スノーボーダーの「足が痛い」を解消する!足部コンディショニング講座

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シーズン初め、足の裏が痛くなるという現象に悩まされている方いませんか?
こういう方、実を言うとあなただけではない!スノーボードのレッスンをしていると、時々、そういう症状を訴える方がいます。
仕方ないので、休憩してその日のスノーボード・ディを誤魔化したり。だけど、そんな痛い思いをしてまで滑っても、正直おもしろくないのでは!?

そこで、『滑っていると足裏が痛い原因を撤退解明へ!!』
理学療法士が教える!スノーボーダーのための足部コンディショニング講座
をお届けしましょう。

Text: Toru Akiyama

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こんにちは、カレーライダーこと秋山 亨(トオル)です。
今はカレーライダーは副業で、本業は札幌の整形外科で理学療法士(以下:PT)として勤務しています。PTとして働く傍ら、週末はスノーボードジュニア選手向けのオフトレクリニックやシーズン中はスノーボードの大会や合宿などにメディカルスタッフとしても帯同しています。
(※この記事のオリジナルは2017年にアップし、現在、秋山さんはナショナルチームのトレーナーとして活躍しています。これまでたくさんの方に見ていただきました。シーズンインで足の裏の痛みに悩んでいる方は、ぜひこの時期にチェックしてみてください)

今回、DMKフサキ師匠より「トオル、なんでシーズンインしてすぐは滑っていると足の裏が痛くなるの?なんか対処法はあるの?」と質問をいただきました。
そこで今日はみなさんにシーズン始めに足裏が痛くならないコンディショニング方法を伝授させて頂きます。

メカニズム

まずなぜ足底が滑っていて痛くなるのかを説明します。
足裏には足底腱膜という膜状の組織があり、足のアーチを支えています。(図1、2 参照)
足指の間には足の内在筋(固有筋)と呼ばれる複数の筋肉がありこの内在筋もまた足のアーチを支えています。(図3参照)

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シーズン始めに起こる足裏の痛みはこの足底腱膜の柔軟性の低下と足の内在筋の機能が低下していることにより足底腱膜の炎症、内在筋の筋疲労や炎症により起ると考えられます。

足底腱膜や足内在筋が炎症を起こしてしまう要因としては下記のことが考えられます。

シーズン始めはまだ下肢の筋力も不十分であることが多いため、滑走中にふくらはぎの筋肉が張ってきます。
ふくらはぎの筋肉が張ってくると足への血流が阻害され始めて足の内在筋が働けなくなってきて痛みを出し始めます。
懸垂などを繰り返すと筋が疲労して腕がパンパンになってくるのと同じ原理です。
寒い屋外環境でブーツを履いているので、足部への血流が低下しやすいというのも要因の一つでしょう。
日頃から足底腱膜の柔軟性や足内在筋の機能が低下していることも要因と考えられます。

スノーボードはバランススポーツなので、足はブーツを履いて固定されていますが、バランスを取る為に足指も頑張って踏ん張っています。実際にカービングターンで足指の感覚まで意識して滑っているというライダーも多いでしょう。バランスを取るためには足指の動きも非常に大事なのです。

普段から内在筋が上手く使えていなく、足底腱膜の柔軟性が低下してしまっている状態に加えて、足部への血流障害が起こりさらに内在筋が使えない状態になってしまうと足内在筋、足底腱膜の炎症を起こしてしまうと考えます。
シーズン中にライディング日数を重ねていくうちに、ふくらはぎの筋力がついてきて、足内在筋も少しずつ使えるようになってくると症状は改善していきます。

コンディショニング

ではここからはシーズン始めから足裏が痛くならない為のコンディショニングです。
ポイントは:

•ふくらはぎの血流を良くする。
•かかと、足指、足裏を柔らかくする
•内在筋を使えるようにする

です。いきなり内在筋を使えるようにするのは難しいので、まずは内在筋を使いやすくする条件を整えます。

①ふくらはぎマッサージ

目的:ふくらはぎの筋群を柔らかくすることにより、足指への血流をよくして内在筋を使いやすくします。
方法:仰向けで膝を立てる。片足の膝の上にもう片足のふくらはぎをのせ、すねを膝の上で滑らせてふくらはぎをマッサージする。すねには内側の脛骨、外側の腓骨があるので、その二本の骨の間をマッサージするイメージで行う。両足20~30 回、ある程度気持ちよくなるまで。

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②かかとマッサージ

目的:かかとの関節(距骨下関節)の動きを良くすることにより、足指への血流をよくして内在筋を使いやすくします。
方法:片手でくるぶしの下を固定して、もう片方の手で踵をやさしく包み込み、くるくると回す。団子を転がすように優しくコロコロと転がす。
左右20~30回づつ

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③足指マッサージ

目的:足指の付け根の骨(中足骨)どうしの動きを良くする事により、内在筋をストレッチして、足指の血流を良くして内在筋を使いやすい状態にする。
方法:親指と人差し指の足指の付け根を持ち、上下にずらしながら動かす。
親指、人指し指が終わったら次は人差し指、中指の間。次は中指、薬指間、最後は薬指、小指の間というように徐々にずらしていきます。各指の間を上下に10~20 回ずつ行います。

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④起座(きざ)

目的:足底腱膜、足内在筋のストレッチ、足内在筋の筋力強化
方法:①正座をする。②足首を曲げて、足指が地面に着くようにして、踵をお尻にのせる。足底腱膜が硬い人は痛みがでやすいので、痛みがでない範囲で行う。30 秒~1 分くらい

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以上の4つの運動をお風呂上がりに毎日行ってください。
お風呂上がりに行うと筋肉が柔らかくなっているので効果が出やすいです。
機能的な足を作るためには普段から継続的に行うことが大切です。できればシーズン前だけでなく。常にお風呂上がりのルーティーンとして行うと良いと思います。

また、足の内在筋を使えるようにするには芝生の上を裸足で歩くなども効果的です。公園に行った際には試してみるのもいいでしょう。
いかがでしたか?
普段から足のケアをしっかりとして、いい状態でシーズンを迎えられるように備えましょう。

それでは、Have a nice season!!

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プロフィール

秋山 亨(あきやま とおる)
1982年4月 5日生まれ
東京都出身

経歴
高校時代よりスノーボードを始め、カナダワーホリ時代にDMKフサキに出会う。スノーボードインストラクターを経て、自身の怪我の経験を生かそうと25才の時に理学療法士の専門学校に入学、28才で理学療法士免許取得。現在は北海道札幌市の整形外科に勤務しながら休日はスノーボーダーの為のトレーナー活動も行っている。

資格
理学療法士
CASI level2 インストラクター
JSBA B級インストラクター
Spine dynamics療法 上級認定セラピスト(北海道では2人目)
など

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