平岡暁史のパーク・ライディング遊び術

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 ニュース・コーナーの初の試みの連載ハウツー。お陰さまで大好評だった。
日本を代表するライダー、平岡暁史プロのお手本がガンガン見れる、というところも評判が高い要因だったようだ。
これまで週間でバラバラで見せていたので、ここで改めてしっかりと見たい!という方も少なくないだろう。
そこで、今回の特集では、アイテムのチェック方法や攻め方なども含めて、改めてまとめてお届けしよう!

ハウツー・コンテンツ内容

A 擦り系アイテムの特徴

ジブ系
1 フロント・リップ270アウト
2 ノーズプレスのダブルノーズグラブ
3 50-50 180アウト

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B キッカーの特徴

キッカー
4 フロントサイド540
5 キャブ540
6 スイッチバックサイド540

C ヒップの特徴

ヒップ
7 トゥイーク
8 バックサイド360
9 バックフリップ

 

Sponsors:
Ride snowboard, A SEVEN, Oakley, DAKINE, R≒0 Wax, Wingcraft,
oran’ge, Sandwich,雪番長
平岡暁史もワンポイント・ハウツーで登場!
Peak#04は全国ショップ及び、
DMK ORIGINAL STOREで今月22日に発売開始

A 擦り系アイテムの特徴

ボックスやレールといった擦り系アイテムの特徴は、雪と違って固いということ。長年スノーボードをやっているベテラン・ライダーさんでも、ボックスに入ったとたんに戸惑うのは、この点にある。
しかし、アイテムに入るまでは、オーリーインしたり、180インしたりなど、雪上でのフリースタイル・テクニックが有効に使われるので、やはりスノーボードがうまい人は、ジブ系でも実力を発揮できるものだ。
ほとんどの擦り技は、事前に雪上で同じような練習ができるので、まずは雪上であたかもボックスやレールがあるかのごとく練習してみるといい。
例えば、ボードスライドやりたいと思ったら、それは雪上でもできるのだから、例えば雪上にボックスを描いて(注:枝やポールなどを使って描いてみるのもいいだろう)練習するといいのだ。
またレールはボックス以上にシビアなポジションに乗らないと殺られる(=転ばされる)ので、まずはボックスで練習した後にレールに行くといい。
今回、使用したレールのアイテムは、キンク・レールと言って、この曲がったところをうまく乗りこなすのがポイントとなる。具体的には、ボード面をレール角度に絶えずフラットに合わすように、足首やヒザをうまく使って調整する必要がある。

1 フロント・リップ270アウト

フロント・リップは、擦りアイテムを正面からまたぎ越してバックサイド・ボードスライドのように擦る技。バックサイドで擦っているので、一見すると「バックサイドなになに」という技になると思われるが、そうではない。フロント側から入っているので、フロント・リップスライドという技名になる。

         

このトリックの基本は、見ての通りバックサイドで擦っているので、バックサイドボードスライドがうまくできないとならない。初めてボードスライドする人の多くは、後ろに体重をかけてエッジを抜かしがちだ。ハイバックに寄りかからないように、しっかりとフラットで乗るようにすること。

 

POINT !

乗ったところでボードはフラットに

またアイテムに乗る時にトゥで蹴るが、その時に前のめりになりやすいので気をつけよう。

フロント側からジャンプして乗ったら、アイテムのエンド(終点)を見ながら後ろ足に体重を乗せていく。ここでしっかりと後ろ足にプレスができることで、スタイルの良し悪しが決まるだろう。

乗ったら270アウトのため、上半身を後方へ回す先行動作を行うこと。

そしてエンドのところでボードのテールをポップさせて、バックサイド側に270回して着地。

アイテムをまたぎ越して乗るジャンプ技術、アイテムを擦る技術、そしてバックサイド側に270回して着地する技術が必要で、それぞれのテクニックをしっかりと習得することで、このフロント・リップ270アウトができるようになる。
ジブ技は、乗るところが最も難しいので、普段のフリーライディングもポコジャンにより、ジャンプして乗るという感覚を習得しておこう。

 

 

 

2 ノーズプレスのダブルノーズグラブ

細めのボックスでノーズプレスを決める姿。なんとなく、ユニークなトリックなトリックだ。技はかなり本気感が漂う凄いものから、このようにお遊び的ともいえるトリックもある。しかし、お遊び的とは言え、しっかりと基本したテクニックがないとできないものだ。

 

 

 

 

POINT !

ボードは真っ直ぐに擦らすには、目線をしっかりとエンド(終点)へ持っていくこと

アイテムに乗ったら、前ヒザを曲げて、後ろ足を同時に伸ばしてプレス。
この形をしっかりと決めないとノーズをダブルグラブする時に、バランスを崩すので気をつけよう。

グラブを決めたら、さらにプレスをしっかりと維持できるように、後ろ足を伸ばし続ける。
同時にボードの進む軌道をまっすぐに保つために、目線をアイテムのエンドに送り続けよう。

いきなりボックスなどのアイテムでトライせずに、雪上でやっておくととても良い練習になる。

 

 

3 50-50 180 out

アップからフラットのレールの斜度変化を利用して、フロントサイド180を鮮やかに決める平岡プロ。エアーに導くための板の抜き方が絶妙である。まさに長年培ったテクニックで、ひじょうに参考になるエアーの飛び出し。
レールを擦るだけでなくジャンプのアイテムに利用することもできる、という良い例だろう。
 
まずはこのアップフラットのレールになれるため、50-50で抜いてみよう。

POINT !

ボードを体に引き寄せ、完全にコントロールできているfs180。こんな180ができているといいね!
次にスピードを利用して平岡のようにアップフラットの斜度変化を利用してジャンプしよう。いきなり180やると、危ないので、まずはストレートにジャンプだ。

いよいよフロントサイド180にトライする時には、ボードをフラットのまま抜くようにすること。雪上でのスピンでは、フラットで抜かずにエッジをかけて抜くことがほとんどだが、レールの場合だとエッジをかけたとたんにバランスを崩すことを忘れずに。だから、日頃からフラットで抜くことも習得することが大切。

右肩を入れて、左肩を引くことによって上半身を回し続けて、エアーしよう。

あとは目線を着地方向に送りつつ、下半身でボードを着地に合わすだけ。

日頃からフロントサイド180をやる時に、この平岡の上半身の使い方をよくイメージして練習するといいだろう。

 

B キッカーの特徴
パークにあるキッカー(注:別名テーブルトップ)は、数多くの飛び系アイテムの中でも最も飛びやすい。
例えば、ハーフパイプは技術がないと、飛べないので、意外と大きなケガは少ない。
しかし、キッカーは、真っ直ぐ滑れることができる初心者でも飛べてしまうので、最もケガが多いアイテムだ。それだけに基本的な動作をしっかりと頭と身体に叩き込んでから挑みたいアイテムである。
また、アプローチするところから、ランディングは見えないのが常なので、必ず下見が必要だ。
もちろん今回ハウツーをやってくれた平岡プロも、必ず下見をしている。
実際、アマチュアの方が、猪根性で下見もせずに突っ込んだり、いきなりスピンしたり傾向があるので、気をつけてほしい。なぜなら、世界中で今日も下見をせずに飛んだおかげて、今シーズン棒に振ったスノーボーダーがいるからだ。
また、キッカーは、スピンを始めた時にバランスを崩しケガが多くなる傾向もあるので、充分にポコジャン(注:小さいジャンプや自然地形のジャンプ)で鍛えてから挑もう。
最も飛びやすいキッカーは、最もケガが多いアイテムでもあるので、充分に気をつけよう。 まるでジャンプする時のように滑ってきて、リップ直前で止まる。
このような下見は多くのプロがやっていること。
4 フロントサイド540

中型サイズのキッカーで、お手本のようなフロントサイド540テールグラブ。何度もシークエンス写真を確認してしまいたい完璧さ。この技を長年やり抜いたベテランの味を感じる。シーズン前のイメトレに最適なので、ぜひ参考にしよう。

 

 

 

アプローチでは、基本通りに低い姿勢を保つ。

 

POINT !

高さを出すため抜けギリギリまで先行動作は辛抱して、ここから目線、肩、手を回す方向に導いていこう。

肝心の抜けでは、上半身をリラックスさせつつ、目線、肩、手をフロントサイド・スピン方向に回し続けること。

空中に飛び出したら、慌てずにヒザを曲げてボードを自分の体に持っていき、テールをグラブする。
残り180ほどのところでグラブを離し、着地に備える。

着地の後にボードが惰性で回ってしまうようなケースでは、着地の時にカカトに乗ること。こうすることでドライブを防ぎ、着地をピタッと決めれる。

もちろん基本は180にあるので、まずは180を完璧にして、次に360、そして540に進むようにしよう。

 

 

 

 

 

 

5 キャブ540

ノーマルのスタンスで行ったトリックを、そのままスイッチで行う。
そして、あたかもそのスイッチ技をスイッチでやっているように見せないほど、完璧にこなす。
この遊び心が、さらにスノーボードの楽しさを深めるし、平岡の実力の真骨頂だろう。
先週行ったノーマルのフロント5も参考にしつつ、今回はスイッチならではのコツを紹介しよう。

 

 

 

 

POINT !

スイッチのジャンプはアプローチで戸惑いがち。日頃からのスイッチ・ランで「慣れ」が肝心。

 

慣れていないスイッチでは、スピード感覚が速く感じがちだ。自分的にはスピードが足りていると思っても、足りなかったりするものである。
またスイッチではスピード調整も慣れていないから失敗することもある。その点、注意が必要だ。

日頃からスイッチでガンガンすべって、慣れておくことが肝心。

 

 

6 スイッチバックサイド540

スイッチでのバックサイド540は、最初の180度はスイッチでのバックサイド180だが、残りの360度はフロントサイド360となっている。
ということは、スイッチバックサイド180と、フロントサイド360をしっかりと習得しておけばできる技だ。

方程式
スイッチバックサイド180+フロントサイド360=スイッチバックサイド540

 

 

方程式を理解したら、あとは2つの基本動作を習得すべし。
とりわけスイッチでのバックサイド180が鍵となるので、日頃からグラトリという基本的なところから習得しよう。
そして、だんだんと小さいなキッカーから大きなキッカーにトライしていくといい。

 

C ヒップの特徴

ヒップとは、パイプとストレート・ジャンプの中間にするようなアイテムで、着地はフロントサイド側かバックサイド側になる。ここで平岡プロがジャンプしたアイテムは、アプローチはストレートジャンプのようにほぼ真っ直ぐに突っ込めて、着地はパイプのバックサイド側の壁のような斜度になっているというものだ。
多くのヒップ初心者は、上まで行かずに途中で降りてドロップするようなジャンプしてしまう。それだとランディングに落差があって、返って危ない。
怖いけど、ヒップのリップまでしっかりと滑ってみよう。すると、上る斜度のお陰でスピードがかなり低速するものだ。そうして最初は飛ばなくても、このヒップを上って下がり、滑ることで、このヒップに必要な体軸の移動を覚えるのだ。
体軸と言うと、難しいけど、ようはボードを常に斜面に向かって垂直に当てるように動くということ。
慣れていない人は、最初、プレッシャー感があるかもしれないが、パイプと同様に回数をこなすことで、どんどん恐怖感も和らぎ、身体の動かし方も理解してくるので、ぜひチャレンジしてみよう。

 

 

7 メソッド・エアー

多くのスノーボーダーが一度は虜になってしまうメソッド・エアーを気持ち良さそうに飛んでいる。あまりにもテンションが高かったのか、着地はややフラットの方まで行ってしまったけど、持ち前のガッツと足腰の強さでリカバリーした。

 

ヒップのアプローチではリップに駆け上がるところで、パイプのように強いGが掛かる。だからそのGにつぶされないように、ヒザ、足首をしっかりと曲げて固定させておくこと。

 

POINT !

アプローチでしっかりと踏んでいるから、そのGを利用して高く飛べるんだね!

リップできるだけ待って、まさにテールが抜けるというところでリップを蹴る。早く蹴り過ぎると、このヒップで本来出せる高さを出せないので「できるだけ待つ」という気持ちが大切だ。

空中で飛び出したら、慌てずにゆっくりと後ろの手をヒール側にグラブするメランコリー・グラブに。エアー高いから「ゆったり気分」が大切。そこからエビ反りのメソッドの形を作っていくこと。最初、この形にこだわりエアーを低くしてしまいがちなので、しっかりと抜いて慌てずに技を決めていく、ということを意識しよう。

ところで、このようなバックサイド側のヒップでは、ヒールエッジで着地しがちだ。だけど、ヒールで着地すると衝撃で飛ばされるので、むしろトゥに乗るぐらいの気持ちで着地しよう。結果、フラットに着地していればOKだ。

 

 

 

 

 

8 バックサイド360

ストレート・ジャンプだけでなく、このようなヒップでもクルっとスピンを決めれたらオシャレだよね。今回はそのスピン系の基本ともなるヒップでのバックサイド360。
ヒップはパイプと同じように、実質180回転ほどのトリックでも360という名称になるので、そこんとこヨロシク。

 

 

POINT !

まずはストレートのように抜いて、それからゆったりとスピンのアクションをするようにしよう。

アプローチでは、ストレートと同じように入る。

トリックの名前で360とあるが、実際には180を回す感覚だ。だから先行動作はほとんどいれないで、飛んでから体を縮めて目線を後方に送る。

空中へ飛び出したら、ボードをしっかりと引きつけ、同時に上半身をかぶせてメランコリー・グラブ。体をコンパクトにまとめることにより、スムーズなエアーを可能にする。

着地ではボードが惰性で回らないように、トゥ気味に着地すると良い。そうすると、ピタっと着地が決まるよ。

 

 

 

 

 

9 バックフリップ

ラストを飾るに相応しく華やかな技、バックフリップだ。こんなトリック決められたらゲレンデのヒーローだね。

それにしても平岡プロは、忠プロ(布施)といっしょに滑っていたので、テンション高まっていたのか飛び過ぎだ!またもやフラットまで行っている。
だけど、完全にこの技を制している安定感が漂うね。
 

 

POINT !

体を小さくしたこの体勢から、アゴを上げバックフリップの仕上げへ。

ビビらずスピードをしっかりと付けて、アプローチ。

 

抜けが早くならないように、リップのギリギリまで蹴るのを待つこと。
 
抜けたら後方へ体を持って行くようにする(2コマ目)。
 
空中では体を小さくしていこう。小さくすることで、スピンを安定させることができる。
 
グラブしてからアゴを上げ、バックフリップの仕上げの作業。
同時に着地を見ていき、ランディングに備えること。

もちろんいきなりバックフリップをやるのは、ご法度。ケガのリスクが高いので、日頃からトランポリン、またはプールなどを利用して、バックフリップの感覚をつかんでおこう。

 

 

 

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