
スイス・LAAXで開催されている新たな国際大会「The Snow League」シーズン1の最終戦が、いよいよクライマックスへ。現地3月19日にはスノーボードの予選が行われ、男女それぞれ8名、計16名のファイナリストが決定した。
さらにこの日、平野海祝がハーフパイプ史に残る大記録を樹立。大会は歴史的瞬間とともに、初代ワールドチャンピオン誕生へ向けた大一番へと突入している。
しかし、この最終戦の舞台に、その名はなかった。優勝すればリーグ制覇の可能性を残していた平野歩夢は、今大会を欠場。骨盤骨折という大きなダメージを抱えながらも、オリンピック、そしてアスペン大会まで戦い続けてきたその姿は、まさに限界への挑戦だった。だが、ついにその戦いはここで一区切りを迎える。
“勝ち続けるため”ではなく、“挑み続けるため”に滑り抜いたシーズン。
そのバトンは今、同じ日本勢へと受け継がれ、LAAXの舞台で新たな歴史が刻まれようとしている。
目次
山田流星&清水さらが予選トップ通過
男子では、山田流星が圧巻のライディングでこの日の最高得点95.75をマークし、トップシードで決勝進出を決めた。
そのランは、
- スイッチ・フロントサイド・ダブルコーク1440 インディ
- フロントサイド・ダブルコーク1260 ミュート(約21フィートの高さ)
- 代名詞!マックツイスト・ジャパン
- 再びダブルコーク1440
- そしてスイッチ・バックサイド・アーリーウープ・ダブルロデオ900
と、完成度・高さ・難易度すべてを兼ね備えた構成。現在ランキング2位につける山田は、この結果でランキング首位の戸塚優斗との差を36ポイントに縮め、初代王者争いを最終決戦へと持ち込んだ。
一方女子では、16歳の清水さらが91.50というこの日の最高スコアを叩き出し、トップ通過。
アスペン大会優勝の勢いそのままに、
- バックサイド・バレルロール インディ(約12フィート)
- 720を連続
- さらに900を連続
と、高さと安定感を両立したハイレベルなランで存在感を示した。
女子は“世代&実力”が激突する決勝トーナメントへ
女子は各ヒートの勝者がそのまま上位シードとして決勝トーナメントへ進出。
- ヒート1:冨田せな(ランキング首位)
- ヒート2:清水さら
- ヒート3:パティ・ジョウ(中国)
- ヒート4:工藤璃星
と、今シーズンの各大会優勝者がすべてヒートトップ通過というハイレベルな展開に。
さらにラストチャンス予選からは、
小野光希、ケラルト・カステリェト、蔡雪桐、マディ・マストロらが決勝進出。
特に注目は、ランキング1位の冨田(233pt)と2位の小野(203pt)がトーナメントで激突する可能性。初代ワールドチャンピオンの行方を左右する大一番となる。

男子も世界最高レベルの争いに
男子では山田のほか、
- ヒート1:戸塚優斗
- ヒート3:平野流佳
- ヒート4:キャム・メルヴィル・アイブス(NZL)
がそれぞれヒートトップで通過。
ラストチャンス予選からは、イ・チェウン、ヤン・シェラーらが勝ち上がり、決勝の8名が出揃った。
戸塚と山田の一騎打ちを軸に、世界最高峰のハーフパイプライダーたちによるトーナメント戦が展開される。

平野海祝が世界記録更新、7.72mの超ビッグエア
この日の最大のハイライトは、やはり平野海祝による世界記録更新だ。
ハーフパイプでのエアの高さは25フィート4インチ(7.72m)を記録。
これは今年2月、アスペン大会で記録された25フィート2インチ(7.68m)を上回る新記録となった。
スコアを超え、純粋に“高さ”で観客を沸かせるために放たれたその一撃は、会場を一瞬で熱狂に包み込み、スノーボード史に刻まれるハイエストエアとなった。
その圧倒的な高さで、男子の「Jeep Biggest Air Award」も獲得。
女子はカナダのブルック・ドンドが4.67mで同賞を受賞している。
https://youtube.com/shorts/y0razDWCjk4?si=YqEu3lxy-TAVDRzM
賞金総額約53万ドル、初代王者が決定へ
今大会のスノーボード部門では、
・大会賞金:37万ドル(男女均等配分)
・シリーズチャンピオン賞金:16万ドル
が用意されており、まさにシーズンの集大成にふさわしいビッグマッチとなっている。
さらに、出場した全52選手(スノーボード36名+フリースキー16名)には、競技レベル向上を目的に5,000ドルの出場報酬も支払われる。
この手厚い報酬体系の背景にあるのが、ショーン・ホワイトのビジョンだ。
スノーボードやフリースキーを他のメジャースポーツと同様に“プロスポーツとして確立させる”という思想のもと構築されたこのリーグは、アスリートが競技に専念できる環境を整え、新たな時代のスタンダードを提示している。
決勝は3月22日、初代チャンピオン誕生へ
決勝は現地時間3月22日(土)に開催。
ヘッド・トゥ・ヘッド形式のトーナメントで、ついに「The Snow League」初代ワールドチャンピオンが決定する。
日本勢が男女ともに優勝争いの中心にいる今大会。
歴史に名を刻む瞬間が、目前に迫っている。

