりステップが速くなります。
リズム、連動トレーニングと言えるでしょう。
サイドクロスステップ
横を向いて足を左右に交差させながらスキップします。
カリオカとも言います。
小学校の体育やクラブ活動などでやったことがあるはずです。
ゆっくりリズムを刻みながらやったり、できるだけ速いステップで行ってみましょう。
スピード、リズム、連動トレーニングとなりますね。
ラインステップ
前向き&横向き、両足ジャンプ&片足の出し入れ、スピードの強弱などでバリエーションを変えてやってみましょう。
これもスピード、リズム、連動トレーニングとなりますね。
ラインダッシュ
ラインのない場合は狭い路地裏くらいの幅の道路でもいいでしょう。
車や通行人に気をつけてください!
以下のようにバリエーションを変えてみましょう。
? 左右のラインを交互にタッチしながらダッシュ
? ラインを触る代わりにライン上で1回転スピン
? ラインにタッチする度に前向き、後ろ向き、横向きに走り方を変えます。
スピード、瞬発力、バランス、判断トレーニングとなりますね。
ボックスステップ
ふくらはぎの筋肉は |
地面に3×3のボックスを書き、センターのボックスを中心に様々な方向へ足を出し入れ、または両足ジャンプをします。
思い付きではなくルールを決めてステップを刻みましょう。
そのルールに従って行うことが「反射、反応、判断」というスキルを鍛えます。
できるだけ速いスピードで。
例 : 前、後ろ、右、左 / 時計回り / ボックスの中と外を出たり入ったり
スピード、瞬発力、判断、リズム、連動トレーニングとなりますね。
ステアステップ
単純にラインでやったことをステア(階段、段差)を使って行います。
しっかり平面で速いステップができるようになったら行ってください。
まだうまくステップができないと足を引っ掛ける原因になりますよ~。
スピード、瞬発力、リズムトレーニングとなりますね。
イメージトレーニング
スノーボードをイメージし、その形でのバランス感覚、運動の連動を養います。
リズム、バランス、連動トレーニングと言えますね。
ビーチフラッグ式ダッシュ
スタート姿勢を様々に変化させ、その状態から素早く立ち上がりダッシュします。
できれば手を使わないやってみるとさらにバランス、運動の連動トレーニングになりますよ。
例 : 仰向け&うつ伏せ / 腕立て10回 / もも上げ10回 / 360スピン
反射、バランス、連動、瞬発力、スピードなど多くのことが一度でトレーニングできますね。
ももあげして、スピンして、ダッシュして。様々なバリエーションを加えてやってみよう!
クロスラン
自然の森の中などを走り回ります。
見つけた障害物は積極的に乗り、また障害物にリズムを合わせてステップを刻みます。
森が近くになくても、公園や路地裏の起伏&段差などで応用できます。
反射、判断、バランス、連動、瞬発力など、これも一度で多くの神経トレーニングが可能ですね。
各種スポーツ
単純に様々な運動要素が入ったスポーツが神経系トレーニングをしたことになります。
では今一度今回のキーワードを確認してみましょう。
? スピード、瞬発力
? 反射、反応、判断
? リズム
? バランス
? 連動
あなたがやろうとしているスポーツはどの要素が入っていますか?
これらを意識してやってこそトレーニングとしての意味があるのを忘れずに!
では今回のメニューです。
2種類ありますが、最初のもの(メニュー?)には今回の「神経系トレーニング」は含まれていません。
まだ筋肉の準備ができていないと考える方はこの最初のメニューから始めるといいでしょう。
2つ目(メニュー?)は時期的に(秋も目の前なので)もう始めて構いません。
自重(重り一切なし)で苦ではなくなった方は、回数やセット数を上げメニュー間の休憩を短くすれば「筋持久力トレーニング」として大きな効果が得られます。
もしくは重さを加えることで筋肉を大きくさせる「筋肥大トレーニング」となります。
自分の体の状態を考えてメニューをアレンジしてみましょう。
自分の体を自分で作るのです!!
さあ冬は近いです!
しっかり体を準備してシーズンを迎えましょう!
メニューについて分からない事はお気軽に私のブログよりお問い合わせください。
メニュー? <月> ジョギング 30分 体幹メニュー 4部位すべて 各1セット 上半身メニュー (5部位中の)2部位 各1セット 下半身メニュー (4種目中の)2種目 各1セット ストレッチ 10分 <火> <水> <木> <金> <土> <日> |
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効果抜群!オフトレ(上) http://www.dmksnowboard.com/special/2985
効果抜群!オフトレ(中) http://www.dmksnowboard.com/special/3045
講師:高石 周 1970年4月11日生まれ 39歳 新潟県出身 現在カナダ・ウィスラーにてCSBA(カナディアンスポーツビジネスアカデミー)にて、スノーボードコーチとして活動。 Sponsors: Volkl, Flux, Cross 5 |