ハチマキ親父と凸凹姉妹のスノボ奮戦記

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見た目は、スノーボーダーっぽくないゆうじろうだけど、本当は人一倍スノーボードが大好き者。
普段は、大工仕事をするハチマキ親父だ。

親父には、可愛くして可愛くてしょうがない愛娘が二人いる。
11歳の姉は、運動があまり得意ではなくちょっぴり太めで体がカタくビビリ屋さん。
7歳の妹は、やせっぽちだが運動は得意で体が柔らかく度胸がある。

今回は、そんなハチマキ親父が凸凹姉妹にスノボを教えるという涙と笑いの体験レポートをお届けしよう。

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文:ゆうじろう

私は二人の娘の親父です。

気持ちは若い時のままのつもりなのですが、ふと気がついたら、30代は「あっっ」という間に過ぎ去り、今は四十路街道をテクテクと歩き始めたところです。

スノーボード暦は11年ですが、年間滑走日数4~5日ほど。生涯滑走日数は「50日滑ったかなぁ。」という程度の、全然コアじゃないヘッピリスノーボーダーです。

私自身、人様に教わったことがあるのは、初めて自分の道具を揃えた時に初心者コース2時間、その後、4、5年前に一人でゲレンデに行ったとき、あまりにも寂しかったのでフリースタイルコースというのに2時間、あとは、2年前にdmkウィスラーツアーで教わっただけです。
当然、基礎や理屈は、過去の少ないレッスン経験や雑誌等で得た中の記憶に残っているものだけしかわかりません。

そんな私が、我が家の凸凹姉妹(長女11歳、次女7歳)にスノーボードを教える(っていうかとりあえず滑れるようにさせる)ことになりました。

次女は、スキーでボーゲンチョッカリでかっ飛ばしてましたが、去年から「アタシは今年からスノーボードをやりたい!」と宣言。
親バカな私は、「んじゃ、ボード一式買ってやるぜ」なんて、酔っ払ったついでに言ってしまったのがことの始まりでした。

シーズンに入る前にやっているウィンターバーゲンで、バートンのジュニアブーツ(一昨年モデル)が売っており、目ざとい次女は、早速試し履きして「アタシ、これでいい!」と、強引に決定。妻はしぶしぶクレジットカードを財布から出していました。
ブーツを買ったら、板も買わなきゃということで、次女の暴走振りをじっと見ていた長女に、「お前はスキーとスノーボード、本当の本当はどっちをやりたいんだ?」 と聞いてみました。

実は、長女のボードデビューは6歳の時。
いつもスノーボードの雑誌ばかり読んでいる私を見て、「スノーボードやってみたい」と言ったので、バートンのLTRレッスンに入れたことがありました。
レッスンには小学校中学年の男の子から、まだ保育園のうちの長女まで、7~8人いて、それを一人の女性イントラが教えるというカタチでした。
しかし、
運動があまり得意ではなくちょっぴり太めで体がカタくビビリ屋さんの長女は立つことも、もちろん立ち上がることもできず、ちょっと滑ったら気持ちよく転び、痛いのと立てないのと悔しいのとで、マンガじゃないけど、本当にゴーグル3分の1くらい涙のプールを作り、4時間で申し込んだレッスンを2時間でリタイヤしました。

それ以来、「スノーボードは嫌い×」それと「スクールは絶対入らない×」となってしまい、ずっとレンタルでスキーを楽しんでいました。

しかし、去年の「毎年恒例お正月スキーツアー」で突然、「今年はボードをレンタルしたい」と言い出し、2泊3日の二日間、長女は自らスノーボードに再チャレンジしました。当然スクールは拒否です。
が、そのレンタルしたブーツと板が、今思えばまったくお粗末なもので、「運動があまり得意ではなくちょっぴり太めで体がカタくビビリ屋さん」な長女はやはり自分で立ち上がることができず、ゆるゆる斜面で直滑降から、曲がろうとしてコケるというところまでしか上達しませんでした。
まぁ、教えているのが私だからしょうがないよな、と私自身その時、思いました。

そんな風にスノーボードにいい思い出がまったくない長女なので「ワタシはスキーがいい」と言ったら、次女にスノーボードセットを与えてしまった手前、
長女にはスキーセットを揃えてやろうと思いました。

しかし、長女は「本当はワタシもスノーボードをやってみたい」と言い放ったのです。
いやぁ、驚きました。
去年、神田のdmkのみんなと飲みに行った時、スタッフに「一人だけスノーボード街に似合わない人がいるなぁ」と言われてしまったのですが、実は人一倍スノーボードが大好きな私です。だから、とても嬉しくなって、「だったら、お前にもスノーボードセット買ってやるよ」とついシラフにもかかわず言ってしまい、結局、去年の暮れには長女&次女のバートンスノーボード三点セットが狭いながらも楽しい我が家に揃ってしまいました。
おかげで、4年前から何も道具を替えられません・・・(涙)

とにかく、買ってしまったのだから使わなくっちゃということで、畳の上で娘たちにボードは履かせ、立ち上がる練習を始めました。
いつも走り回っていて「やせっぽちだが運動は得意で体が柔らかく度胸がある」次女はすぐにすっっくと立ち上がれるようになりましたが、「運動があまり得意ではなくちょっぴり太めで体がカタくビビリ屋さん」な長女は、相当苦労していました。
しかし、何度も何度も練習し、完璧ではないですが何とか立ち上がれるまでになりました。

次は、フサキさんのお教え通り、ジブ練です。
これも次女はノーズプレス、テールプレスとも難なくこなし、挙句の果てに、教えもしないのに180までこなしました。
180する時も、ちゃんと両腕できっかけを作りジャンプ、そして回した両腕を反対側にカウンターを入れて着地してフィニッシュ。
座布団の上の出来事ですが、それはそれは見事なものでした。

長女の方は、唇をぎゅっとかみ締め、少しずつ体重を移動し、ちょこっと浮いたとこでヨロヨロっとして元に戻す。
う~ん、こちらも見事な慎重派ぶりでした。
いろいろ口で説明しても、なかなか通じないので(っていうか、私もたいして上手にできないので)、試しに部屋の押し入れを開け、中段にぬいぐるみを置き、手を伸ばしても届かないが、ちょっとプレスするとぬいぐるみに届く、というのをやらせてみました。
すると、なんだかカッコいいスタイルになってきちゃって、ヨロヨロもしなくなり、ぬいぐるみから段々距離を離していくことにより、どんどんボードが浮くようになってきました。
長女も、しかめっ面だったのが、少ししづつ笑顔になってきました。
子供たちの準備はこれでOK、ということにして、あとは私が雑誌「雪人」の中のフサキさんの「子供のためのスノーボード上達講座」でばっちり勉強しました。(笑)

そして、いよいよ今年の「毎年恒例お正月スノボツアー」(改名)です。

場所は「妙高池の平温泉スキー場」、1月4日、5日、6日と2泊3日です。
1日目は朝7時頃家を出て、ゲレンデに着いたのがお昼頃でした。
軽く昼食をとって、早速おニューのボードを持ってゲレンデに向かい、準備体操、板をつけてジブ練などをして、スケーティングからはじめました。

 

次女は持ち前の度胸で見る見るうちにボードに慣れていきました。
緩やかなところで、スケーティング→直滑降→ママがキャッチとあっという間にできるようになり、そのうちに自分で止まれるようにもなりました。
長女はというと、こちらも持ち前の慎重さでゆっくりとですがもくもくと練習してそーっと、スケーティングができるようになりました。

ここらで次女は疲れたのとちょっと飽きたので、ママと雪だるま作りに移動したのですが、長女はもくもくとひたすらハイクアップしてはワンフットで直滑降の練習をし、とうとう自分で止まれるようになったのです!

実は、「運動があまり得意ではなくちょっぴり太めで体がカタくビビリ屋さん」な長女は「根性」が次女の30倍くらいあるのです。
「根性」は凄いのですが、涙腺が普通の人の8倍くらい弱いので、すぐ泣くのですが、「もう休憩しようか?」と聞いても「まだやる」と限界までやり続けるタイプなのです。

二人とも完璧ではないですが、とりあえず今度は両足を着けて、軽く直滑降の練習をしてから、ヒールサイドの横滑りに挑戦させました。
雑誌のフサキさん講座通り、両手を持ってサポートしながらやりました。

次女はろくにできもしないくせに、斜面がちょっと急になっているから「もっと上からやりたい」と言って、勝手に登っていき、「こっちまで来てぇ」と叫び、仕方なくいってやり、 私はもうほとんど後ろ向きダッシュみたいな感じで練習させられ(?)た結果、3、4本やった頃はもうできるようになっていました。
そして、またハイクアップに疲れたのと飽きたのとで、ママと雪合戦に突入です。

実は、「やせっぽちだが運動は得意で体が柔らかく度胸がある」次女は、長女の15倍くらいマイペース(自己中心的?)で要領がいいのです。
いつもは凄いママっ子のくせに、都合のいいときだけ「パパ来てぇ」とか、「パパと行く!」とか言うのです。将来、キャバクラ嬢にでもなったら、一財産作りそうなタイプなのです。

話が横にそれましたが、今度は長女です。
慎重派の長女は、一人で自分ができそうな斜度のところをもくもくとハイクアップし、硬い体を一生懸命曲げてバインを装着し、ちょっぴり太めな体を必死に立ち上げ、(ここまで結構時間がかかっています!)
次女に振り回されている私を待ち、ズリズリと横滑りにチャレンジし、ゴール地点に着いたら板を外し、次女と振り回されている私に目もくれず、またもくもくとハイクアップをします。

ここで、長女のスノーボーディングが過去のものと違うことに、私はふと気づきました。

今回、初めて自分のギアを揃えたのですが、ブーツもバインも板も自分で選んだお気に入りのデザインなので、やる気が凄いのです。
もくもくとやっているので心配になり、「大丈夫か」と聞いてみると、「うん、楽しい。いままで使っていたボードに比べると、凄くやりやすい!」
という返事が返ってきました。
キチンとした道具はやっぱり違うんですねぇ。

この時、「ああ、大枚はたいたけど買ってよかったなぁ」と、つくづく思いました。

驚くのは、上達の早さです。
長女も、2、3回手伝ってあげただけで、ふらふらしながらも一人で横滑りができるようになり、もくもくとやっているうちに結構上手になりました。

ここで、時間は午後3時。
宿にチェックインできる時間となったので今日は引き上げることにしました。

そして、翌日。
私は朝一のリフトに乗り2、3本滑ったところで、寝ぼすけ家族と合流。
娘たちと準備運動から始めました。
長女はまじめに準備運動、ジブ練とやりますが、次女は早くも適当モードに突入。ホント、参ります。
昨日の復習をしようということにしたのですが、ここでも長女はもくもくと復習開始、次女は一回やったら、「ねぇパパぁ、リフトに乗りたい!」と発言。

実は、我が家は私だけ右利き。妻、娘達は全員左利きなのです。
なので、レギュラー、グーフィーどっちでもいいやということで、バインは9度、マイナス9度(これもフサキさんのお教え通り)にセットしたのですが、二人とも見事にグーフィーでした。
よって、初心者は左側に乗せるこのゲレンデの場合、私がスイッチで乗らないと背中合わせになってしまうのです。
そんなこと今まで一度もやったことのない(やろうと思ったこともない)スノーボーダーゆうじろうは焦ってしまい、「まだお前は無理だ」などといって誤魔化していましたが、「大丈夫、できる、Yes,We can!」などとワケのわからないことを言って、スケーティングでリフト乗り場にダッシュしていってしまうのです。

慎重派の長女は「ワタシはまだ乗らない」というので、下で練習を続けることになり、仕方なくリフトに乗ることになりました。
はっきりいって、次女よりもへたくそなスイッチのスケーティングでリフトに何とか乗り、二人とも転がり落ちるように無事?にリフトを降りることができました。

初心者コースですがちょっと斜度のあるところはヘルプしてあげて、なだらかなところは、一人で横滑りというパターンで下まで滑りました。
調子にのった次女はもうハイクアップなんかしません。
「もう一回乗るぅ」の連発で横滑り。逆エッヂで顔面から雪に突っ込んでも、ニヤ~っとして起き上がり、また横滑りです。
しかし、フォールラインには逆らえず斜面が傾いているとコースの端の方にどんどんいってしまいます。
要するに、木の葉落としがまだできないんですね。

横滑りはできるけど自分が行きたいほうに行けないのに嫌気がさし、「もうママと遊ぶ。」と半べそ状態に。

そして、板を脱いでもリフトに乗れることが判明したため、長女とリフトに乗ろうとしたら、「まだ乗らない」の一言。
これもこれで疲れます(汗)
何とか説得してリフトに乗せ、初心者コースに突入です。

いやぁびっくりしました。
ヒールサイドの横滑り、完璧です。
すかさず木の葉落としをやらせてみました。
1キロちょっとのコース5分の1ほど練習したのですが、なかなかうまくいかず、悔しがりやで涙腺が弱いため、ここで一泣き。
しかし、もう5分の1やったらなんとなくできるように。
残り5分の3は狐につままれたかのように見る見るスムーズになっていくではありませんか。

ウソだろ~と思いながら、もう一本リフトに乗りました。
でも板はまだ手に持って(笑)
今度は最初からスムーズです。
慎重派のため、あまりスピードを出さないせいか、緩斜面になると逆エッヂをくらい、涙腺が弱いためちょっと涙しますが(ここらへんも姉妹で正反対)フォールラインに負けず、自分の行きたい方へ見事にボードをコントロールしています。

そのうち次女の機嫌も復活してみんなでリフトに乗り、滑りました。
長女もいよいよ板をつけたままでリフトにチャレンジ。
乗り場までのスケーティングはOK、降りる時もなんとか転ばずに成功。
なんともホッとした様子でした。(スイッチの私が一番ヘタクソ)

そして今度は次女を何とかせねばならんと思い、練習させたところ、なんか首が亀みたいに引っ込んでいるんです。
だから横滑りしているときに「もっと行きたい方向を見てぇ~」
といっても、目だけが横目になって体が横向かないのです。
そこで「行きたい方向みてぇ~」の後に、「首のばせぇぇぇぇぇ」って言ったらあら不思議、フォールラインに逆らってスイ~ッと進んでいくようになりました。
これで一応次女も木の葉落とし(でいいのかなぁ?)完成です。
ちょっと遅めのランチをとって、もう2、3本滑りこの日は引き上げました。

そして、最終日。
私はまた朝一リフトに乗り、昨夜振っていたパウダーをご馳走になり、10時にチェックアウトしてまたみんなでゲレンデに行きました。
とりあえず、木の葉落としまでいったのでこれでよしとし、適当に滑っていたのですが、欲が出てしまい、長女にトゥサイドの横滑りのレッスンをしました。

トゥサイドは難しいです。
立ってるのがやっとなので、ズラすことができないのです。
なので、ちょっと格好悪いですが、四つんばいにさせて、後ろ向きに滑らせました。
最初はちょっとずれたらぎゅっと止まりの繰り返しだったのですが、コース5分の2くらいまでやったらスムーズにズラせるようになってきました。
ズラせるようになってきたら、こんどは四つんばいで引きずっていた手を少しずつ離していくようにさせて、段々離している時間を長くさせるようにしました。

格好はまだ四つんばいのままなので次は立ってやらせてみました。
最初よりはできるようになったのですが、まだエッヂが引っかかってしまいギュイっギュイってな感じで終わりました。
リフト1本しか練習しなかったのですが、涙腺があまりにも緩みっぱなしだったので相当疲れたらしく、今年の「毎年恒例お正月スノボツアー」はこれにて
終了となりました。

ちなみに次女はトゥサイドを一回チャレンジしてみたのですが、「アタシはまだできなくていいやっ」とあっさりあきらめ、スキーのママをかっ飛び木の葉落としでぶっちぎり、僕と長女が着いた頃はママといっしょにクレープを頬張っていました。
まったく・・・・

しかし、子供とスノーボーディングは、もの凄く楽しいです。
「スキーでも子供といっしょに滑るには変わらないんだから、同じでしょう」
なぁんて言われたこともありましたが、あきらかにスノーボード同士の方が楽しいです。

スノーボードにまたひとつ素敵なプレゼントをもらったような気がしました。

これから先の話、みんなでコースサイドのカベやポコジャンにチャレンジしたり、パウダーにアタマから突っ込んで大笑いできたらいいなぁと、夢は膨らむばかりです。(ちっちゃい夢だなぁ)

でもその前に、ターンとかの話になった場合どうしましょ。
私、教えられませんよ(汗
こっちが教えてもらいたい位なんですから・・・。

 

ハチマキ親父ゆうじろうのプロフィール  

職業・・・大工
星座・・・おひつじ座
血液型・・・「マジでぇ」とよく言われるAB型

スノボ暦・・・年4~5日で11年目

日課・・・毎朝メープルドリンクを飲んでいる。

得意料理・・・もんじゃ焼き
好物・・・酒類、もつ焼き
癖・・・晩酌
持病・・・痛風

好きな女優っていうか永遠のアイドル・・・松田聖子

 

 

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