Story: Fusaki IIDA
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スケートボードとサーフィンが、五輪種目候補に残り、嬉しさ半面、何か違和感があるな。
なんだろう、この違和感・・・。
スケートとサーフィンまで、五輪種目か!というこの自分の思いはどこから来るのか。
また、わけのわからにオジサンたちに、仕切られるのかあ、という切ない思いもあったり。
プラス要因で考えれば、日本に横乗りスポーツの文化が広がること。
横乗り人口が増えるのは間違いないでしょう。これは良いこと。
ただ、五輪によって競技露出が特出し過ぎると、イコールその競技自体がそのスポーツであるという見方が広がるような。
嗚呼そうか!そこにオレの違和感はあったんだ。
スノーボードも五輪種目になってから、ずいぶんと競技思考が広がったと思います。
例えば、普段スノーボードとはまったく関係ない社交の場で、「ああ、あなたはスノーボード関係の仕事しているんですか。」という話になった時には、必ず相手は五輪種目のイメージになっているから。
「日本のスノーボード選手は、凄いねえ。」とか。
「あの採点方法はどうもわからないですねえ。」とか。
「同時にいっしょに滑って行う競争種目は、おもしろいもんだねえ。」とか。
まあ、そんな会話。多くの方も経験したのでは?
業界自体も、そんな流れが強くなっているように思うのです。
例えばあるブランドのライダーの出入りを見ると、オリンピックに影響されているな、と思うこともあります。
オリンピックで活躍しそうな選手は残して、そうでなくビデオ撮影で頑張って来たライダーを切っちゃったり。
もちろんだからって、スノーボードが持つ本来のカッコ良さが失われるものではないし、これからもオリンピックを無視したプロ活動も続けられるだろうけど。
だから、これからも一般の人と話す時、覚悟を持って受け応えればいいだけの話か!
「はい、そうですね。」と相槌を打って。
内心では、「これだけがスノーボードじゃないぞ!」って思っていれば(笑)
そもそもスノーボードとかスケートって、特殊なスポーツですよね。
例えば、ウチの息子はサッカーを頑張っているのだけど、サッカーって子供もやっているものもプロがやっているものも時間内でゴール数を争っている同じようなもの。どこから見てもどっちもサッカーに見える。
だけど、スノーボードで言えば、オリンピックではヘルメットをかぶって4回転とかのジャンプを目指していて、撮影プロは真夜中に眠たさをレッドブルで吹き飛ばして、車の明かりを頼りに街中の手すりを擦っているのだから。同じプロでも片方は観客とスキー場の会場があり、片方にはカメラマンとハイファイブがある。この違い!特殊だ(笑)
そもそも山で自由にパウダー楽しんでいたのが、こんなふうに発展しちゃったんだから不思議な話だよね。
30年もやっていると、こんなこともあるのか、と思うことがあります。
まあ、オレはこれからも雪山を愛し、スノーボードを楽しんでいく。
そして、スノーボードの仕事をしている一人として、これからもこのスノーボードの素晴らしさを伝えていきたいと思う。
だから、一人でも多くのスノーボーダーが増えるといいと願っている。
その方法が、オリンピックでもなんでもいいし、ともかくどんな方法であれスノーボーダーになった人に、フリーランの楽しさは知ってほしいな、と思います。まっ、自分があれこれ言わなくても、自然にそうなるだろうから、余計なお世話、余計な考えかなってか!?