アメリカのオリンピック放送局としてお馴染みのNBC SPORTSは、これまで2回に渡りショーン・ホワイト(30歳)が利用したプライベート・ハーフパイプは今回使用しないとリリース。アメリカのチームメイトたちとマンモスマウンテンで練習を積むという記事を紹介した。
http://olympics.nbcsports.com/2017/04/18/shaun-white-winter-olympics-pyeongchang/amp/
ショーン・ホワイトは、前回のソチ五輪、前々回のバンクーバー五輪でショーンだけの専用パイプを用意をしてもらって、そこで練習を積み五輪に挑んだ。
結果ご存知の通り、バンクーバーでは金メダルを獲得したが、ソチ五輪は4位という苦渋を飲まされた。
そして今回、自身4度目の五輪に挑むにあたり、マンモスマウンテンのパイプを使用し練習するという。
同じアメリカのチームメイトであるケリー・クラーク、クロエ・キムと共にパイプに入る。
元々マンモスは、ショーンが幼少期に通った思い出深いスキー場だ。毎週金曜日になると、1964年モデルという古いバン、通称ビッグモーで雪山に通い続けた。
ショーンは、共にトレーニングするケリーとクロエに対して冗談で「ケリーは、(女性なので)ライバルにならない。クロエも16歳と若いし。」と語った。
ちなみに記事では触れていないが、ショーンは昨年1月にマンモスマウンテンの一部株を保有したという報道もあり、マンモスは彼にとっては融通が効くところ。周りに騒がれずに集中した環境が作りやすいと言えるだろう。
ショーンは、マンモスだけでなく、スノーサミット、ベアーマウンテンのオーナーであるとも言われている。しかも世界最高峰のビッグエアー大会イベント、AIR + STYLEのオーナーである。もはや彼にとって人生の生きがいは、平昌オリンピックの有終の美を飾るということなのかもしれない。大の負けず嫌いのショーンだけに、前回五輪の落とし前を晴らすべく、マンモスで徹底的にライディングを磨いて来そうだ。
また、今回の記事では、ショーンのライバルとなりうるライダーにも触れており、オーストラリア出身のスコッティ・ジェームスが、X-Gamesでダブルコーク1440を挑戦し失敗したが、「素晴らしい!」と彼のチャレンジを称えている。またスコッティのスムースかつビッグに決める姿にもリスペクトしているようだ。
さらに記事の最後には、ショーンのライバルとなる日本人選手とスイス人選手のことも紹介。
平野歩夢はUS OPENでの転倒により、肝臓と膝内側側副靱帯(MCL)損傷。また前五輪金メダリストのユーリ・ポドラドチコフは、ワールドチャンピオンシップで膝前十字靭帯(ACL)損傷したということで、ショーン有利という情勢も伝えている。
ショーン・ホワイトの五輪ヒストリー
2006年のトリノ・オリンピックでは、予選1本目で手を付いてしまい結果7位。予選1本目通過はならなかったが、予選2本目以降では完成度の高いトリックを次々と披露し、大逆転に成功。金メダルを獲得し全米を熱狂させた。その時、赤毛の長髪姿が印象的だったショーンは、The Flying Tomato (空飛ぶトマト)と呼ばれるようになる。
2010年、バンクーバー・オリンピックでは予選を1位通過し決勝進出。決勝1本目では、ダブルコーク1080、スイッチダブルコーク1080、ダブルコークを連発し46.8ポイントという高得点を出した。以降ショーンのポイントを超える選手が現れなかったためオリンピック2大会連続の金メダルが確定となったが、2本目ではさらに難易度を上げ、ダブルマックツイスト1260までもをメイク!48.4点を叩き出し、ショーン・ホワイト絶対王者時代を作り上げた。
2014年、ソチ・オリンピックは、初めてスロープスタイルがオリンピック種目に。かつてX-Gamesのスロープスタイルで金メダルを獲得するほど、スロープも得意であったショーンだが、練習中にコースの危険度を察知し、まさかの棄権をする。ハーフパイプに専念したが、パイプ・コンディションが悪く思ったようなパフォーマンスを発揮できず。ユーリに金、平野と平岡という日本コンビに銀、銅を奪われ、ショーンにとっては悔しさだけが残る大会となった。
この年から、ショーン・ホワイト引退という噂が飛び交っていたが、引退を報道したのはメディアの勝手。ショーンは韓国・平昌オで行われる4度目の五輪に標準を合わせていた。現在30歳のショーンは、今、再び金メダルに近い実力者ぶりを見せている。
夏のスケートボード種目、東京オリンピックにも出場したいという意向もあるようで、実現すればまさにドリームストーリーだ。