Text: Fusaki IIDA
先日、『キングスレイーズ押部氏がSAJに怒り爆発!』という記事を上げたところ、フェイスブックからのリーチが2万を超えました。この記事の注目度を伺わすハイ・アクセス数です。
一方、「いいね!」をした方は、200人ほどに留まり、押部氏の意見に賛同しているのかどうか、この数字から読み取れませんが、注目は高いことは確かだし、SAJに対して否定的な方も少ないように感じました。
実際、DMKのフェイスブックの書き込みには、「SAJの資金を選手達に、分配するべきです。」というご意見が寄せられました。
(地域育成現場から、将来のヒーローが飛び立つ!だからこそ、もっとコミュニケーションが大切だ。)
ただ、僕が長年聞いたSAJの予算というのは、常にキツキツの中でやっているという印象があります。
ナショナルチームというコーチの方の報酬もあまり良いイメージはなく、まさにコーチをしたい!という情熱でやっている方が多かったように思います。
また、こんな話も聞いたことがあります。あるSAJの役員さんは、スノーボード大会の普及のため、自腹のような形で大会を開いていると。
もし、それが本当なら、これも苦労された話です。協会からはスノーボード普及となる大会費用などなかなか出ない。でも、ナショナルチームは作らないといけないので、大会を開かなければならない。そこで、お偉いさんが自腹を切ってやったということだから。
以上の噂のような話から察するに、SAJというのは苦労しながら活動しているのが現状だと思います。
考えてみれば、今や国民の大人気のなでしこジャパンでさえ、選手は前回ワールドカップでエコノミークラスで向かったということだから、ウィンターのような協会になかなか資金が回るハズがないのかもかもしれません。
だが、この押部氏の指摘の問題点を考えると、現場育成現場とナショナルチームの連携だと僕は考えています。
春に日本の育成現場に関わっている方とお話しもしたのですが、その時にこうして地域で頑張っている方と、ナショナルチームがよりうまくコミュニケーションを取れると良いと感じました。
例えば、押部氏がおっしゃるように、キングスで多くのタレント・ライダーが育ったのは事実でしょう。
キングスだけでなく、他のオフトレ施設からも排出されていることは間違いないところ。
他のスポーツを考えれば、ナショナルチーム・レベルの機関と、地域育成レベルが良く連携が取れているように思います。
例えば、サッカーの場合、地域の強いチームはプロチームの育成チームと連携が取れていたり、また市や県レベルチームでの昇格するような制度があったり。しいては、トップ・レベルにつながっています。
しかし、スノーボードの場合、そういったことがないとは言わないけど、少な過ぎると思うのです。
例えばキングスのような各地域の育成リーダーが、SAJとつながっていることが大切です。
上からの提案、下からの提案、そうしたコミュニケーションをしていけばいいでしょう。
そうすれば、押部氏が懸念しているような問題も起こらないのではないか、と思うのです。
SAJが、日本全国の広がる地域の子供たちを管轄するのは不可能です。しかし、地域のリーダーたちは、子供たちを見ることができる。推薦することが可能です。また将来的にはSAJが定めるコーチング指標にとって育成していくことも可能でしょう。
スノーボードは数度の五輪を経験したと言え、まだまだ若いスポーツ。
今からでもこうした作業を地道に続けていけばいいと思うのです。
1)ナショナルチーム・レベルのコーチング指標
※地域のコーチは、これを参考にコーチングしてもいいし、また提案してもいい。
2)地域のコーチが、SAJに推薦できる関係、コミニケーション
普段通っているキングスやスノーヴァのような施設で頑張っていれば、ナショナルチームのセレクションを受けるなり、全日本に出るチャンスがある。こういう事実があれば、若いライダーはよりモチベーションを上げることができるでしょう。
また現場育成からトップチームに提案することがあったり、ナショナルチームからもオフトレ、食事管理含めて、トレーニング指標を提案できる。何度も言いますが、こうした地道なコミュニケーションが、さらに日本のスノーボードを強くし、しいては業界の発展につながると思います。
ソチ五輪では遂に待望の金メダルも期待されるだけに、ぜひとも考慮してほしいことです。