
バックカントリーのピローラインは、スノーボードの中でも特に繊細なスキルが求められる地形のひとつ。
スピードを出しすぎても危険、遅すぎても次のピローに届かない。まさに“落下速度をコントロールする”ライディングだ。
今回紹介する動画では、カナダのライダー、ライアン・パターソンが巨大なピローフィーチャーに挑んだときのクラッシュストーリーが語られている。
彼はこのラインを3回トライしている。
その理由はシンプルだ。
「最初の着地を自分で認めなかったから」だ。
まずはその映像を見てほしい。
<動画埋め込み>
巨大ピローラインに3度挑戦
このラインを初めて見たとき、ライアンは「誰かがトライすべきだ」と感じたという。
雪のコンディションは完璧。地形も理想的。しかしドロップはこれまでで最大級。
問題はドロップポイントだった。
上から見ると地面が落ちていくように感じるほど急で、距離感の目安がほとんどない。
仲間にラインを確認してもらい、雪玉を投げて落差をチェックしながらドロップポイントを探る。
そして1回目のトライ。
ほぼ成功に見えるランディングだったが、ボードのテール側に強く乗る**“クートニー・ストンプ(バックに叩きつけるような着地)”**の形になってしまう。
多くのライダーなら「メイク」と言うレベルだったが、彼は納得しなかった。
「これはストンプじゃない」
そう判断し、再びドロップする。
しかし2回目はピローを外し、ほぼフラットへ落下。
下にはクラストした雪面があり、強烈なクラッシュになった。
それでも幸運なことに大きな怪我はなく、数日膝が痛んだ程度だったという。
ピローライディングの難しさ
動画の中でも語られているが、ピローラインの難しさはスピードコントロールにある。
ピローを順番にヒットしていきながら落下スピードを調整する必要があり、
- 速すぎると次のドロップで危険
- 遅すぎるとピローの上に乗って止まる
という微妙なバランスが求められる。
このラインでは最初のドロップのあと、連続するピローを「ボン、ボン、ボン」とテンポよくつないでいく予定だったという。
実際に成功すれば、かなり壮大なラインになるはずだった。
それでもライアンは、この経験を後悔していない。
「あの場所は毎年見てしまう。
でも、こういうのが一番学べるラインなんだ」
バックカントリーのライディングは、成功だけでなく失敗からも多くを学ぶ。
この映像は、そのリアルな一面を伝えてくれるストーリーと言えるだろう。

