4年に一度、dmkクラブが贈るビッグなスノーボード・ツアー。それがdmk祭りだ!
毎年、様々な奇跡を叶えるdmkツアーでは、今回も突然のパウダーに見舞われ至福の時を過ごした。
そして今回は、dmkクラブ創立時から引っ張って来たアヤ部長が、「部長引退」を宣言した節目のツアーでもあった。
このアヤ部長の長年の功績と苦難を最も知るモリッペが、記念すべきイベントのリポートを買って出てくれた。
元祖リポーターのモリッペが、この歓喜に沸いたdmk祭りをお届けしよう!
リポーター:モリッペ
写真:フサキ、ノギー、他dmkのみなさん
こんなことを言ったら怒られるかもしれないけれど、もし、山の神様か、雪の神様か、スノーボードの神様がいるとしたら、dmkクラブはもしかしたら、割りと気に入ってもらえているのかなと思う時がある。
天気予報で見た縦に混んだ等圧線の通り、その前日の夜、新潟は大雪だった。関越道は東京方面から関越トンネルを越えた途端に、前が見えないほどの吹雪。とにかく風が強くて、この調子では明日はリフトが動かないんじゃないかと心配だったけれど、それが、朝になったらぴたっと止まって、太陽まで出てきたのだから、やっぱり何かが味方してくれたって気がする。
さて、今回のキャンプはとっても特別!なんたって久しぶりのdmk祭り!そこに今年は35名のクラブ員さんが参加してくれたのだ!
ゲレンデはdmkとしては初めて、上越国際を利用してのキャンプとなった。もちろん、祭りといえばこの人がいなければ始まらない、我らが総大将、飯田フサキを始めとし、ゲストのライダーも豪華な顔ぶれで、最近のスノーボードシーンでは間違いなく、とーってもキュートな女の子ライダーに数えられ、その人気、実力ともトップクラスとして大注目を集める田中幸ちゃんと吉沢こずもちゃんの2人。そして、dmkではおなじみnomisライダーの平野ハジメ、それに初日だけ飛び入りでミナミのライダーセッキーの合計4人!
dmk祭りなのだから、フサキさんの登場を期待するのは当たり前だけれど、それを措いても、今をときめくキュートな女性トップ・ライダーが2名も来てくれるというだけで、否応無しに盛り上がる。
いつものキャンプでは、アヤ部長の独断と偏見と変なネーミングでの事前のクラス分けが恒例だけれど、今回はそういった枠を設けず、当日いきなりフサキさんのフィーリングでクラスを分ける予定だ。上越国際に行ったことのある人ならわかかると思うけれど、ゲレンデへのアクセスはいったんリフトに乗って小さな丘を越え、そこを滑り降りると、ようやくボウル状のベースへ辿り着く形。柔らかな日差しがなんとなくプッシュしてくれるゲレンデで、のっけから緩い感じが心地いい。
「ベースで待つフサキさんとライダーたちのところへ、自己アピールをしながら滑り降りて~」と言われ、順番に滑り降りる。そこで4つのチームに分けられて、午前・午後、翌日とで4人のコーチすべてといっしょに滑れる仕組みだ。
チーム編成は“フサキ父さんチーム”、“ハジメくんチーム”、“サチちゃん&こずもちゃんチーム”、“セッキーチーム”の4チームに分かれたが、いざ分かれてみるとサチちゃん&こずもちゃんチームはチームメンバーが女の子ばかり。「おお!ここに入れた男子はオイシイよねぇ~!」と言う声がある中、フサキさんの勝手な推選でノギ~とカッチンら2~3人が入ることになった。しかし、ハタから見ただけで、なんてキラキラしたチームなんだろう。もう見るだけでマブシイ。
さて、そんなキラキラチームと別れて、私はセッキーチームに付いていくことになった。メンバーはいわゆる古株、dmkに7~8年は在籍している人たちが9割。フサキさんに言わせると“懐かしメンバーチーム”だ。言い方が悪いけど、ゴーグル取ったらおじさんばかりってこと。キラキラのキの字もない。コーチだから仕方ないんだけど、なんか、ごめんねセッキー(笑)。
素敵な花に囲まれて、ラッキーな思いをした一部男子。 |
こちらは昭和の匂いが漂うdmkおじさん組。 |
上越国際は大きく分けると、前の方と裏の方で2つのパートに分かれたようなレイアウトをしている。まずはリフトで上り、裏の方へ降りる手前で、そこにいたインフォメーション係のような人に「リフト、動いてますか?」と確認したら軽~く「動いてますよ~」との答え。じゃあとばかりに意気揚々と滑り込んでいったら、あらら?何だか、様子がおかしい??滑り降りるにつれ、こちらへ戻るリフトが動いていない状態で見えてきた。「なんか…変じゃない?」と止まった時には既に手遅れ。今降りてきた頂上ははる~か上だ。ただ係の人が嘘を言ったわけではない。“動いている”のは、裏のゲレンデで上部へ向う別のリフト。しかたなく予定を変更してゲレンデ上部を目指して出発。メンバーはセッキーとも何度か滑ったこともあるような人たちばかりで、気心も知れている。それにしても上越国際はみんなあまり慣れていないゲレンデのようで、どうもレイアウトが飲み込めない。ところどころでゲレンデマップを確認しながら目的地に辿り着けた頃には、もう下らないとお昼に間に合わない時間だった。そんなわけで残念ながら軽いルート・ツアーをした感じで午前中は終了となってしまった。
まさに神業!なんとパウダーにも恵まれ、おもいっきり楽しんだクラブ員たち。写真は常連のシンタロウくん。 |
あとで他の人から話を聞くと、この午前を一番楽しめたのはキラキラ・サチ&こずもチームだったようで(名前だけでもうらやましい?)、昨晩降りまくった重めのパウダーを、思いっきり蹴散らして“秘密のルート”を作って楽しんできたらしい。
今回の“祭り”は、特に何をするっていう大きなテーマは決めていない。でも言うなれば「日本で一緒に滑る機会の少ないフサキさんと、この日くらいリラックスしてスノーボードを楽しもう!」というのが全体のテーマだろう。いま、このレポートを読んで、祭りってなんだろうと思っている人もいるかもしれないが、振り返ればその昔、まだ若かりし飯田フサキをメインコーチとして開催していたハウツー・キャンプが形を変えたもの。それがdmkのクラブメンバーが倍増してきた頃、自然発生的に、難しいことよりも楽しむって事を一番に考えた大きなイベントをやろう!という流れが生まれて、とにかくみんなで集まって、どれだけ楽しく、dmkらしいスノーボーディングができるかってイベントに生まれ変わったものなのだ。dmkとしては実はクラブの指針を確認するちょっと気合が入るイベントだ。
ゆっくりお昼ご飯をとったあと、午後からはセッキーに代わり、フサキ父さんがコーチについた。父さん、今年はnomisの白いウエアを着ちゃって、今までのフサキ父さんらしからぬ、なかなかキュートなスタイルでの登場だ。でもウエアって実質的な機能だけじゃないんだなって、最近思う。素敵なものを着るとそれだけで自分の気持ちもアップするし、スノーボードのメンタル・アイテムとして、結構重要な位置を占めていないだろうか。
フサキ父さんは懐かしい顔ぶれのチームがよほど嬉しいらしく、出発前にしきりに「懐かしいなぁ~」などと言いながらニコニコしていた。結局出発の際に、他のチームとはぐれてしまったゆうちゃんと、ミカチンの2人も一緒に交えて午後をスタートした。フサキさんは「ペースを上げていくよ~」と言いながらも、やはりハウツーの神様、途中途中でしっかりポイントを押さえてハウツー講習を繰り広げてくれた。このチームのメンバーはフサキさんのハウツーには慣れている。このキャンプがdmkクラブ初参加のやちくん、ゆうちゃん、ミカチンを除いて、もうすっかりお手の物だ。もちろん初参加の3人も、フサキさんの出した課題にとても楽しそうにチャレンジしていた。
そんな楽しい時間も、そろそろ集合時間かな、ということになって、ベースへ降り始めたら途中でハーフパイプに行き当たった。こういうものを見つけたら入らないわけにはいかない。入ってみるとなかなか滑りやすい形で、左側の壁は何もしなくてもボードのノーズがリップを超える感じだ。
カナディアン・オープン覇者のジェド・アンダーソン登場! |
みんなが滑り終えるのを待っていたら、ひとり飛び抜けてうまい人が下りてくるのが目に入った。すると隣で突然フサキさんが「お!あの人すごい。めちゃめちゃうまい!…あれ?ジェドっぽいな?あれ?ジェドじゃない?あんなにうまいのはジェドくらいだよ」と言っている。そして滑り終えたその人に向って「Hey!Jed!!」と大きな声で呼びかけた。その間本当にあっという間。人間違いだったらどうするの??と思っていたら、Jedと呼ばれたその人はフサキさんのところへ滑り降りてきて「Hi!」とか言っている。ああ、人違いではなかったのね。フサキさんとの話を聞いていると、どうやらこの週末にこのゲレンデで行なわれているスロープスタイルの大会に出場しているらしい。もともとdmkがここでキャンプをやることにしたのも、その大会にシモンがエントリーする予定だったからなのだが、実は今フサキさんと会話している“ジェド”の正体はジェド・アンダーソン。若干17歳だが2月頭に行なわれたカナディアン・オープンでの優勝者だ。彼は13歳の時にフサキ父さんがプロデュースするDVDに出演している縁があるのだ。「せっかくだからいっしょに写真を撮ってもらおうよ」ということになり、このチームだけ、ちょっとおいしい思いをさせてもらった。
少し早いけれど3時半にはひとまず終了して、自由解散。一昔前ならがっついて、そのまま滑り続ける根性があったが、今日はみんなとおとなしく宿に帰って明日に備えることにした。
食事のあとは、いつもよりは気合の入った飲み会スタート!なにしろ祭りはみんなで楽しく盛り上がることが目的だ。今回は飲み物もお菓子も協賛品のプレゼントもたくさん用意されている。みっくんとゆうじろうくんからもお菓子の差し入れがあった。その内1点はきな粉棒。昔は駄菓子屋に売っていて、何本かに1本“アタリ”があるというあれだ。きな粉にまぶされた細長い餅が爪楊枝に刺さっている。その餅を食べて、楊枝の先が赤ければ当りという仕組み。きな粉棒を各テーブルに配っていたら「これアタリ入ってるの?」と訊かれたが、これが駄菓子屋に並ぶものと同じものとは思えず「いやー。ないでしょー。これには…」と答えていたら、いきなり、奥の方のテーブルにいたまきねーが「あたったー!」と叫んだ。「え!ウソ!すごい」とみんなが盛り上がると、結構次々に「あ!これもアタリ!」という声が聞こえる。へー、あるもんだなーと感心して、アタリの爪楊枝を見せてもらった。実はアタリのきな粉棒を見るのは初めてだ。爪楊枝の先がほんのちょっぴり赤くなっている。その様子がなんだかとてもかわいらしくて、日本人の遊び心のようなものに妙に感心してしまった。
盛り上がり過ぎ!?の宴会。 |
マツモトワックス・レンジャーも帰って来た! |
ところで、祭りといえばコーチ以外にもう一人、忘れられない人がいる。以前からキャンプに参加してくれているメンバーさんなら、一度はどこかで会ったことがあるかもしれない。そう、地球人ではないあの人だ。dmkがキャンプを行なうと聞きつけると、わざわざ遠い星から黄色いスーツに身を包んで登場し、ワックスに悩む者にその優しき愛の手を差し伸べるヒーロー。その名も、マツモトワックス星の戦士!“マツモト・レンジャー”だ。dmkスタッフの間には、今回もすでに彼が地球に到着しているという情報がもたらされていた。
「プレゼントといえば…?この人を呼ぶしかないでしょう!!」というフサキさんの掛け声と共に沸き起こったレンジャー・コール。その掛け声の中、颯爽と姿を現したのは、紛れもないあのレンジャーだ!だが…、今までと何か違う。身体をくねらせて踊るポーズはおなじみなのだが、以前はスーツに包まれ揺れていたおなかが、妙にシェイプアップされている。どうやらレンジャー、ダイエットをしたらしいのだ。戦隊物にふさわしい体型に近づいたのかもしれないが、あの震えるおなかがないのはちょっぴり寂しい気がする。
レンジャーはサンタクロースよろしく協賛品のプレゼントを担いで来てくれた。袋の中身はnomis、マツモトワックスなど。レンジャーはいつの間にnomisと仲良くなっていたのだろう。知らなかった。
おまけに、今まで黙して語らず、言葉を話さないという定説のあったレンジャーが今回はアヤ部長のインタビュー中に、ついに声を出したのだ。長年のdmkとの交流の間に、言葉を覚えたのだろうか。シェイプアップといい言葉といい、レンジャーは見えないところで進化を続けているのかもしれない。
さて、レンジャーが担いできた袋の中身だが、nomisからフーディ、キャップ、アクセサリー、ステッカーなど、どれをもらってもうらやましくなるようなものばかり。それだけでも嬉しいのに、セッキーが私物を数点提供しくれた。セッキーは今回直前のお願いで来てくれたのに、プレゼントまでしてくれて、本当にありがたい。Von zipperのゴーグルも、替えレンズ付きでどーんと出してくれるなど、申し訳ないほど協力してくれた。
プレゼントは通常、ライダーとのジャンケンが定番。サチちゃんとこずもちゃんはゲレンデとはまた一味違ったとってもキュートなnomisファッションの着こなしで登場し、その場で、賞品の中から『デートにピッタリのコーディネイト』などのアレンジで楽しく賞品を決めてくれた。だがそんなかわいい感じだけで我らがdmkは終わらない。今日はやけに調子のいいフサキ父さんが「頭に小指を置くのが一番早かった人!」とか「親指が、ハジメと同じくらい反り返る人!」とか、ジャンケン以外に勝手な基準をどんどん出していく。親指の反り返りで勝ったのはしおりちゃん。関節が逆側に90度近くまで曲がる。本人は今まであまり自覚がなかったようだが、いやいや、一見物でした。
今回は家族やカップルでの参加が多く見られたが、プレゼント大会でも娘のもらった賞品に感激する父、夫から妻への賞品プレゼントなど、ファミリー参加ならではの微笑ましい場面がいくつか展開された。
そして、今回の大物賞品はnomisのボード!
私は今日の午後からdmk会長のむらっちょさんとも合流して滑っていたが、むらっちょさんはnomisの板を持参していた。ベースはテックナインの板だという。やはりあのnomisの板といわれればその使用感に注目が集まる。あくまで参考までだが、むらっちょさんによると「かなり柔らかいよ。パークとかには向いているかもしれないけれど、荒れた斜面でのフリーランではちょっと暴れるかな」ということ。その注目のnomisボードは、その昔アルペンライダーで、ジブとはちょっと遠い位置にいる(?)マサオさんがゲットした。
ともかく宴会は相当な盛り上がりをみせ、最後にはフサキ父さんが上半身裸になるという前代未聞の気合を見せ、終了となった。そのあと、あまりの興奮状態に眠くならなかったのか、宿の階段上のフロアでおしゃべりをする人もたくさんいたようだが、明日のゲレンデに期待して12時頃にはみんな眠ったようだった。
Nomisから大協賛の豪華プレゼント。ライダーのハジメも一役買って出た。 | 夢のNomisボードをゲットしたのは、dmkクラブ重鎮のマサオさんだった。 |
2日目は朝からいいお天気だった。スタートは少し遅めに設定して、それまでの間は自由時間になった。ゲレンデに滑りに行く人、ゆっくり起きてのんびり支度する人さまざまだ。
昨日と同じボウル状のベースに集合して、キャンプの開始となった。私は今日はどこか違うチームに付いていこうと思っていたのだが、例の古株チームにサチちゃんが付いてくれることになったので、特にチームを変えることなく留まることにした。
サチちゃんは開口一番「今日は山頂に行ってみたいんだけど!」と提案してくれた。だが山頂といえば、昨日セッキーと行って、たどり着いたら戻らなければならなかったというちょっぴり残念な思いが、このチームのメンバーの気持ちにあったようで、みんなの返事が鈍い。せっかく盛り上げてくれようとしたサチちゃんだが、「あー…、じゃあ、とりあえずここ上がって考えましょう」となんとなくおじさん団体の空気をつかみにくそうな感じで、私などから見れば、気の毒な感じがした。
しかしそこは、やはりプロ。リフトを上がりきる頃にはすっかり気分を切り替えて「昨日行った秘密のコースがあるんですけど、今、上から見ていておもしろそうなところがあったんで、そこへちょっと行ってみてそれから秘密のコースに流れる感じでいいですか~?」とこのメンバーが喜びそうな提案をしてくれた。もちろんみんな即賛成。早速その場所を目指したが、途中で思わぬ邪魔が入り、あえなく退散。しかしそれでもめげないサチちゃんは、そのあと迂回コースのコース脇を滑り降りるやんちゃをしたり、テールプレスや、パウダーを巻き上げる時にカッコよく見せるために役立つ基礎など、プチ・レッスンをいくつか繰り広げて、とても2時間とは思えない中身の濃い時間を提供してくれた。そのレッスンはおじさんメンバーたちからも理論的でわかりやすいと高い評価を得たようだ。
サチちゃんといっしょに滑って感じたことは、とにかく持っているパワーが凄いってこと。上級レベルの男たちを率いても、それをまったくダレさせず、惹きつけていける体力と、精神力が半端ではない。やちくんが「サチちゃんは夏に背中の骨を折る大ケガをしたから、今シーズンは滑れないんじゃないかと心配したけど…」と言っていたが、本当にその通りで、その回復力と強い精神力は、彼女のかわいい笑顔からは感じ取ることができない。内に秘めた力というのだろうが、そんな一面を知れば知るほど彼女のファンになってしまう。
さて、午後になったら祭りもそろそろ終盤だ。私はまだ一度も一緒に滑っていないこずもちゃんチームに付いていこうと思っていたが、今日は都合で午後から帰ってしまう参加者も多く、ふたを開けてみたらサチちゃんチームはたったの5人になってしまっていた。それではあまりに寂しいというので、私はまたもやサチちゃんチームにお供した。メンバーはあきちゃん、ゆうじろうくん、けんじくん、ますみさん、そしてますみさんの娘さんで12歳のしゅくちゃん。午前にくらべだ~いぶほのぼのしている。
サチちゃんは今度こそお願いという感じでみんなに「山頂行ってもいいですか?」と切り出していた。よほど山頂に行きたいのだろう。午前のおじさんチームのようにかたくなではないほのぼのチームは異を唱えることなく、素直に山頂を目指すことになった。山頂へ向うまでの間に、サチちゃんはどこで見ているのか、所々でみんなの滑りをしっかりチェックしていて、適切なアドバイスをしてくれている。dmkのどのキャンプに参加しても思うことだが、こういうところって本当にプロでやっている子のすごいところだと思う。
リフトで上って、トラバースして上って、と数回繰り返したが、やはり上越のレイアウトは厳しい。ふと時計を見るといつの間にか「あれ?間に合わなくない?」って時間になっていた。そんなに時間を取った気もしないんだけど、どう見ても時計の針の残している時間は山頂を目指せないと言っている。
「え~。昨日もここまで来て挫折したんだよ~。おんなじ場所だよ」とサチちゃん。あら?なんだ昨日も山頂目指していたのか…。「山頂遠いな~」と残念そうな表情に、かわいそうだけれど、なんかかわいいと思ってしまった。
「帰り道はわかってるんだよ。昨日もここから帰ったから。だけど途中がタラタラなんだよねー」とサチちゃん。ハイ、そうですね。私はきのうもセッキーたちと通りました。途中、スキーヤーもめげるスーパースケーティングロードがあるんですね。でも仕方ない。
スケーティングが終わったあとのケンジくんとしゅくちゃん、文句タラタラって顔だったけど…。お疲れさまでした。
3時半からはキャンパー、ライダー全員での一斉ゲレンデツアーを開催した。これほどの大人数で滑る楽しさは、キャンプ以外では味わえないし、実際これってすごく楽しい思い出になる。はぐれる人が出ることを予想して、最終待ち合わせ場所だけ決めて、あとはもう本当に自由にフサキさんに付いていく感じだ。私も一応スタッフとしてなんとなく今まで緊張していたような気持ちも解いて、かなり気ままに滑ってしまった。滑っていくと先のほうに所々にキャンパーの姿が見えて、なんだかそれだけでとても楽しい気分になる。
最後にみんながベースで集まったところで、ちょっとした感動があった。今回のキャンプにはゆうじろうくんの娘で11歳のスイちゃんが参加していたが、参加当日実はまだターンができなかった。それで、キャンプのあいだ中、本隊とは別れてアヤ部長の特別レッスンを受けていたのだ。そのスイちゃんが、ベースのゲート側から集合場所まで、アヤちゃんに続いてゆっくり滑り降りてくる姿が見えた。両手を広げ本当にゆっくりではあったが、ちゃんと左右にターン弧を描いて降りてくる。拍手を送らずにはいられない姿だ。そして、そんなスイちゃんを実際に拍手で迎えてくれるみんなの優しさが、本当に温かかった。
全員が集まったところで、フサキさんと、アヤ部長、そしてライダーのみなさんから挨拶をもらった。サチちゃんも、こずもちゃんも、ハジメくんもとても楽しかったようで、みんなとてもハッピーな表情で楽しそうに挨拶をしてくれた。いつも思うことだが、dmkのキャンプはキャンパーはもちろんコーチやライダーまで、参加した全員がとても幸せな気分でキャンプを終えることができる。dmkマジックとでもいうのだろうか。
一通りの挨拶が終わったあとは、ライダーとの貴重な2ショットを求めて大撮影大会となった。そういえば当初心配していた天気も2日間ですっかり晴れ渡り、今はちょっと西に傾き始めた太陽が、青い空を少しだけオレンジ色に染め始めている。
山の神様か、雪の神様か、スノーボードの神様がいるとして、もしかしたらdmkクラブが少しだけ気に入られているなんて、ちょっと生意気な考えかもしれないけど、でも案外わからない。だってdmkクラブには、さだまさし似のハウツー“天使”がいるんだしね。
アヤ部長の熱心な指導でスイちゃんがターンできるようになった。手前ゆうじろう父さんにの目には光るものが。 | 左からこずもちゃん、ハジメくん、フサキ父さん、サチちゃん。楽しいキャンプをありがとう! |
長年、dmkクラブ部長ご苦労様でした。
部長を引退するアヤからのメッセージです。
モリッペ!今回も楽しいレポートありがとう。
そう、初心者チームのスイ&アヤチームもこの2日間とても楽しくて充実していました。
今回も運営やディレクションだけでなく、コーチとしても大活躍したアヤ部長。 |
スイちゃんが、祭りの前までにしっかり身につけていたことは、バインディングのスムースな脱着、スケーティング、リフトへ乗ること、リフトから下りることは成功率50%、前向きの木の葉落としでした。だから私たちは、ツアー2日目が終わる時には、左右どちらものターンが出来ている!としっかり目標を決めてからスタートしました。そのために後ろ向きの木の葉落としも、直滑降も、クルクル回って遊ぶこともいろんなことをしました。
ただ同じ場所で練習するだけじゃつまんないから、冒険トリップもしました。けっこう遠くに行っちゃって、初日はお宿に戻るのが遅くなってしまたり、ちょっと急すぎるね!という斜面にも出会ってしまいました。たくさん転んだし、スケーティングで移動することも多かったから、私の10倍以上スイちゃんの身体は疲れているハズなのに、ほとんど休みなく楽しいという気持ちを前に出して、スノーボードに挑戦した彼女はたった2日で目標のターン、それも連続ターンをクリアしました。dmkツアー(キャンプ)で、初心者・初級者チームをよく担当させてもらう私は、スノーボードを通して大きな感激を幾度も経験させていただきました。自分が出来なかったことが出来るようになった時も嬉しいけど、自分の知っていることを仲間に伝えて、その仲間がそれを喜んで受け入れてくれた時の喜びも本当に大きいです。もしかしたら自分の時以上かも・・・。今回もありがとう!
ツアー開催前にスタッフには打ち明けていたけど、私は今年の「dmk祭り」をもってdmkクラブ部長を引退します。
4年前、同じような時期に開催したdmkツアーに「dmk祭り」と名付けて、たくさんのクラブ員さんやライダーさんが参加してくれて、“祭り”というからには4年に一度と盛り上がり、その4年後にまたdmk祭りを開催できて本当に嬉しかったです!他にも思い出に残るキャンプはたくさんあるけど、やっぱり“祭り”を作り手として最後の記念にしようと思います。
dmkクラブを通して出会えた友人とは一生大切な仲間でいさせてほしいです。
dmkクラブで本格的なスノーボードキャンプを作ってみようと思い描いた時に、協力してくださったプロライダー(コーチ)のみなさまに一生感謝します☆☆
dmkという環境を私に与えてくれたフサキさんと、むらっちょさんには一生お世話になります(笑)。
今私に、一生を通してかなえたい夢の1つが、近づいて来ているの☆
部長という大役をおりても、これからも自分のやりたいこと、実現したい夢に向かって元気に進んでいこうと思います!もちろん、これからもdmkイベントには参加するので、またみんなに会える日が楽しみです♪もしも夢が1つかなったら、その報告もしたいです。
ひとつの区切りとして、今までお世話になったみなさんへ「ありがとうございました!!!」 dmkアヤ