文:飯田房貴
年明け1月12日より全国公開される映画『銀色のシーズン』。
人気の若手俳優、瑛太、玉山鉄二、田中麗奈らを配し、『海猿』シリーズや『逆境ナイン』で知られる羽住英一郎監督の初のオリジナル作品として話題を集めている。
『私をスキーに連れてって』以来のスキー映画として、関連各業界からの期待の熱い作品だ。
1987年に上映された『私をスキーに連れてって』は、空前のスキーブームをもたらし、スキー人口を1800万人にまで引き上げた。日本の人口は12億以上というから、約15%もの人がスキーをやっていたことになる。まさにクレイジーな状況だった!
そして、1990年にはスノーボードが現れ始める。バブルが崩壊し、日本経済が元気がなかった90年中頃だったが、空前のスノボ・ブームが起こる。スキー人口に陰りが見えたが、スキー場はスノーボーダーにより、息を吹き返した感があった。
しかし、バブル崩壊後、日本はすっかり元気がなくなってくると、レジャーのトレンドが、「安・近・短」へとシフト。都市型のテーマパークが増えたり、またケータイなどで友人同士のコミュニケーションを楽しむ人が増加。若者は車を買わなくなったので、まして寒いスキー場まで引っ張り込むことなど、難しくなった。
社会経済生産性本部が発表しているレジャー白書2007によれば、スノーボード人口は420万人で、スキー人口と合わせても1030万人とのこと。90年代前半のピーク時から800万人近く減少している、とのことだ。
リフトの売り上げから見たスキー場収入も06年は710億円で前年比5.3%減と、ピーク時の4割も落ち込んでいる。軒並みスキー場が潰れていく事態も、この数字を見れば理解できるというもの。
そんな中、この映画『銀色のシーズン』は、かつての『私をスキーに連れてって』のような、甘酸っぱい(?)青春映画の香りを見せてくれているようだ。このような映画を見ると、「雪山に足を運びたい!」なんて、気持ちになるのだけど、そんなことを考えるのは、40手前のオジサンが考えることだけなのかな!?
ともかく、スノーボードを題材にしなかったスキー映画であるのはちょっぴり残念だが、まさにスノーボードの特色を受け継ぐようなスキーのフリースタイルの動きも披露してくれて、この作品には期待を掛けてしまいそう。
かつてロッキーを見た若者が興奮のあまり横にいた友達を殴ってしまった現象が見られたが(注:オレらだけの現象だったかも!?)、この映画を見て、ぜひ雪山まで行こう!って気持ちになってくれたら、嬉しいな。
以下、映画『銀色のシーズン』のオフィシャルページでプロモーション映像をぜひチェックしてみて!
http://www.g-season.jp/
ps: 撮影はウィスラーでも行われたよ。