
カナダBC州を拠点に活動するフィルムクルー「Out of Service」が公開した最新エピソード『The Gamble [Remastered]』。シーズン4の幕開けとなる本作で中心に立つのは、ライダーであり編集も手がけるジェフ・ブラウン(Geoff Brown)だ。
舞台は、世界屈指のスノーリゾートとして知られるWhistler。ローカルクルーが向かったのはブランディワインエリア。数日前に6時間かけて巨大キッカーを造成したものの、完成直後に天候が急変。視界を失うほどの雲に包まれ、やむなく撤退することになる。
そして数日後。フレッシュスノーとわずかな晴れ間を信じ、彼らは再び同じ場所へ戻ってきた。
「ここは雲のシチューみたいな場所だ。どこかが曇っていれば、ここも曇っている」
その言葉どおり、この日の撮影はまさに“ギャンブル”。晴れ間は長く続かないかもしれない。それでもドロップのカウントダウンが始まる。
静寂、緊張、そしてドロップイン。山のスケールに対峙するライダーたちの覚悟が、映像からダイレクトに伝わってくる。
共にセッションするのはTyler Morton、Keenan Filmer、Jordan Phillipsといったウィスラーのローカルライダーたち。ジャンプの完成度はもちろん、自然の中でラインを刻むスピード感と浮遊感が印象的だ。
だが、この日の“ギャンブル”はジャンプだけでは終わらない。
セッション後、スノーモービルが急斜面の途中で故障。3人がかりでマシンを引き上げ、さらに連結トウで脱出を試みるも、日没が迫る。最終的には1台を山に残して帰るという、バックカントリーのリアルな一面も記録されている。
そこにあるのは自然を相手にする者だけが知る緊張感と達成感。完璧なコンディションだけがスノーボードではない。天候、地形、機材トラブル――そのすべてを受け入れてこそ、山での一日は成立する。
美しいシネマトグラフィーと、ジェフ・ブラウン自身による編集が融合した今作は、単なるジャンプ映像ではない。
それは、ウィスラークルーが自然と真正面から向き合った“賭け”の記録だ。
飛べるか。
帰れるか。
山に入るということは、いつだってギャンブルなのである。
Cinematography:
Vanessa Chan
Cam Sylverster
Bryan Smith
Editor:
Geoff Brown

